ノックアウト級のパワフルなシラーズ。
オーストラリアのシラーズと言えば果実感満載ですが、特にその特徴が際立ちパワフルな銘柄。
そして滑らかさや奥行きもあり非常に口コミ満足度も高いので、紹介すべきと感じました。
濃くてジューシーなワインが好きな方に提案したい赤ワインです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》モリードゥーカー ザ ボクサー
《価格と基本情報》
【4000前後】
《ブドウ品種》シラーズ
《ボディ》 フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 オーストラリア>南オーストラリア>マクラーレン ヴェイル
《生産者》 モリードゥーカー ワインズ
モリードゥーカーは南オーストラリア州の注目すべき生産者です。
サラとスパーキー マーキス夫妻は1991年からワインビジネスに関わり成功を収めますが、規模が拡大する中で自分達で管理できる範囲のワイン造りの原点に立ち返るべく、2005年に新たに立ち上げたのがモリードゥーカーです。
後で紹介する『マーキーズ フルーツ ウェイト』という独自指標によるワイン造りも特徴的で、安定して凝縮感溢れるワインを生み、ワイン誌などでも非常に高い評価を集めています。
今回紹介しているザ ボクサーは、初めて飲んだ人が”ノックアウトされた!“と言ったことに名の由来があり、以下のような評価実績もありつつ日本の一般消費者からも高い支持を集めています。
・ワインスペクテーター92点(2019VT)
・ワインアドヴォケイト95点(2005VT)90点(2019VT)
《味わいの特徴》
凝縮感溢れる果実味
パワフルかつ滑らかで
充実した味わい
【外観】
深く濃い赤紫
【香り】
ブラックベリーやプルーンのような完熟果実のフルーティーさに、チョコレートやバニラやスパイスのニュアンスも加わり、複雑でボリューム感ある香りが広がります。
【味わい】
凝縮感溢れる果実味は優しい甘味と旨味を伴い、豊富でシルキーなタンニンと相まってパワフルかつ滑らかな飲み口。濃厚ながら洗練された雑味の無さは上品さがあり、適度な酸味が味わいのバランスを整えると、充実した果実味と樽の風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■温暖さと豊富な日照■
南オーストラリアは温暖で豊富な日照がある産地で、ブドウがよく熟します。
そのようなブドウから造られるワインは凝縮されたパワフルな果実味があり、酸は比較的穏やかで丸みのあるタンニンを持つ傾向があります。
■品種の個性■
主体的に使用されるシラーズは豊潤な果実味とスパイシーな風味が特徴的な品種です。
■マーキーズ フルーツ ウェイト■
モリードゥーカーの最も特徴的な手法が「マーキーズ フルーツ ウェイト」という独自の指標でブドウの検査を行っていることです。
これは舌の先から喉の奥まで滑らかな感覚が果実味で覆われる割合を表すもので、65~70%をその基準値としています。
栽培中のブドウを成長段階で何度も味見し、その基準値を満たしたものだけが使用されるため、安定して滑らかでジューシーなワインが生まれます。
■樽発酵と熟成■
発酵も熟成もアメリカンオーク(新樽34%)で行われており、樽に由来するバニラやチョコレートのようなニュアンスが反映されます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち、引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、凝縮された果実味や複雑な風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された大ぶりのボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
スパイシーなラムチョップ
ラザニア
など、スパイシーなワインの味わいにはスパイスの効いた肉料理はよく合いますし、濃厚でリッチなワインの味わいはチーズやバターを使用したコクのある料理にも優しく寄り添い引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
まさしくボクサー!開けたてから香りは溢れ出し、煮詰めたような濃厚な果実味爆弾にKOされました!♪
中々のインパクトかつ無二の個性を持つ美味しさですね。丸みを帯びた濃厚な果実味主体だけど、それ以外の要素もあり単なる濃いワインとは違います。
果実味満載で15.5%の強アルコール。僕が飲んだシラーの中では過去一かもしれません。
パワフルだけどまろやかな味わい。3日目もヘタることなく楽しめた。他のラインナップも試してみたいと思わせる一本です♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 20%
美味しい 57%
普通 23%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常に重厚でパンチのある味わいで満足度が高い銘柄でした。
ピノノワールのようなエレガントさや、スッキリとした飲み口を求める場合にはおすすめできませんが、見る限り否定的なコメントは特に無し。
オーストラリアのシラーズらしい濃厚な果実感と滑らかさは他の生産者よりも際立っており、そのようなパワフルさに感動している方もチラホラ見られました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
モリードゥーカー ザ ボクサーは
【価格】
4000前後
【味】
完熟果実のフルーティーさにチョコレートやバニラやスパイスのニュアンスも加わり、複雑でボリューム感ある香り。
凝縮感溢れる果実味は優しい甘味と旨味を伴い、豊富でシルキーなタンニンと相まってパワフルかつ滑らかな飲み口。
濃厚ながら洗練された雑味の無さは上品さがあり、適度な酸味が味わいのバランスを整えると、充実した果実味と樽の風味を残した余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
非常に重厚でパンチのある味わいで満足度が高い銘柄。
見る限り否定的なコメントは特に無し。
オーストラリアのシラーズらしい濃厚な果実感と滑らかさは他の生産者よりも際立っており、そのようなパワフルさに感動している方もチラホラ見られた。
以上です。
モリ―ドゥーカーはエチケットがとても楽しいデザインで、ワイワイ皆で飲む時にも向いていると感じています。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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