ブルゴーニュで白ワインの有力生産者と言えばルフレーヴにコシュ・デュリを思い浮かべる方も多でしょう。
そして、今回紹介するコント・ラフォンを忘れてはいけません。
コシュ・デュリと並んでムルソーのを代表する偉大な生産者であり、世界の白ワイントップ生産者10傑に選ばれる実績もあります。
そんな白ワインで有名なコント・ラフォンではありますが、赤ワインも生産していおり、ヴォルネイで多くの方に飲まれ(口コミされ)、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、ヴォルネイの赤ワインにおいても非常に高い満足度を飲み手に与えており、特にプルミエ・クリュのサントゥノ・デュ・ミリゥはその傾向が強く、紹介すべきと感じました。
ヴォルネイを名乗る赤ワインですが、畑はムルソーに属するというトリッキーさもあるワインですが、その品質の高さは多くのブルゴーニュラバー達を魅了しているのです。
簡単に歴史です。
初代ジュール・ラフォン氏に始まるムルソーに本拠地を置くドメーヌで、
3代目のルネ・ラフォン氏の代で不動の名声を確立、
現当主は4代目のドミニク・ラフォン氏でさらなる進化を遂げ、ムルソーの偉大な巨匠として君臨し続けている。
以上です。
《ワイン名》 コント・ラフォン ヴォルネイ 1er サントゥノ・デュ・ミリゥ
《価格》
【15000~22000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ヴォルネイ>プルミエクリュ サントゥノ・デュ・ミリゥ
《生産者》 ドメーヌ・デ・コント・ラフォン
《特徴》
力強くも繊細で透明感があり
優れたバランス感覚を持つ
このワインの特徴は、女性的でエレガントなワインを生むとされるヴォルネイにおいて、類い稀な力強さやリッチな風味を持った品質にありますが、コント・ラフォンらしい洗練された透明感のある質感はエレガンスも持ちあわせており、果実味・酸味・渋味・旨味などそれぞれの成分が高次元で融合し支え合うバランス感覚にも非常に優れています。
そしてその優れたバランス感覚と力強くも洗練されたエレガンスを持ちあわせた品質は、比較的若いうちから飲み手を魅了し、もちろん熟成させても優雅で妖艶に成長するという事で、非常に隙が無く安心できるワインとも言えるのではないでしょうか。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■優れたプルミエ・クリュ■
ヴォルネイを名乗るワインですが、実際はムルソーの優れた1級畑の中でも特に優れた区画のピノノワールを使用しており、充実感に満ちた成分を持ちながら、洗練された透明感を感じさせるエレガンスも持ち合わせた果実が得られます。
■ビオディナミ農法■
無農薬・有機肥料で天体の動きも考慮したビオディナミ農法の採用で、微生物の働きなどにより健全で成分豊かな土壌が育ち、その成分を吸い上げた複雑で上質なブドウが育ちます。
■収量制限■
1平方メートルあたり1本とい低植率に加えブドウの房の量を抑制することで、残されたブドウに成分が集中し、成分の充実した果実が実ります。
その他にも様々な取り組みがあると思われますが、その根底にはエレガンスやバランス感覚を重視したラフォン氏の哲学があるというわけです。
【外観】
深みのあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
チェリーにラズベリーにプルーンなどの豊かな果実香に、バラの華やかさや樽に由来するビターチョコレートのニュアンスも広がりを見せます。
熟成が進むほど果実香は円熟を思わせる熟した果実や、ドライフルーツの落ち着きある甘やかな香りに、紅茶にキノコといった熟成香も加わった妖艶さが感じられます。
【味わい】
洗練された豊潤で柔らかな果実味が広がり、美しい酸は味わいをまとめます。
存在感はあるもののキメの細かい上質なタンニンはしなやかに構造を形成し、心地よい旨味と複雑な風味を伴った長い余韻があります。
熟成が進むほどタンニンや酸はワインに溶け込むことでしなやかな印象になり、円熟を感じさせる甘やかな果実味と出汁の効いたような旨味に、妖艶な熟成香も加わり、心地よく長い余韻へと導いてくれます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
その豊かで心地よい香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントな飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や複雑な風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~35年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1980年 2
1981年 2
1982年 2
1983年 3
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 4
1988年 5
1989年 4
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
豊かな香りと、力強くもエレガントな味わいを持った秀逸なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛の赤ワイン煮込み
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
など、上質で豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、充実したワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑でエレガンス溢れる風味の広がるマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
力強さとエレガンスを併せ持ったブルゴーニュらしい上質ピノノワールです。
偉大な白ワイン生産者であるコント・ラフォンによる赤ワインという事で、その意外性はワインに造詣の深い方にこそ興味深く感じていただける可能性が高いと思われます。
そのような方への贈り物にしても興味深い選択になりそうですし、もちろん上質なプルゴーニュ・ピノを美味しい料理と楽しむ時の候補にしても、十分力を発揮してくれるのではないでしょうか。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「このワインを具体的に悪く評価するコメントは見当たりませんでした。」
【良い口コミ】
「流石コント・ラフォンだね。赤だってちゃんと旨い!!それにしても2010ってのは素晴らしいワインを生むね~。」
「17年熟成の02です。ムルソーにある畑だけどヴォルネイを名乗るワインらしいですね。明るく赤い果実というよりは、熟成を感じさせる黒系果実の深い味わいで、結構パワフルな風味はやや男性的な印象かな。それでもしなやかなタンニンと美しい酸からはエレガンスも感じられる良いワインです。」
「4年熟成の2015はエレガントってよりはパンチがまあまああるタイプだ。若いけど硬いという事もなく、評判通り優しさも持った優れたワインだと思うよ。」
「6年熟成の2012は料理に合わせるのではなく、しっかりワインに向き合って楽しみたいような魅力がありますね。黒い果実の香りと味わいはとても充実感がありますが、全く雑味無く透明感も併せ持つ。少し早いかと心配しましたが、全く後悔の無い素晴らしい品質に大満足です。」
という皆様の声でした。
(最初のは私です)
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 14%
美味しい 76%
普通 10%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
ヴィンテージによって違いはあるように思われますが、全体的印象としては充実感があり洗練された透明感も持った品質に高評価を与える方が多く、比較的若くしても硬さはほぐれており、熟成させても深みのある旨味が広がるという隙の少ない品質で、それ対するマイナスイメージの口コミも特にありませんでした。
偉大な白ワインで有名なコント・ラフォンですが、さすがに赤ワインもしっかり仕上げてくるなという印象を持つ結果となりました。
以上です。
やはりビオディナミ農法は主流になりつつありますね。
農薬や化学肥料を使わず自然の摂理に従って生まれるブドウは、土地の個性や豊かな成分を育み、上質なワインを生むという事でしょう。
ここで全く関係無い話をします。
このビオディナミによってありのままの成分豊かなブドウが育つという原理を考えると、いつもそれを人間に置き換えて考えてしまう私がいます。
食品で言えば保存料を使い無菌状態に近づけたものを食べる行為や、必要以上に清潔な生活環境を整える行為などは、人体に悪い影響を与えるのでは?と思う時があるのです。
昔の人間は歯も磨いていなかったのに虫歯が無かったとか聞いたことあります。
という事で、これからはビオ人間が流行るかもしれません。(笑)
あくまで科学的根拠も何も無い、私の勝手な妄想ですからスピードラーニング風に読み流していただければ幸いです。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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