サルデーニャの赤ワインで最も高い満足度。
多くの口コミを見る限り味わいのレベルでは、アルジオラスのトゥリガー(1.1万くらい)の方が勝る印象ですが、価格も含めた満足度ではバッルーアがトップだと感じました。
イタリアを代表するワイン関係者のコラボで注目度も高いワイナリーですが、その品質も比例している印象です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》プニカ バッルーア
《価格》
【5000前後】
《ブドウ品種》
・カリニャーノ(カリニャン)主体
・カベルネソーヴィニヨン
・メルロー
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>サルデーニャ州
《生産者》 アグリコーラ プニカ(サッシカイア)
アグリコーラ プニカはサルデーニャ州を代表するワイナリーのひとつ。
・ジャコモタキス(サッシカイアを生んだイタリアを代表する偉大な醸造家)
・セバスティアーノ ローザ(サッシカイアのオーナー)
・アントネッロ ピローニ(サルデーニャのワイナリー「サンターディ」の社長)
以上3者の豪華コラボによって誕生したワイナリーです。
キッカケはジャコモ タキス氏が初めてサルデーニャに訪れた時、ワイン産地としての可能性を感じたこと。
そしてトップ生産者と手を組みアグリコーラ プニカをスタートさせました。2002年のファーストリリースから注目を浴び、イタリアを代表するガイドブック「ガンベロロッソ」で最高賞を獲得するなど、様々なワイン誌でも高い評価を獲得するワインを生んでいます。
今回紹介しているバッルーアはプニカの上級キュベで、日本の一般消費者からも高く評価される銘柄。
ちなみにラベルの丸いマークは、ローマ時代にこの地を侵略したギリシア人が用いていたコインを表しています。
《味わいの特徴》
濃厚で力強く
複雑かつエレガント
このワインの特徴は、凝縮された果実のジューシーさと存在感のあるタンニンが力強い味わいを表現しつつ、樽の風味も加わった深みのある複雑さと上品な酸が味わいをまとめるエレガントさも合わせ持っているところです。
【外観】
深みのあるルビーレッド
【香り】
プラムやカシスなどの熟した果実香にスミレの華やかさ。ローリエ、ブラックペッパー、腐葉土、革製品、バニラなどの風味も加わり複雑で落ち着きある芳香が広がります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は適度な甘味があり、深みのあるコクと豊富でシルキーなタンニンと相まって力強くも優しい味わい。上質な酸が味わいを上品にまとめバランスも良く、心地よい果実味と複雑な風味を残した長い余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
バッルーアに85%使用されるカリニャーノ(カリニャン)は、強靭なタンニンと苦味そして強い酸があり、荒々しいワインを生む傾向で、一般的には他の品種とブレンドされる場合が多い品種です。
■栽培環境■
ブドウ畑があるのはサルデーニャ島の南西部。アフリカから吹き付ける熱風(シロッコ)の影響で、夏場はイタリアで最も暑くなる地域です。
カリニャーノは発芽の時期が遅く、収穫時期もその他の品種に比べてかなり遅いため、寒い産地は不向き。
夏の暑さと豊富な日照はブドウを完熟させ、荒々しいタンニンや強い酸を持つカリニャーノの個性をやわらげます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインは新樽比率30%のフレンチオークで18ヶ月熟成されます。
樽の風味が反映しやすいのは新樽>古樽で、ブドウの風味を覆い隠さない程度の適度な樽の風味を付けています。
※栽培や醸造に関する具体的情報がありませんでしたが、サッシカイアを生みだした故ジャコモタキス氏が携わったという事で、緻密な工程を経ていると推測されます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実感や複雑な風味が広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~20年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【大ぶりのグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスやブルゴーニュグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛サーロインステーキ
うなぎのかば焼き
など、上質でコクの深い味わいの料理に合わせると良いでしょう。
脂質の多い素材はワインの豊富なタンニンと結合しバランスを整えるなど、複雑で深いワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立てるマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
6年熟成の2013。味わいは深くて良いワインだけど、香が若干足りない?
期待しすぎ?状態悪い?ウニ乗せプリンを醤油でどうぞみたいな塩気。4年熟成の2016は何か残念な感じ。。。
【良い口コミ】
セカンドのモンテッスのコスパも感動レベルだが、ファーストのコチラも素晴らしい!!5年熟成の2015でまだ若いが十分に楽しめるし、長期熟成も期待できる味わいでもある。カリニャンの可能性が感じられる特別なワインです。
まろやかな赤が飲みたい時におすすめ♪4年熟成の2016は黒系果実にバニラの香りがあり、豊富でシルキーなタンニンを熟した果実の優しい甘味が包み込んでくれる。コスパもかなり良いと思います!♪
3日かけて飲んだけど最後まで状態良く美味しかった。2016ヴィンテージは4年熟成でまだ早いかとも思いましたが全然問題なし。むしろ重くて優しい甘味があり、それを上品にまとめる酸がいい役割を果たしていて飲み疲れしない。これメッチャ好きです♪
これはリピート級ですね。5年熟成の2014は豊潤な果実味に腐葉土や甘草のニュアンスも加わります。しっかりとした味わいで熟成感もあり大好きな味わいでした!♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 13%
美味しい 53%
普通 27%
良くない 7%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
かなり満足度の高い印象です。
状態の悪さなのか残念な思いをされたコメントもありましたが、重厚かつ親しみやすく深みもある味わいに満足する方が最も多い銘柄で、やや高額ではありますがコスパを褒める意見もチラホラ見られました。
若い段階から開いておりバランス良く飲み頃で、抜栓後数日は劣化しない強さもある傾向。
長期熟成物に対するコメントが見当たらず残念でしたが、熟成後も楽しみな一本だと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
プニカ バッルーアは
【価格】
5000前後
【味】
凝縮感のある果実味は適度な甘味があり、深みのあるコクと豊富でシルキーなタンニンと相まって力強くも優しい味わい。
上質な酸が味わいを上品にまとめバランスも良く、心地よい果実味と複雑な風味を残した長い余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
かなり満足度の高い印象。
状態の悪さなのか残念な思いをされたコメントもあったが、重厚かつ親しみやすく深みもある味わいに満足するコメントが最も多い銘柄で、やや高額ではあるがコスパを褒める意見もチラホラ見られた。
若い段階から開いておりバランス良く飲み頃で、抜栓後数日は劣化しない強さもある傾向。
以上です。
今回は上級キュベのバッルーアを紹介しましたが、セカンドラベルにあたるモンテッス(3000台前半)も人気です。
バッルーアがやや高額と感じる場合は、モンテッスを候補にしてみるのも良いかもしれませんね。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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