ジュヴレ・シャンベルタンを代表する生産者で、熱狂的ファンも多く持っており入手困難。
クロード・デュガは従兄であり、こちらもジュブレ・シャンベルタンを代表する生産者として有名です。
ブルゴーニュルージュからグランクリュまで生産しており、どれも実際飲まれた方々の評価も高かったのですが、その中でも価格と評価の両方を合わせて考えた時、村名ワインでも単一クリマで醸造される「レ・ゼヴォセル」が特に高評価を獲得している傾向を感じましたので、紹介させていただく事にしました。
ブルゴーニュファンであれば、必ず一度は味わっていただきたい。
そして、並の生産者とは違う豪華さを体感できる事でしょう。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ベルナール デュガ ピィ ジュヴレ シャンベルタン レゼヴォセル
《価格》
【19000~23000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
《生産者》 ベルナール・デュガ・ピィ
《特徴》
力強く豪華な味わい
熟成により
優雅でエレガントな品質に
デュガ・ピィの特徴的な部分は、ブルゴーニュのピノノワールにしては非常に濃く、豪華な品質にあります。
これは、「ジュヴレ・シャンベルタンは長期熟成させるべきワインだから、十分な抽出が必要」と考えるデュガ・ピィの醸造方法による結果で、果実味、タンニン、酸味などの成分を十分に抽出させることで、力強く豪華な味わいを表現しています。
また、完熟ブドウを使う事を好まないデュガ・ピィは、新鮮味を残したワインを造っており、熟したブドウによって若いうちから飲みやすいワインと言うよりは、若いうちはやや硬い印象で、熟成によって味わいが馴染み、円熟味の増した旨味たっぷりの品質に成長するところも特徴と言えるでしょう。
そして、ブドウのポテンシャルも非常に高いのは、農薬を使用しないビオロジック農法を実践することで、健全な土壌による上質なブドウが育つことや、ブドウの収量を厳しく制限することで、残されたブドウに成分が集中し、成分豊かで上質なブドウが育つことなどが挙げられます。
【外観】
深いルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリー、カシス、プルーンなどの豊かな果実香に、バラの華やかさに樽のニュアンスも感じられます。
熟成するほど果実香は円熟を感じさせる甘やかさが現れ、腐葉土に革製品などの熟成香も加わり、複雑で魅惑的な香りになっていきます。
【味わい】
充実した果実味は豊かで豪華さがあり、豊富でキメの細かいタンニンは骨格ある質感を表現し、美しい酸味は味わいをまとめ、優雅な余韻が長く続きます。
熟成が進むほどタンニンや酸味などの成分は溶け合い、なめらかさが増し旨味も強くなります。
複雑な風味の増した円熟味を感じる味わいは、妖艶で官能的な品質に成長してゆくでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
美しい外観と香りを持ち、力強くスケール感あるワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
和牛すき焼き
など、上質な素材でコクのある味わいの料理に合わせる事で、華やかで複雑な風味の広がる極上のマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【ジュヴレ・シャンベルタンの最高峰を味わいたい方】
デュガ・ピィはジュヴレ・シャンベルタンのトップクラスの生産者と呼べるでしょう。
そのような生産者の造る村名ワインは、通常の村名ワインの次元を超えた力強さと奥深さを持っており、プルゴーニュのピノノワールの最高峰を体感できるでしょう。
【贈り物などに】
ワインに詳しい方ならば、デュガ・ピィのワインをもらって喜ばない人などいるのでしょうか。いや、いない。
味わいも含めて別格の存在は、大切な方への贈り物や接待の場面、特別な日に特別な方と楽しむワインとしても、十分に力を発揮してくれるのではないでしょうか。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「なんというパワフルさ。ボルドーを彷彿させる質感。エレガントさもありそのクオリティーの高さに圧倒されてしまった。12年目の2007、素晴らしいですね。」
「10年目の2009は洗練されており、雑味の無いクリアーな味わいでなめらかな質感、一緒に飲んだ皆様も大変喜んでいました!!」
「9年目の2007は飲み頃に入ってきたね。07という弱いヴィンテージにこの力強さはさすがだ。良いヴィンテージがどれほどなのか、想像するだけでゾクゾクするぜ。」
【悪い口コミ】
「これは!?カッチカチ!!4年目の2011はカチカチ。しかしポテンシャルがものすごく高く、あと5年後に開けたならば素晴らしかったろうに・・。」
「15年目の1999をいただいた。なんと上品で妖艶な芳香。落ち着いた果実香にインクに干し草、土っぽさもある。力強さもある深い味わいで穏やかな酸が心地よい。ただ時間経過でちょっとだけ枯れ気味になってしまったところが残念だったかな。」
という皆様の声でした。
その他にもいくつかの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 16%
美味しい 63%
普通 21%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常に満足度の高い品質で、ブルゴーニュのピノノワールにしては力強い男性的な印象を感じた方が多い傾向でした。
ただしその力強さは若いうちは硬い質感で、ポテンシャルは感じるものの閉じている傾向もありましたので、最低でも5年は熟成させた方が良いのかもしれません。
価格も中々ですが、それを含めても満足感があり、ブルゴーニュのトップクラスの味わいを体感できるのではないかと感じました。
以上です。
デュガ・ピィの味わいのイメージは広がりましたでしょうか。
想像力と経験豊かな方は、飲まずして味わいを感じることができるかもしれませんが、ほとんどの方がそうはいかないでしょう。
やはりワインの世界も、知識はもちろん経験値は重要です。
なぜデュガ・ピィが世界的に評価され、価格も高騰するのか。
それは、飲んで確認しなければ納得はできないでしょう。
あまり言うと、【買って感】が出すぎますからこれくらいでやめましょう(笑)
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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