ルイ・シュニュ サヴィニー ヴィエイユ・ヴィーニュ

おすすめ【赤】ワイン

 

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前回私はサヴィニー・レ・ボーヌで最も多くの方に選ばれ、有力ではないかと感じたドメーヌ、シモン・ビーズ・エ・フィスを紹介させていただきました。

今回はそのシモン・ビーズの女史である日本人女性、千砂・ビーズ氏の友人でありライバルでもある女性が仕切るドメーヌです。

サヴィニー・レ・ボーヌにおいて多くの方に選ばれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、シモン・ビーズほどは飲まれていませんでしたが、手頃な価格に対する良い品質は飲み手の好感を得ており、この産地を代表する生産者の一つだと感じました。

1914年、初代ルイ・シュニュがサヴィニー・レ・ボーヌに畑を購入したことが始まりで、現在は5代目の姉妹がドメーヌを仕切ります。

姉ジュリエッタが経営と経理、ワイン造りを学び様々なドメーヌで修業した妹キャロリーヌが栽培と醸造を担当。

2000年からドメーヌに関わり、2006年より本格的に改造が始まり、ビオディナミ農法や収量制限にコールドマセラシオンなど様々な取り組みを実践し、偉大さよりもサヴィニー・レ・ボーヌらしさのある繊細さを表現したワインで人気を集めています。

女性がドメーヌを仕切る事にも反対されたり、友人がデザインしたモダンなラベルもワインらしくないと反対されましたが、現在も尚多くの消費者に選ばれる事は、全ての取り組みが間違いではなかった事を証明しているのでしょう。

《ワイン名》 ルイ・シュニュ サヴィニー ヴィエイユ・ヴィーニュ

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《価格》

4000円前後

《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》  ライト~ミディアムボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ>サヴィニー・レ・ボーヌ
《生産者》  ルイ・シュニュ 

《特徴》

テロワールの表現を重視した
薄旨ブルゴーニュ・ピノ

このワインの特徴は、サヴィニー・レ・ボーヌのテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)を感じられる繊細な品質にあり、薄旨と形容されるように、繊細で複雑で出汁の効いたような旨味を持っています。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

サヴィニー・レ・ボーヌらしさを追求
彼女達の追求するワインは、偉大な物ではなく土地の個性を表現するもの。
つまりサヴィニー・レ・ボーヌの持つ繊細さを表現しようとしており、以下で解説する取り組みもそのような哲学が根底となっています。

自然派農法
農薬や化学肥料を極力使わないリュット・レゾネ(減農薬農法)や、区画においてはさらに厳格なビオディナミ農法を採用します。
そうすることで微生物の働きなども加わわった健全で成分豊かな土壌が育ち、その成分を吸い上げた上質なブドウが得られます。

ヴィエイユ・ヴィーニュ
土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質な果実を実らせる樹齢50年以上の古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)のブドウを使用しています。

完全除梗
ブドウの梗(果実の付いた枝のような部分)は一切使用しません。
そうする事で、より洗練度の高い透明感溢れる品質になります。
ただしDRCなどの極一部のトップ生産者は、ワインの複雑性や熟成能力を高めるために、梗の部分を全て使用する全房発酵を行っています
友人でライバルのシモンビーズは全房発酵です。

コールドマセラシオンと発酵
ブドウを潰して種と皮の部分から成分を抽出させることをマセラシオンと呼びますが、低温で短い期間行う事も特徴的。
そうすることで、過度に成分が出すぎる事はなく繊細でピュアな品質になります。
そして、次ぎの工程のアルコール発酵においても低温で行われ、それを長期間行う事で繊細な要素のみを多く抽出します。
そのような事もあり、薄めの色合いで繊細な風味でありながら複雑さも持ち合わせたワインが生まれます。

控えめの樽香
樽のニュアンスが反映しやすい新樽の使用比率は20%以下と低く、樽が主張しすぎる事がなくブドウの繊細なニュアンスも感じられます。

 

【外観】
透明感のあるルビーレッド

熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。

【香り】
イチゴやラズベリーなどの赤い果実の香りに、土に革製品などを思わせるワイルドな印象の香りも広がりを見せます。

熟成させれば果実香はドライフルーツのような落ち着きあるニュアンスになり、野性的な香りに加え紅茶のような熟成香も感じられます。

【味わい】
繊細でピュアな果実味は主張しすぎる事はありませんが、出汁の効いたような心地よい旨味が口の中に優しく広がり、穏やかなタンニンはしなやかな質感を表現します。

