「イタリアのモンラッシェ」と称される、イタリア産シャルドネの最高峰。
口コミ(vinica)を見る限り、モンラッシェほどの感動は無いようですが、イタリア最高生産者が手掛ける白ワインのトップキュベは、やはり抑えておくべき銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ガイア エ レイ シャルドネ
《価格》
【2~5万円】
※古酒ほど高額
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ピエモンテ州
《生産者》 ガヤ(GAJA)
「バルバレスコの王」「イタリアワイン界の帝王」と呼ばれるガヤ(GAJA)は、イタリアを代表するトップ生産者。
1859年にピエモンテ州に設立されたワイナリーで、3代目のジョヴァンニ ガヤ氏の時代にバルバレスコが高評価されたことでトップ生産者の地位を確立。
2020年現在4代目当主のアンジェロ ガヤ氏は1961年からワイン造りに参画しており、バリック樽の使用や単一畑のワイン生産など、様々な改革を実践し、さらに品質を向上させます。
1990年代にはトスカーナ州のワインも手掛けるようになり、2つの州で世界的高評価を得るワインを生産。2020年現在、後継者となる3人の子供たちと共にワインを造り続けています。
そんなガヤへの評価の一例は以下の通りで、名実共にイタリアワイン界でトップ生産者として君臨し続けています。
・イタリアのワイン専門誌「ガンベロ ロッソ」にて、イタリアのワイナリーの中で一番多くの最高評価を獲得。
・現当主アンジェロ ガヤ氏が、2019年の「ワインメーカーズ ワインメーカー アワード」を受賞。(醸造の分野で傑出した業績を挙げた人物に与えられる賞) 今回紹介しているガイア エ レイは、「イタリアのモンラッシェ」「イタリア産シャルドネの最高峰」と呼ばれる白ワイン。
1983年が初リリースで、同年に生まれた長女のガイア(GAIA)と祖母のレイ(REY)に捧げるため、その名を冠したワインとしており、ピエモンテ州の赤ワイン同様にストラクチャーを重視し、長期熟成に耐える品質を目指しています。
《味わいの特徴》
充実感と気品を持った
イタリア白ワインの最高峰
このワインの特徴は、豊潤な果実味、豊富なミネラル、上質な酸味などを持ち合わせた充実感のある味わいにあり、洗練された雑味の無さからは上品さや気品も感じられるところ。
また長期熟成する事で円熟した果実味やコクが増し、優美な品質になるところも押えておきたい特徴です。
情報の少ないワインでしたが、そのような品質になる理由を2つ挙げます。
■恵まれた土壌■
このワインを生むシャルドネの畑はランゲにあります。
昔海底であったランゲの土壌はミネラル豊富で、粘土質や砂質などその他にも様々な性質を持った複雑な土壌で構成されています。
その豊富なミネラルが味わいに上品さやストラクチャーを与え、土壌の複雑さはブドウの成分の複雑性をもたらし、ワインの味わいに奥行きを与えます。
■徹底した品質管理■
目指す品質は常に最高でワールドクラスを信条にしているガヤ。
納得のいかない年には生産しない銘柄もあるという徹底ぶりです。
伝統だけにとらわれず新しい技法を取り入れるなど、最高のワインを生むことを常に考えるガヤの哲学が味わいに反映されており、このワインはストラクチャーを重視し、長期熟成に耐える品質を目指しています。
【外観】
輝きのある澄んだレモンゴールド
熟成するほど濃いゴールドから琥珀色へと近づいていきます
【香り】
レモンや青リンゴの爽やかな果実香に白い花の華やかさ、蜂蜜やバターにナッツ類のニュアンスも加わり複雑で上品な香りが広がります。
【味わい】
充実感のある果実味はほんのり甘味を帯びており、凛としたミネラルや美しい酸が背筋の通った味わいを表現。心地よい旨味と複雑な風味を伴った長い余韻へと続きます。
熟成するほど成分は溶け合い、凛としたミネラルや酸味は穏やかな印象になり、円熟した果実味や深いコクが増した優美な味わいへと変化していきます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸や凛としたミネラルが際立ち、エレガントで気品ある飲み口になります。
温度を上げるほどエレガントさは弱まりますが、ボリューム感ある風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~30年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ポークグリル
アワビバター
など、上質でコクのある料理などと合わせることで、ボリューム感ある風味とコクの広がりある優雅なマリアージュを楽しめます。
ミネラリーなワインの味わいは、ミネラル豊富な魚貝類とよく合いますし、白ワインながら凝縮感のある味わいは、コクのある肉料理との相性も良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
イタリアのモンラッシェ!?え?全然香りませんが。。。味わいはエレガントなシャルドネって感じで美味しいけど、やはり物足りないですね。4年熟成2013でした。
4年熟成2015は確かにブルゴーニュっぽいが、硬質なミネラル感も無くモンラッシェとは違う。スッキリしていて悪くはないけどね。。。
これは熟成すると良くなるんでしょう。3年熟成の2016は重厚で個性的。良いワインなのでしょうが、私にはこの酸味がどうも苦手かな。
【良い口コミ】
25年熟成とは思えない若々しさには驚いた。1991年のこのワインは透明感があり、パイナップルや青リンゴを連想させる爽やかさのある味わい。
10年熟成2010。バナナ、メロン、桃などの果実香に柑橘類の皮やバターのニュアンス。味わいは非常にミネラリーでイタリアっぽくない!!時間経過で膨らむ果実感が増してきて甘味も感じる。上品さとボリューム感を持った素敵なワインでした♪
これがイタリア最高峰のシャルドネ。3年熟成の2015は柑橘類に蜂蜜も加り、上品さとパワフルさを両立した香り。味わいは爽やかではあるが凝縮感があり、伸びやかな酸が持続的に味わいを引き締める。そして深く長い余韻。。。存在感のある味わいではあるが上品さをベースに持っているね。記憶に残るシャルドネだ。
2年熟成の2017は一口で素晴らしいことがわかります。気品あるミネラル感とコクが感じられ、時間が経過するほど果実感は強まり黄色い果実のニュアンス。上質な酸が長い余韻と共に続いていて、スケールの大きさを感じる。10年以上の熟成も期待できる味わいでした♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 73%
普通 20%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
イタリアのモンラッシェと呼ばれていますが、モンラッシェとはやや違うと感じる方が結構多い印象。
数あるグランクリュクラスのモンラッシェ達と比較してしまえば、やはり感動レベルの評価をされる方は少ないワインでした。(価格も結構違いますが。)
とは言え、素晴らしいワインである事に変わりなく、充実した味わいを持っており、若いワインではやや賛否が分かれますが、充実感のある味わいに高評価を与える方が優勢。10年以上の熟成酒への評価は少なかったですが満足度はより高く、素晴らしい味わいになる事は想像に易いものでした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ガイア エ レイ シャルドネは
【価格】
2~5万円
※古酒ほど高額
【味】
豊潤な果実味、豊富なミネラル、洗練された酸味などを持ち合わせた充実感のある味わいで、洗練された雑味の無さからは上品さや気品も感じられる。
また長期熟成する事で円熟した果実味やコクが増し、優美な品質になる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
イタリアのモンラッシェと呼ばれているが、モンラッシェには及ばず少し違うと感じる方が結構多い印象。
とは言え、素晴らしいワインである事に変わりなく、充実した味わいへの評価は高い。
若いワインではやや賛否が分かれるが、充実感のある味わいに高評価を与える方が優勢。
10年以上の熟成酒への評価は少ないが満足度はより高く、素晴らしい味わいになる事は想像に易い。
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