ロベルトサロットバローロアウダチェの価格と味は？飲み頃｜当り年

2020年現在当主であるロベルトサロット氏は、2005年よりアパッシメント（干しブドウを使用すること）という技法を取り入れたワイン造りを開始。
当初は伝統的手法を行っている生産者の目も気になり「勇気」が持てませんでした。

しかし、ワイン名にあえて「アウダチェ」つまり「勇敢」を意味する名を付けることで自身を奮い立たせたと言います。
そして、今回紹介している銘柄こそがその「アウダチェ」で、ロベルトサロット氏が人生をかけて生みだしたフラッグシップのバローロです。

イタリアの権威あるワイン誌「ガンベロ　ロッソ2018」では、
「ワインのスタイルは濃厚で、断固としたものが多い。全てのワインが非常にコストパフォーマンスの高いものであることは特記に値する。」と評されるなど、様々な評論家やワイン誌から高い評価を受ける生産者となりました。

《味わいの特徴》

複雑で甘美かつ上品
早飲みも熟成も適応する
コスパオールラウンダー

このワインの特徴は、円熟した果実やドライフルーツを思わせる適度な甘味や、バラやスパイスや樽の風味など複雑な風味が感じられる点にあります。とはいえ、旨味を伴った心地よい甘味や強すぎない風味はクドさの無い上品さがあり、バランス感覚にも非常に優れています。

平均的なバローロと比較すると、若いうちから親しみやすい円熟味を楽しめ、熟成させても円熟味は増してゆく適応範囲の広さも特徴的。また、手頃な価格である事も見逃せない嬉しい特徴です。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

■自然派農法■
南～南西向きの畑は豊富な日照で得られる豊かな果実味を。
粘土石灰質土壌は豊富なミネラル分をワインに反映させます。

そのような恵まれた条件をさらにワインに反映させるために、農薬や化学肥料などは極力使用しない自然派農法を実践。
土地の自然酵母など、様々な微生物などの働きも加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウはピュアで味わい深いワインを生みます。

サロット氏は、「ワインは畑で生まれ、セラーで育つ。」という信条の下、ブドウ畑に細心の注意を払っており、いつかは化学的なものはゼロにしたいと考えています。

■干しブドウを使う■
ロベルトサロットの最大の特徴と言えるのがアッパッシメント、つまり干しブドウを使用すること。

収穫後2ヶ月陰干したブドウを加えることで、円熟した甘味や柔らかなニュアンスがワインに反映されます。
※使用比率はヴィンテージによって異なる

これは、なかなか飲み頃にならないバローロをどうしたら早くから楽しめるか。そして、長期熟成にも耐えれるかを追求したサロット氏の答えです。

【外観】
オレンジを帯びた深みのあるガーネット
熟成するほど淡いレンガ色に近づいていきます

【香り】
チェリーやプルーンなど熟した果実香に甘味を帯びたレーズンのニュアンス。バラの華やかさやシナモンなどのスパイス香。そして樽のニュアンスなども加わり、複雑で甘美な香りが広がります。

【味わい】
円熟した果実のほのかな甘味と心地よい旨味を伴ったミディアムボディ。豊富でキメ細かなタンニンとまろやかな酸が味わいをまとめると、出汁が効いたような心地よいコクや、樽やスパイスにドライフルーツなど複雑な風味を残した甘美な余韻へと続きます。

《飲む時の適正温度》

【１４℃～１８℃】
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から4～15年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
参考までに、ピエモンテ州のヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。

５点　秀逸な年
４点　良い年
３点　平均的な年
２点　やや難しかった年
１点　難しかった年
０点　悪い年

２００５年　４
２００６年　４
２００７年　５
２００８年　４
２００９年　３
２０１０年　５
２０１１年　４
２０１２年　４
２０１３年　４
２０１４年　３
２０１５年　３
２０１６年　５
２０１７年　３

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑で豊かな香りと、深みのある味わい持ったワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》

金目鯛の甘辛煮

マガモ鍋

深みのある味わいを持ったバローロで、料理とワインが互いを高め合うマリアージュが楽しめるでしょう。
合わせる料理も適度なコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

【悪い口コミ】

5年熟成の2014はタンニン強めでまだ早いようです。アルコール感強いと思ったら15.5％！！余韻も長めです。勉強にはなりましたが普通で。。。

【良い口コミ】

いや～、バローロなのにスッゴイ口当たり優しくて飲みやすい♪しかも安い♪♪

4年熟成の2015は開けたてから香りが開いており、果実やバラにミントの香り、そしてアルコール感もある。味わいはチェリーやレーズンの果実味を感じると、続いて紅茶の風味が現れ、存在感のあるタンニンと苦味がアクセント。後口にはスパイスの風味を残した余韻。枯れた印象の多いバローロにおいて、この果実感とフレッシュさはおもしろい。

飲んだ直後、舌が包み込まれるような優しい口当たりに感動しました！！陰干ブドウを使ってるんですね～～♪

香りにやられたよ。これは香りだけでも長時間楽しめる。6年熟成の2011は優雅な香りと深い味わいで、余韻の長さにも驚き。私史上トップクラスで好みだね。

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的！！　　　　２０％
美味しい　　　　　６０％
普通　　　　　　　２０％
良くない　　　　　　０％

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

比較的手軽な価格のバローロの割に、非常に満足度が高いというのが第一印象。

やや硬いと感じる方も少数おられましたが、若いうちから心地よい甘味を持った飲み口に好感を持つ方が大半。
干しブドウからくる適度な甘味や深みのある味わいに感動的評価を与える方も少なくありませんでした。

ちなみに私は、あまりに好評なのですぐに試してみました。
感想は口コミ通りの印象で、適度な甘味と酸味があり、出汁系の旨味と複雑さもある味わい。時間が経過するほど甘美さが増す印象で、すごいコスパだと素直に思いました。
数日に分けて楽しみましたが、個人的には2日目3日目と日追うごとに旨味が増す印象。7日経過しても力をしっかりと残しており、お店としてはグラスワインでも提供しやすい優れ者だと感じました。

客観的口コミ評価でも私個人としても、かなりおすすめできる銘柄で、価格に対する味わいという意味ではバローロで一番、あるいはトップクラスである事は揺るぎないと感じる結果となりました。

まとめ

それでは最後に情報整理です。

ロベルトサロット　バローロアウダチェは

【価格】
4000～5000円

【味】
円熟した果実やドライフルーツを思わせる適度な甘味や、バラやスパイスや樽の風味など複雑な風味が感じられる。
とはいえ、旨味を伴った心地よい甘味や強すぎない風味はクドさの無い上品さがあり、バランス感覚にも非常に優れている。

【飲み頃と当たり年】
・飲み頃
ブドウ収穫年から4～15年
※一般的傾向や口コミから推測