ほどよい酸味は味わいをまとめ、繊細ながら複雑な風味を残した余韻が続きます。
熟成させれば酸やタンニンなどの成分が溶け合い、よりしなやかで落ち着きある風味を楽しめるでしょう。

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
その繊細で心地よい香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。

少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち軽快さのある飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。

一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑で繊細な香りと味わいを持った良質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


スモークサーモン


鴨鍋

など、ほどよいコクのある味わいの料理に合わせる事で、繊細で複雑な風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


《こんな場合におすすめ》

薄旨系のブルゴーニュ・ピノをお探しの方におすすめしたいワインです。

薄旨系と言えばシャンボール・ミュジニーが有名でもちろん素晴らしいですが、価格も高騰しがちです。

そんな薄旨系のワインを求める方の救世主になり得るのがこのワインなのかもしれません。


《こんな場合には不適切!?》

凝縮感のある成分豊かなボルドー格付けワインや、ブルゴーニュ・ピノでも複雑でスケールを感じさせる奥深さを求める方にはおすすめしにくいワインです。

薄く感じてしまうでしょう。

このワインの良さは疲れた体を癒すような繊細な品質にあり、ゴージャスな料理よりはむしろホッとするような家庭料理などに合わせる事で、癒しの時間をもたらしてくれる事でしょう。

 

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「独特の草っぽさや土っぽさがあり、タンニンも意外と強く余韻も短め。3年熟成の2013は若いのかな?私は苦手かな。」


「5年目の2012は酸もタンニンも主張気味で硬い感じ。若いのか?いまいちだ。」


「3年熟成の2016。悪いワインではないけど、私はもう少し厚みのあるワインを好みます。」

良い口コミ

「3年目の2014は最初閉じ気味香りも広がらなく、何だか土っぽさが目立つ。でも時間が経つほどに果実香は広がりを見せ、やさしい甘味も出てきました。これならいいですね。」


「9年熟成の2010はいつものシュニュに比べると成分が充実してるかな?俺みたいなワイルドさではないが、少しの野性味がありおてんば女子のようなかわいらしさのあるワイルドさだ(笑)。広がる果実香にほんのり樽がきいていた、赤系ベリーのチャーミングさにキノコや土といった野性的なニュアンスが少しあるんだよ。こういったワインは高級料理に合わせるってよりも、気軽な家庭料理に合わせると抜群だね。」


「疲れた時はこういう癒し系のワインがいい。繊細でやさしく染み入るような味わいは私を包み込んでくれます。4年熟成の2013。良いと思います。」


「シュニュって薄旨って言われてるみたいだね。6年熟成の2012は透き通ったルビーレッド。赤果実に土に革製品にスパイスの香り。非常にピュアな果実味で酸はほどよくタンニンは穏やか。思ったほど薄い感じではなく、出汁の効いたような旨味が心地よい良質ワインだ。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると

感動的!!     0%
美味しい     53%
普通       40%

良くない      7%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

手頃な価格帯のブルゴーニュ・ピノという事で、スケールを感じるような力強さや奥深さはなく、感動レベルの口コミをされる方は見当たりませんでした。

どちらかと言えば出汁の効いたような薄旨系のピノといった感じで、厚みのある味わいを期待した方には若干物足りなさもあるようですが、カジュアルすぎる事もない複雑な風味も持ち合わせた品質に、親しみやすさと好感を持った方も多い印象を持ちました。

 

以上です。

今回は繊細とか薄旨という言葉を多用しましたね。

ジョージアの毒リス》

「薄旨はいいけど、お前の薄頭をなんとかした方がいいんじゃねぇか?あぁ?」

おっと。

今回もいきなり出現し、傷つけてきますね。

そして画像とセリフのミスマッチが凄いですね。。

さておき。

サヴィニー・レ・ボーヌらしさを感じたい時。

気軽に薄旨ブルゴーニュ・ピノを体感したい時。

このワインを選択肢に入れておくことは賢者の選択と言えるのではないでしょうか。

インドの悟りの人》

「賢者の選択と言えるって・・、お前が偉そうに言うな。決めるのは読者の皆様だ。」

はい。すみません。
インドの回での事まだ根に持っているようです・・・。悟り開いてるくせに。

今回はダメ出しが多いですね。

あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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