ルイ・ラトゥール シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ

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「コルトン・シャルルマーニュの生みの親」

「コルトンの帝王」

200年以上の歴史を持つ家族経営の生産者であり、19世紀後半にフィロキセラ(ブドウの木の根を食い荒らすアブラムシ)によって壊滅的被害を受けたピノノワールの代わりに、当時誰も思いつかなかったシャルドネの栽培を始めた事は画期的で、その結果「コルトン・シャルルマーニュ」を誕生させた事は有名です。

ボーヌに本拠地を置くネゴシアン兼ドメーヌであり、コルトンやコルトン・シャルルマーニュをはじめとする、コート・ドールで最大のグラン・クリュを所有しており、「コルトンの帝王」とも呼ばれています。

 

さて・・

コルトンコルトン言いすぎました(笑)。

今回紹介するワインはシャサーニュ・モンラッシェです。

ルイ・ラトゥールはアサヒビールが輸入業者という事もあり、日本のあらゆる場所で見られる有名生産者で、世界的にも評価の高い生産者です。

そのよう一般的評価はさておき、非常に多くの生産者が造るシャサーニュ・モンラッシェのワインの中で、日本の一般消費者の方々に多く飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、ルイ・ラトゥールのプルミエ・クリュへの口コミは、やはりミシェル・ニーロンやオリヴィエ・ルフレーヴと並んで多く、その品質への口コミも多少リスクがありそうですが魅力的なワインだと感じました。

リスク?

ですね。

このワインは10年以上の熟成を経て、飲み頃が来た時に蔵出しされるようで、そのためボトルごとの個体差が多少あるという傾向が感じられたという事です。

詳しくは口コミの部分を読んでいただければわかります。

とは言え、大半の方が状態の良い品質に満足しており、高騰しがちな熟成酒においては非常にお値打ちという事で、そのようなリスクをカバーするだけの魅力を感じたというわけです。

《ワイン名》 ルイ・ラトゥール シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ

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《価格》

6900~9500円

《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ>シャサーニュ・モンラッシェ>プルミエ・クリュ
《生産者》  メゾン・ルイ・ラトゥール 

《特徴》

芳醇で滑らか
円熟した深みのある果実感

このワインの特徴は、熟成によって溶け合ったボリューム感のある成分が一体となり、豊かな芳香性や円熟した深みのある果実の風味が感じられる点にあり、ほどよいミネラルや酸も持ち合わせることで、バランスと品の良い優雅さを感じられます。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

優れたテロワール
ピュリニー・モンラッシェと並んで、優れたシャルドネを生むテロワール(ブドウを取り巻く自然環境の全て)が整っており、ピュリニーの冴えわたるミネラルと美しい酸を持った品質に比べると、ミネラルや酸は比較的穏やかであり、その分果実味が豊かな傾向で、リッチな印象を与えるのがシャサーニュ・モンラッシェの特徴です。
ルイ・ラトゥールのプルミエ・クリュにおいては、様々な区画のブドウをブレンドすることで味わいに複雑性をもたらします。

熟成を経てから蔵出し
適切な環境で熟成し、飲み頃を迎えた頃に出荷されるこのワインは、円熟した果実味と、酸やミネラルなどが溶け合ったまろやかさのある品質に成長しており、落ち着きある優雅さを楽しめます。

樽へのこだわり
ルイ・ラトゥールは自社で樽を生産する数少ない生産者の一つです。
洗練度が高くブドウのエレガンスを感じられるワインを生むための樽を生産しており、このワインの場合は樽のニュアンスを反映しやすい新樽の使用比率の情報はありませんでしたが、ブドウの繊細なニュアンスを感じさせつつ、ほどよい樽の効いたワインを生んでいます。

【外観】
深みのあるイエローゴールド

【香り】
アンズにラフランスや黄桃などの豊潤な果実香に、黄色い花の優雅さや樽に由来するバターやナッツの落ち着いた風味もあり、ほのかにミントのニュアンスも感じられます。

