この2つのオーブリオンはグラーブの格付けワインで、非常に知名度も高く品格溢れる味わいは、世界中のワインラバー達を魅了し続けています。
そんな両シャトーを所有し、フランスワイン界きっての名門と呼ばれるのがクラレンス・ディロン・ワインズ。
ボルドーでのワイン造りに強いこだわりを持っているところも特徴的で、ボルドーのテロワールを知り尽くした彼らは、利益よりもワインのクオリティーの向上を追求する事でその名を守り続けています。
今回紹介するワインは、シャトー・オー・ブリオンとシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンの畑のブドウも使用し、シャトー・オー・ブリオンと同じ醸造チームによって造られるワインです。
ボルドーワインの魅力を世界に伝える事がこのワインの目的で、立ち位置としては、2つのオー・ブリオンのサードラベル的存在で、価格もカジュアルです。
オー・ブリオンの片鱗を感じさせる!?
かどうかは、まず2つのオー・ブリオンを飲まないとわかりませんが、ボルドーらしいバランスの良い品質で、多くの人々に親しまれているワインです。
ボルドーが好きな方、ボルドーらしさを感じてみたい方、オー・ブリオンを妄想したい方などにおすすめしたい1本。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 クラレンドル ルージュ
《価格》
【2300~3300円】
《ブドウ品種》
・メルロー主体
・カベルネソーヴィニョン少し
・カベルネフラン少し
《ボディ》ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー
《生産者》クラレンス・ディロン・ワインズ
《特徴》
心地よい複雑な芳香
バランス良い味わい
クラレンドルの特徴を【2つ】挙げます。
1、複雑さのある芳香
シャトー・オー・ブリオンの特徴である複雑な芳香性の片鱗はクラレンドルにも感じられ、果実香に加えタバコやコーヒーを思わせるスモーキーなニュアンスが心地よく感じられます。
2、ボルドーらしい風味でバランスが良い
昔ながらのボルドーワインは果実味は豊かですが主張しすぎことはなく、甘味・渋味・旨味・酸味・アルコール感などの総合力で豊かでバランスの良い味わいを表現します。
近年多く見られるニューワールドにも似た、熟した果実味主体でまろやかなモダンな造りというよりは、クラシックなボルドーらしさを持ったワインと言えるでしょう。
味わいの特徴は2つですが、価格の割に高級感溢れるボトルデザインなところも特徴と言えます。
プレゼントにしてもなんだかカッコいいので助かります(笑)
【外観】
深いルビーレッド
【香り】
チェリーやラズベリーなどのフレッシュな果実香や、カシスやプルーンなどのフルーティな果実香に、樽に由来するチョコレートやコーヒーの香りも加わり心地よい複雑性があります。
【味わい】
果実味は豊かなものの甘味は控えめでドライな印象で程よい旨味が感じられます。タンニンは豊富でなめらかさがあり、生き生きとした酸味は味わいを引き締め、スモーキーさやスパイシーさを伴った余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にしても軽快な飲み口が楽しめますし、温度を上げるほど広がりある複雑な風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
一般的にボルドー赤ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
2018年 5
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
鴨のみそ鍋
ラムチョップ
など、コクのある味わいの料理と合わせる事で、心地よい複雑な風味の広がりを体感できるマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
そこそこの価格で美味しいボルドーらしさ、いや、オー・ブリオンっぽさ?を感じられる赤ワインです。
ニューワールドのような果実味主体の味わいというよりは、果実味もありながら渋味・酸味・旨味・樽の風味や革に土などの複雑な成分をバランスよく感じられるボルドーらしさを持っており、様々な料理に寄り添ってくれる事でしょう。
ちょっと贅沢な気分を味わいたい時、あるいは美食家の方であれば日常消費用にも良いのではないでしょうか。
また、価格の割に高級感溢れるボトルデザインも魅力的です。
ワイン好きの方にちょっとした手土産にしても、見た目がかっこいいですから使いやすいのではないでしょうか。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「黒い果実にスパイスの風味に、なめし革、土のニュアンスもある。果実味は豊かで滑らかなタンニンとの調和も取れていて、ほどよく長い余韻。オーブリオンには到底及ばばいまでも、価格も考えれば楽しめるしっかりとしたワイン。」
「ビターチョコやコーヒーのようなスモーキーなニュアンスがオーブリオンの片鱗を感じる。5年目の2014はタンニン滑らかで果実味豊か。いいんじゃないかな。」
「オーブリオンのサードラベル。さすが大きな資本の基で造られるという事で安定感があります。王道ボルドーを手軽に感じられる優れたワインだと思います。」
【悪い口コミ】
「5年目の2014はまだタンニンが硬いかな。旨いけどな。」
「オーブリオンを彷彿?させるかもしれない複雑な香りは良かったけど、酸味が強いワインは嫌いなの!!期待させないで!!5年目の2014よ!!」
「4年目の2015は酸味が主張しすぎている。タンニンも豊富で終始閉じた印象。翌日は少しましになったが、もっと熟成させるべきであったか。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 3%
美味しい 33%
普通 57%
良くない 7%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
まず、このワインは非常にたくさんの口コミがあり、非常に多くの方に飲まれている事がわかりました。
オーブリオンのサードという事で、複雑さのある香りがあり、バランスの良い造りになっている印象で、ニューワールド系のワインのような豊潤な果実味の甘味のある品質ではなく、ボルドーらしいドライな品質である事が伝わってきます。
一部で酸味が強すぎたという口コミや、若くて硬いというマイナス評価も見られたので、開栓するタイミングも考慮した方が良い事と、ニューワールド系のワインのような甘味の感じられ穏やかな酸のあるやさしい品質が好みの方には、このようなドライなニュアンスのボルドータイプは好みに合わないかもしれないとも感じました。
以上です。
クラレンドルの味わいがイメージできましたでしょうか。
味わいを言葉で表現する、あるいは言葉から想像するというのは、何度も何度も何度も経験を繰り返さないと身に付きにくいものだと思います。
ニューワールド系のワインと違い、クラシックなボルドーらしいバランスに優れた味わいと言われても、飲んだ経験が無ければ理解不能で超アバウトな言葉に聞こえるでしょう。
クラレンドルは、そのクラシックなボルドーのスタイルを持ったワインだと思いますから、飲んでみることでその超アバウトな表現が少し理解できるのではないかと思います。
要は百聞は一見に如かず。
見るだけでもダメだすが(笑)
飲んでボルドーらしさを楽しんでみてはいかがでしょうか。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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