プリオラートを代表する生産者のエントリークラス。
トップキュベのレルミタはパーカー100点満点を獲得した世界でも類い稀な赤ワインですが、10万前後と高額で希少性からかほぼ口コミ(vinica)もありませんでした。※海外の口コミサイト(vivino)では非常に高く評価されています。
そんな生産者が手掛けるエントリークラスの銘柄は比較的手軽ながら複雑でバランスも良く、多くのワインラバーの方々を楽しませている印象を持ちました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アルバロ パラシオス カミンス デル プリオラート
《価格》
【3000前後】
《ブドウ品種》
・カベルネ ソーヴィニヨン
・カリニャン
・グルナッシュ
・シラー
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 スペイン>カタルーニャ>プリオラート
《生産者》 アルバロ パラシオス
アルバロ パラシオスはプリオラートを代表しスペインを代表するワイナリーのひとつ。
今ではスペインの有力産地であるプリオラートですが、荒廃していたプリオラートを高級ワイン産地として蘇らせ、プリオラートの「4人組」と呼ばれた1人がアルバロ パラシオス氏。
同氏はこの地に1997年にワイナリーを創業し、自然を尊重し、土地を愛し、伝統品種と手法に立ち返ったワイン造りを実践していきます。その地域への貢献は讃えられ、アルバロ パラシオス氏はイギリスのワイン誌デキャンターの「マン オブ ザ イヤー2015」に過去最年少で選出。
トップキュベであるレルミタの2013ヴィンテージは、パーカー100点満点の実績も作っています。
《味わいの特徴》
華やかでフルーティー
充実しつつ上品さもあり
バランスが良い
【外観】
紫を帯びた濃いめのルビーレッド
【香り】
ブラックチェリーやカシスなどの豊潤な果実香に、スミレやバラの華やかでエレガントな香りも加わり、樽に由来するバニラやスパイスの風味も複雑性を高めています。
【味わい】
ボリューム感のある果実味。タンニンは豊富ながらシルキーで、雑味無くピュアな味わいで飲み応えがありつつも上品な飲み口。適度な酸が味わいをまとめるバランスも良く、果実や樽の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■恵まれた栽培環境■
豊富な日照があることでブドウは完熟し、雨も少ないため水っぽくない凝縮感あるブドウが育ちます。
またリコレリャという特殊なスレート土壌に覆われており、雨がスレートを通って深い場所に溜まる特徴があります。
ブドウは水分を求めて地下まで根を伸ばす必要があり、深い場所にある地下水は豊富なミネラル分を含むため、土地のエキスを吸収したミネラル豊富なブドウが育ちます。
■ビオロジック農法■
農薬や化学肥料を一切使用しないビオロジック農法を実践しています。
土地の天然酵母など、様々な微生物などの働きが加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、そのエキスを吸い上げたブドウはピュアで滋味深いワインを生みます。
■グラヴィティシステム■
グラヴィティシステムとは醸造工程においてワインの移動は重力のみによるもので、段階を経て地下へと進む手法です。
ワインに余計な負荷がかからず、ピュアでクリアな味わいになる要因の一つになっています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸が際立ち引き締まった印象になり、上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実感や複雑な風味が広がる味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、プリオラートのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 4
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
《適正グラス》
【大ぶりのグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された、ボルドーグラスやブルゴーニュグラスなど大ぶりのグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
イベリコ豚のハーブグリル
ホタテバター醤油焼
など、やや強めの味わいの料理に合わせると良いでしょう。
厚みのあるワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立てるマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
3年熟成の2016は渋味のある飲み応えのあるワインですね。でも今日はすき焼きだったので、もう少し甘味があるワインを選んだ方が良かったです。
3年熟成の2018は華やかで上品な味わいでフランスワインを彷彿させる。そして、もう少し熟成させた方が良くなりそうな感じがしますね。
【良い口コミ】
ただのプリントじゃない立体的なエチケットがとっても綺麗♪熟した果実に少しのスパイス香も加わり、濃厚かつ滑らかな飲み口で好感が持てます。2017ヴィンテージは2年熟成で若いですが既に楽しめる味わいで、スルスル飲める心地よさがありました♪
2年熟成の2013はタンニンが豊富でボルドーワインみたい。新たなスペインの魅力を知ることができて良かったです~~♪
2年熟成の2016はスミレの華やかさにチェリーの果実香や紅茶的なアロマも加わり樽は抑え気味。上品な果実味が心地よく、お花のエチケットのイメージ通りのエレガントなワインでした♪
2年熟成の2013はカシスなど黒い果実の豊潤さにスパイスやバニラの樽感もプラス。飲み応えがありつつ上品な味わいで既に旨い!!さらに熟成させれば充実感が増す予感もする素晴らしいワインですね♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 40%
普通 53%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
飲み応えと上品な飲み口を両立した味わいへの満足度は高い傾向でした。
2年熟成くらいの若いヴィンテージへの口コミがほとんどで、熟成後に期待という意見もありますが、既に美味しいと感じる意見が多い傾向。
熟成酒に対するコメントはありませんでしたが、海外の口コミサイト(vivino)では、10年前後のワインへの評価も高く、落ち着きある味わいが楽しめる事も期待できるようです。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アルバロ パラシオス カミンス デル プリオラートは
【価格】
3000前後
【味】
ボリューム感のある果実味。タンニンは豊富ながらシルキーで、雑味無くピュアな味わいで飲み応えがありつつも上品な飲み口。適度な酸が味わいをまとめるバランスも良く、果実や樽の風味を残した余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
プリオラートのヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 4
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
【口コミ】
飲み応えと上品な飲み口を両立した味わいへの満足度は高い傾向。
2年熟成くらいの若いヴィンテージへの口コミがほとんどで、熟成後に期待という意見もあるが、既に美味しいと感じる意見が多い。
熟成酒に対するコメントは無いが、海外の口コミサイト(vivino)では10年前後のワインへの評価も高く、落ち着きある味わいが楽しめる事も期待できる。
以上です。
とりあえずプリオラートのワインを試すなら、価格も含めておすすめしやすい銘柄だと感じました。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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