海を思わせるミネラル感がありスッキリした飲み口で人気。
唸るような奥深さはありませんが、上品で適度な厚みもあり魚介類にピッタリのミネラリーな味わいで口コミ満足度も高い印象です。
スッキリ上品と言えばシャブリやソアーヴェといった有名どころも良いですが、ちょっと珍しいイスキア島の土着品種のワインも面白い選択肢になるのではないでしょうか。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》カーサ ダンブラ イスキア ビアンコ
《価格》
【2000前後】
《ブドウ品種》
・ビアンコレッラ主体
・フォラステラ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>カンパーニャ州>イスキア島
《生産者》 カーサ ダンブラ
カーサ ダンブラはカンパーニャ州のイスキア島を代表するワイナリーです。
1888年にフランチェスコ ダンブラ氏によって創業され、1958年に息子のサルヴァトーレ氏によってボトリングを開始。
2021年現在は孫にあたるアンドレア ダンブラ氏が醸造を担っており、100年以上イスキア島の土着品種を守り伝統的ワイン造りを続けています。
今回紹介しているイスキア ビアンコは、イスキア島の土着品種を使用した爽やかな白ワイン。
ミネラリーな味わいで魚介系料理にもよく合い、日本の消費者にも人気の銘柄です。
ちなみにカーサ ダンブラのエチケットはすべて盾形。
これはドンペリニョンと同じ形状で、モエ エ シャンドン社の社長に偶然ナポリのバールで出会った時に、盾形を使っていいと言われたことがキッカケになっているとのことです。
《味わいの特徴》
島のワイン
ミネラリーでスッキリ
上品な飲み口
このワインの特徴は、海に囲まれた島のワイン特有の塩気を感じるようなミネラリーな味わいにあり、透明感ある果実味とキレイな酸も相まってスルスル飲めるような上品な飲み口であることです。
【外観】
淡い麦藁色
【香り】
グレープフルーツなどの柑橘類の爽やかさに白桃やラフランスのようなフルーティーな果実香。白い花の華やかさも加わった繊細かつ広がりある芳香で、石灰など鉱物を思わせるミネラル香も垣間見えます。
【味わい】
透明感のあるピュアな果実味は少しの甘味を伴ったライト~ミディアムボディ味わいで、豊富で綺麗な酸味が味わいを引き締めるドライで軽快な飲み口。塩気を感じるようなミネラル感も奥行きある上品な味わいを表現しており、ほんのり苦味をアクセントにスッキリとした印象の後口があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
イスキア島の土着品種であるビアンコレッラ(主体)とフォラステラがブレンドされるワインです。
ビアンコレッラは花やフルーツのような香り高い芳香とキレイな酸味があり、余韻にアーモンドのようなニュアンスが感じられる特徴。
フォラステラはアンズや黄桃の香りを持ち、ほろ苦さを残した余韻がある特徴です。
■栽培環境■
溶岩を含んだ火山性土壌の畑で栽培されており、豊富なミネラル分が反映されるのが火山性土壌の特徴です。
また昼夜の寒暖差の大きさは香り豊かなブドウを生み、夜の冷え込みはキレイな酸味をもたらす要因になっています。
■醸造工程■
通常はブドウを破砕した後にプレス(圧搾)して果汁を搾ります。
しかしこのワインはプレスをせず、自然に流れ出た果汁(フリーランジュース)のみを使用。より繊細な味わいを生む工程を踏んでいます。
また発酵温度を低めにすることでフレッシュでフルーティーな味わいを生んでいます。
反対に高めの温度で発酵すると肉厚なワインが生まれます。
■ステンレスタンク■
アルコール発酵を終えたワインはステンレスタンクで最低5ヶ月熟成されます。
もちろん樽の風味は付かず、密閉性が高く酸化防止効果があり余計な香りも付かないため、ブドウのピュアな果実感がストレートに反映されるのがステンレスタンクの特徴です。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象。フルーティで豊かな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1~4年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸のふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
生カキをレモンと塩で
ボンゴレビアンコ
バランス良く軽快な後口があるワインの味わいは強すぎない味わいの料理とよく合い、海を思わせるミネラル豊富なワインの味わいは魚介類との相性も抜群です。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
1年熟成の2018は若すぎるのかな?ちょっとまとまりに欠ける印象。翌日にはかなり良くなりましたが。それから1年が経過し、同ヴィンテージを飲む機会がありましたが、こちらは最初から美味しい!なるほど2年は待った方が良いのではないでしょうか。
【良い口コミ】
黄色い花や少しの蜜を思わせる優しく上品な香りで、香り同様の柔らかで繊細な味わいを適度な酸がスッキリと後口をまとめます。2年熟成の2018は料理にも合わせやすい白ワインですね♪
2年熟成の2019はフルーティーな香りにまず魅了されました。ビアンコレッラという品種は初めてですが、塩気を感じるようなミネラル感があり、全体をまとめる酸味と苦味のアクセントのバランスも良く私の好みでした♪
2年熟成の2013は決して平坦というわけではないけどクセが無く、24時間どの時間帯でも飲めてしまいそうな飲みやすさがありますね!♪美味しいです。
2年熟成の2016は島のワインに共通したミネラル感たっぷりの味わい。とはいえ味わいは濃くなくて飲み口はとても軽快でスルスル系で、鮮度の良い魚介類と一緒に楽しみたい感じでした。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 27%
普通 73%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動するような奥深さはありませんがネガティブなコメントもほぼ無く、爽やかでスッキリ系の味わいに特徴的な塩気を感じるようなミネラル感があり、好感は高い印象です。
カリフォルニアなど温暖な産地のボリューム感のある味わいを求める場合は不向きと感じましたが、スッキリ系を求める場合にはおすすめ。
また、海を連想させるような豊富なミネラル感があるので、魚介系料理に合うワインとしてちょっと珍しいイスキアは面白い選択肢になるとも感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
カーサ ダンブラ イスキア ビアンコは
【価格】
2000前後
【味】
島のワイン特有の塩気を感じるようなミネラル感があり、透明感ある果実味とキレイな酸も相まってスルスル飲めるような上品な飲み口。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~4年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
奥深さはそれほど無いので感動も無いがネガティブなコメントも稀、爽やかでスッキリ系の味わいに特徴的な塩気を感じるようなミネラル感があり、好感は高い印象。
カリフォルニアなど温暖な産地のボリューム感のある味わいを求める場合は不向きと感じるが、スッキリ系を求める場合にはおすすめ。
以上です。
イスキア島のちょっと珍しいスッキリ系白ワインでした。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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