【味わい】
円熟した南国果実のような果実実は、上品な蜂蜜のニュアンスも持っており、穏やかな酸はほどよく、心地よい旨味を伴ったミネラルが品の良い味わいを表現し、優雅な余韻が長く続きます。

 

《飲む時の適正温度》

8℃14℃
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさのある飲み口になります。

温度を上げるほどボリューム感ある風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から10~20年
※一般的傾向や口コミから推測
※そもそも若いワインは蔵出しされないようですから、10年~とさせていただきました。

【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。

一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 2
2004年 4
2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 
2015年 3
2016年 4
2017年 5

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《適正グラス》

【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


地鶏のグリル


アワビバター

など、上質でコクのある味付けをした料理などと合わせることで、ボリューム感ある風味とコクの広がりあるマリアージュを楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


《こんな場合におすすめ》

優れた熟成白ワインをお値打ちに購入したいのであれば、このワインを候補に入れるべきでしょう。

シャサーニュ・モンラッシェの若い優れたワインを購入しても、10年待てない方は、2日程度待てば楽天から届く熟成物を選びましょう。

若いワインには無い円熟味を体感したい方、あるいはそのような方へのプレゼントや贈り物にしても、熟成物はグンと付加価値が高まります。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「19年熟成の99はピークアウトかな。悪い訳ではないから普通とする。」


「もっとコクがあるワインかと思ったのにな。12年熟成の04は意外と浅くいまいち。」


「18年熟成の99はドライな印象で香りはそれほど広がらない。青リンゴの皮ごとかじったような酸が主張気味で、コクのある料理に合わせると良いが、単体は飽きが来るかな。」

良い口コミ

「黄桃や蜜の円熟味。成分が十分に溶け合った熟成味が感じられます。平均的な年の01の16年物ですが、これだけの熟成物となるとお値段以上のパフォーマンスを発揮してくれますね。」


「濃い目のイエロー。14年熟成の05の粘性はそれほど強くない。飲み口はボリューム感がありリッチな印象。樽とナッツの風味がまず感じられますが、華の蜜のような上品な甘やかさが包み込みます。後追いでハーブや心地よい酸味、ほんのり苦味がアクセント。厚みがあるのに飲み疲れしない綺麗なワインでした。」


「17年熟成の99はカスタードのような柔らかで甘やかな風味が心地よい。2日目になってもその風味は維持されている。このボトルはどうやら当たりのようだ。」


「ルイラトゥールらしいやわらかで丸みのある味わい。12年熟成の04いいですね~。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると

感動的!!     0%
美味しい     70%
普通       27%

良くない      3%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

熟成酒という事で、多少ボトル個体差があるような印象がありました。

ボトルによっては風味が広がらず、ピークの過ぎたような傾向も見られましたが、おおよその方が感動を覚えるほどではないにせよ、円熟味のある柔らかで甘やかさのある品質に、価格以上の価値を感じている傾向でした。

よって、購入店の保存状態を意識したり、20年近い熟成物はリスクがあると心得ておいた方が良いかもしれないと思う結果となりました。

とは言え、これほどの熟成酒をお値打ちに購入できることもあまりないでしょうから、選択肢の一つに持っておくのも有意義ではないかとも感じました。

 

以上です。

熟成酒は好きだけど待てない方には、ルイラトゥールは蔵出しワインをいくつかラインナップしていますからおすすめです。

ちょっとお高いですけど、ルモワスネも古酒のラインナップが豊富でおすすめです。

若々しく生き生きしたワインも素敵ですし、円熟した大人っぽい落ち着きあるワインも魅力的で、そのどちらも良さが違うのであり、良い部分を感じながら楽しめると素敵だと思います。

もし、ピークが過ぎたワインに出会っても。

「これが枯れたワインということか。勉強になるな~。よかったな~。」

とポジティブシンキングができる方がいるとすれば、それは真の幸せ者なのかもしれません。

なかなかその領域に達せられないですが(苦笑)

さておき、「みんな違って、みんないい。」

という事で、素敵なワインのある生活を過ごしたいものです。

あなただけのの好みの一本、忘れられない一本が見つかる事を願っております。

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