モナストレル100%の濃厚な赤ワインで人気。
モナストレル(ムールヴェ―ドル)だけで造られるワインは世界的にも珍しく、しかも消費者の口コミ満足度が高いとなると、私の調べる限りでは今のところ唯一の銘柄です。
モナストレルとはどのような味わいか。
濃くてガッツリとした赤ワインをお探しの方。
そんな方におすすめできるコスパワインと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》タリマ ヒル
《価格》
【2300前後】
《ブドウ品種》モナストレル(フランスではムールヴェードル)
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 スペイン>バレンシア>アリカンテ
《生産者》 ボデガス ヴォルヴェール
地中海に面するバレンシア州のDOアリカンテで、黒ブドウであるモナストレルから造るワインを開拓し発展させた先駆者として知られるホルヘ オルドニェス氏。
ボデガス ヴォルヴェールは、そんなホルヘ オルドニェス氏とラファエル カニサレス氏の共同経営によるワイナリーです。 今回紹介しているタリマ ヒルは日本の一般消費者からも高い支持を集めており、専門誌などでの評価実績は以下の通りです。
《味わいの特徴》
濃厚で力強くも
まろやかで優しい飲み口
【外観】
濃厚な赤紫色
【香り】
カシス、プルーン、ブラックチェリーなど熟した果実の豊かな芳香に、樽熟成によるチョコレートやバニラの香りも適度に加わり、革製品やオリエンタルスパイスのようなニュナンスも仄かに感じられます。
【味わい】
円熟し凝縮されたブドウを思わせる濃厚な果実味は優しい甘味を伴い、豊富でシルキーなタンニンと相まってまろやかなフルボディの味わいを表現。穏やかな酸がバランス良く味わいをまとめると、心地よい果実味と樽の風味を残した長い余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
100%使用されるモナストレル(フランスではムールヴェードル)の品種個性は以下の通りです。
小粒で果皮が暑く糖度も高くなる品種で、果実味もタンニンもアルコールも豊富。濃厚で力強い味わいを生み、酸は比較的穏やかで、土や動物など野性的なニュアンスが垣間見えるのも特徴的です。
■ヴィエイユ ヴィーニュ■
1935~1975年に植樹された古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)のブドウを使用しています。
若い樹に比べ土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウを実らせるのが古木の特徴です。
※世界的にも珍しく、接木していない自根の樹であることも特徴的です。
■収量制限■
剪定や間引きなどで収穫量はあえて抑えます。(1株あたり1.5キロと極めて低い水準)
残された良質なブドウに成分が集中することで凝縮感溢れるワインが生まれます。
■発酵と熟成■
ブドウは丁寧に手摘み収穫され、厳しい選別をクリアしたものだけを使用。
また、人工的に培養された酵母ではなく天然酵母の力だけで発酵させており、ろ過と清澄も行わないことで、より土地の個性が反映されたワインが誕生します。
熟成は樽(フレンチオーク)で15ヶ月。バニラやコーヒーのようなニュアンスが適度に反映されます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実感や樽の風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【中庸~大ぶりグラス】
大きいグラスほど香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されています。
比較的気軽なワインですから中庸なグラスで軽快さを楽しんでも良いでしょうし、大きなグラスで優雅な雰囲気を楽しむの良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
ラザニア
など、やや強めの味わいの料理に合わせると良いでしょう。
パワフルなワインの味わいが料理を、また料理がワインを引き立てます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
飲んで最初に感じるのは非常にまろやかであること。渋味を連想させる香りだけど、最後に甘味が広がる感じが私は好みです。
3年熟成2014。抜栓直後は酸や渋味だけが主張して良くない印象だが、徐々に果実味が広がりだし良い方向に変化。これなら2000円でも十分満足できるだろう。
モナストレルってもっとクセがあるかと思ってたけど、そうでも無いですね。すっごく濃厚でアルコール感もしっかり。ガッツリしたワインを飲みたい期待には十分に応えてくれる。
最初は硬い?って思ったけど、2杯目で開花!ベリー系の果実香ムンムンでチョコのニュアンスも加わり、とっても飲み応えのある濃い~~ワインでした!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 10%
美味しい 43%
普通 47%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常に飲み応えのある味わいへの満足度は高めの印象です。
抜栓直後のやや硬い印象が唯一見られるネガティブコメントですが、すぐに開いて問題解決。
多くの方がパワフルでバランス良い味わいに納得しており、比較的手軽なワインにしては感動評価を与える方も多かった事も印象的でした。
そしてコスパを褒める意見もチラホラ見られる銘柄でもありました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ヴォルヴェール タリマ ヒルは
【価格】
2300前後
【味】
円熟し凝縮されたブドウを思わせる濃厚な果実味は優しい甘味を伴い、豊富でシルキーなタンニンと相まってまろやかなフルボディの味わい。
穏やかな酸がバランス良く味わいをまとめると、心地よい果実味と樽の風味を残した長い余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
非常に飲み応えのある味わいへの満足度は高めの印象。
抜栓直後のやや硬い印象が唯一見られるネガティブコメントだが、すぐに開いて問題解決。
多くの方がパワフルでバランス良い味わいに納得しており、比較的手軽なワインにしては感動評価を与える方も多かった事も印象的。
そしてコスパを褒める意見もチラホラ見られる銘柄でもあった。
以上です。
カリフォルニアや南イタリアなど、果実味主体の濃いめの赤ワインが好きな方には、珍しいモナストレル100%のスペインワインは面白い選択肢になりそうです。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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