「白ワインの魔術師」とも呼ばれ、ブルゴーニュのワイン生産者の中でも最高クラス評価を受ける生産者。
1980年に彗星のごとく現れ、今やフランスのシャルドネファンならば知らない人はいない!?かもしれないくらい有名生産者になった造り手のシャブリの紹介です。
ベルギー出身のジャン・マリ―・ギュファンス氏が立ち上げたネゴシアン(自社で畑を所有せず、ブドウ又はワインを仕入れて製造するタイプの生産者)で、このジャン・マリ―・ギュファンス氏はとても個性的な人物で【変人】とも呼ばれるそうですが、ワインは変なところがなく非常にキレイです。(笑)
様々な地区のワインを生産していますが、まずは定番のシャブリを知るのがこの生産者の特徴が感じやすいかとも思いましたので紹介する事にしました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ヴェルジェ シャブリ
《価格》
【3300~4200円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャブリ
《生産者》 ヴェルジェ
《特徴》
爽やかでバランス良く
ミネラリーな味わい
ヴェルジェのワインの特徴は非常にミネラル感を大切にしている事。
※ミネラル感とは、カリウムやマグネシウムといったミネラル分を多く含んだキリッと芯のある味わいで、硬水をイメージするとわかりやすく、キーンとくる感じです。
これは【変人】かもしれないギュファンス氏のミネラル感のあるワインが好きな事が影響しており、そのような土壌を見抜きそれを引き出す造りをしているからなんですね。
冷涼なシャブリらしく、爽やかな果実味とミネラル感の豊富な品質で、非常に清潔感あるピュアな果実味はほんのりと甘味やコクが感じられ、そのようなバランス良く心地よい味わいもヴェルジェが高評価を受ける要因にあると考えられます。
【外観】
淡いレモンゴールド
【香り】
フレッシュな柑橘類の爽やかさに青リンゴなどのフルーティな果実香、火打石のような鉱物的なミネラリーな香りも加わります。
【味わい】
ピュアで清潔感あるフレッシュでフルーティな果実味はほどよい強さで、豊富なミネラル感が凛とした質感を表現し、生き生きとした酸味は味わいを引き締めエレガントな余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
少し温度を上げれば、フルーティで豊かな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~6年
若いうちから生き生きとしたフレッシュな風味を楽しめます。
熟成で落ち着きある風味になると推測されますが、基準となるデータが無かったのでおそらく6年程度ではないかと思いました。
※それ以上熟成に耐える可能性もありますから、試してみるのもおもしろそうです。
《適正グラス》
【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
グラタン各種
など、比較的繊細な味わいから程良いコクを持つ料理に合わせると良いでしょう。フルーティで豊富なミネラルとほどよい酸味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
とても綺麗な造りをしており、ミネラル感とは何かを感じたい方や、ピュアでバランスの良いエレガントで美味しいワインを探す方におすすめしたい一本です。
主張しすぎる事はありませんが、ほどよい厚みを持ったこのワインは食事との相性も良く、ワンランク上の食卓を彩る力も十分に持ち併せた品質と言えるでしょう。
とても【変人】が造るとは思えないほど、エレガントで清潔感ある味わいを楽しめます。
《こんな場合には不適切!?》
非常にバランスの良い味わいで素晴らしいと思いますが、カリフォルニアなどの温暖な産地の白ワインのように、ボリューム感溢れる果実味を持ったワインが好みの方には、ジューシーさや甘味が物足りないと感じてしまうかもしれません。
このワインの良さは、ほどよいボリューム感でエレガントな質感にあり、グラマラスでメイクも強めの女性と言うよりは、スレンダーで薄化粧の清潔感ある女性といった印象です。
《飲んだ人の口コミ
【良い口コミ】
「若々しくやや緑がかった色調で、ミネラリーな香りが特徴的。2年目のこのワインは美しい酸味が心地よく、ほのかな苦味がいいアクセントになっています。」
「4年目の2015。淡めのイエローで、爽やかでフルーティな果実香に火打ち石の香りがある。ほどよい厚みを持った果実味はほのかな甘味があり、ミネラル感もある。豊かな酸味は味わいを引き締めエレガントな余韻がある。爽やかだけど飲み応えも持ち合わせた優れたコスパワインだと思う。」
「2年目のこのワインは、生カキに抜群の相性を持っていました。」
【悪い口コミ】
「低評価をする方もいましたが、無言の低評価でマイナスイメージを表現する具体的な口コミは見つかりませんでした。」
という皆様の声でした。
(最後は私ですが。)
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 41%
普通 56%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
とても綺麗でバランスの良い品質が伝わってきて、エレガントなシャブリであることがわかる口コミが多かった印象です。
奥深さやスケール感を持った複雑なワインではないので、感動するほどの評価をする人は見られませんでしたが、そのシャブリらしい爽やかでミネラリーでほどよいコクを持った品質に好感を持っている方は多く、無言の低評価をする方もいましたが、どういうところが良くないという具体的なコメントは無く、欠点を言い表しにくいバランス型ワインなのかとも思いました。
とは言っても全員に好まれるワインは存在しませんから、ニューワールド系のジューシーな果実味を持ったワインが好きな方、樽のよく効いた風味豊かなワイン、特徴的な味わいを持ったワインが好きな方には、エレガント過ぎて物足りないのかもしれないとも思います。
以上です。
ヴェルジェはシャルドネが好きな方や、サラリとしたワインが好きな方でしたら、必ず試すだけの価値のあるワインを生んでいると感じます。
さすが白ワインの魔術師と呼ばれるだけあると私自身も飲んでみてそう感じました。
今回はシャブリを紹介しましたが、その他もラインナップも素晴らしいです。
別の回でシャブリ プルミエクリュ ヴァイヨンも解説していますので、興味のある方は是非覗いてみて下さい。
価格が上級クラスでもそこまで価格が高騰していないのがヴェルジェの嬉しいところでもあります。
選択肢の一つにヴェルジェを加えてみてはいかがでしょうか。
さて・・
あまり褒めすぎるのも逆に怪しくなるのでこれくらいでやめましょう。
変人が造るワインですから注意してください。(笑)
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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