「そこそこの価格で、そこそこ美味しい白ワインありませんか?」
「お嬢さん!!そこそこの価格で、とっても美味しい白ワイン。ありますよ。」
今回は、そんな会話が成立しそうなワインの紹介です。
さて、私は広域ブルゴーニュ・ブラン(白)を生み、日本で購入可能な主要生産者を90程ピックアップし、その中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみました。
その結果、とても多くの方に飲まれ、高い満足度を獲得していると感じた生産者の一つにバシュレ・モノがあました。
手頃な価格のワインが多いブルゴーニュ・ブランにおいてはやや高額なワインですが、価格以上の満足度を獲得しており、紹介すべきと感じました。
その他に特にそのような条件を満たしていると感じたのは、
■トロ・ボー
■ルー・デュモン
■ギィ・アミオ
■ジョセフ・ドルーアン
以上の生産者達でした。
※他にも《ソゼ》《フランソワ・カリヨン》《ジャン・マルク・ボワイヨ》をはじめとする、15ほど好評な生産者はいましたが、あえて絞らせてもらいました。
《ワイン名》 ドメーヌ・バシュレ・モノ ブルゴーニュ・ブラン
《価格》
【4000円前後】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ
《生産者》 ドメーヌ・バシュレ・モノ
ここで簡単にプロフィール。
ドメーヌ・バシュレ・モノは、2005年マランジュのデジーズ村に設立された若きドメーヌ。
祖父と父のワイン造りを引き継ぐ形で、マルクとアレクサンドル兄弟の2人が醸造学校やワイン造りの修行を各地で積んだ後立ち上がったドメーヌで、シャサーニュ・モンラッシェやマランジェなどコート・ド・ボーヌ南部の畑のワインを生産しています。
そんな若き新鋭のワインは品質が優れると評判になり、フランスの権威あるワイン誌や多くの評論家からも高い評価を獲得、日本でもワイナート73号で取り上げられています。
《味わいの特徴》
厚み・気品・バランス
を兼ね備えた品質は
別格の広域ブルゴーニュ
このワインの特徴は、クオリティの高い厚みのある果実味に、気品や上品さを感じさせる凛とした鉱物的なミネラルや、美しく磨かれたような酸があるところです。
そしてそれらの質の高い成分がバランス良く融合することで、広域ブルゴーニュとは思えないほどの味わいを表現しています。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■優れた立地条件■
このワインに使用されるブドウは、ピュリニー・モンラッシェ村の樹齢20~50年のブドウ。
シャルドネにとって最上のテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)を持つと呼ばれるピュリニー・モンラッシェからは、豊富なミネラルや美しい酸を持ったブドウが得られ、並のブルゴーニュ・ブランを超えた味わいになります。
■リュット・レゾネ■
化学肥料や農薬を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践することで、微生物の働きなどにより健全で成分豊かな土壌が育ち、その土地の成分を吸い上げた上質なブドウが実ります。
■手摘み収穫■
ブドウを傷付けない丁寧な手摘み収穫により、よりクオリティの高い洗練された透明感のある果実が得られます。
■ほどよい樽感■
樽のニュアンスが反映されやすい新樽の使用比率は不明ですが、軽くトーストされた樽に由来する柔らかで芳ばしい風味と、果実の繊細な風味の両方が楽しめるワインを生んでいます。
【外観】
輝くレモンゴールド
【香り】
レモンやグレープフルーツにラフランスや白い花など清潔感ある香りが広がり、樽に由来するバニラやナッツ類の香りも優しく広がります。
【味わい】
柑橘類などの爽やかさ持った果実味は、厚みがありながら透明感を感じさせるピュアな味わいで、豊富な酸は味わいを引き締めます。
凛とした鉱物的なミネラル感は、心地よい旨味を伴い気品ある味わいを表現しており、樽に由来するバニラの柔らかなニュアンスや、白い花に、ほんのり蜜の風味を残したエレガントな余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさが増します。
温度を上げるほどふくよかで複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~7年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のタタキをレモンと塩で
キノコのリゾット
など、比較的コクのある料理などと合わせることで、豊かな風味とコクの広がりあるマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
これほどコスパが良いと皆様が感じるワインは中々ありません。
価格が上昇する可能性もありますから、早めの購入が良いと言えるでしょう。
《こんな場合には不適切!?》
買わない事。(笑)
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「3年熟成の2015。ブドウがよく熟した2015だけにちょっと果実感が強く、甘味が気になる。悪くないけど個人的には2014の方が好き。」
「ブルゴーニュ・ブランにしては高いですが、飲んでみたらコスパ抜群でした。でも2日目は少し風味が飛ぶのは仕方ないと捉えるべきかな?2014。」
【良い口コミ】
「3年目の2014はミネラル感が印象的。酸も強めですが旨味も乗っておりバランスが良い。これは熟成させても楽しみな一本。」
「豊潤な果実味に伸びのある酸、そして背筋が通ったような気品を感じるミネラル。2016は広域ブルゴーニュのレベルではない。これは高騰しない今のうちにまとめ買いすべきかもね。」
「雑味が無いってこういう事を言うんだね~🎵清流のようにきれいな飲み口で、酸とミネラルも十分。何て言えばいいかな~~。おいし~~~(笑)。これだけのコスパワインは見つけるのが困難。」
「白い花に白桃に樽感。強めの酸は爽やかな味わいを表現しますが、温度上昇で蜜ニュアンスや深さが出てきた。仄かな苦味もアクセントになり余韻も長い。5年熟成の013は、変化も含めて価格以上に楽しめるワインです。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 64%
普通 36%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
稀に見るコスパワイン。
かなりの数のワインの口コミを拝見して参りましたが、なかなかここまで皆様の高評価を得るワインは無いと思えるほどの口コミ内容でした。
比較的手頃な価格のワインという事で、感動を覚えるほどの品質ではありませんが、エレガントかつボリューム感のある味わいは、価格以上の品質と感じる方が大半であり、マイナスイメージを与えるコメントはほぼ見当たりませんでした。
新鋭の生産者のワインという事で、人気の高まりに準じて価格高騰しないことを願うばかりの結果となりました。
以上です。
「あなたが未だバシュレ・モノを知らなかったならば、今が知るべきその時なのです。」
ワインアドヴォケイト誌のコメンテイター、ニール・マーチン氏はそう語ります。
ここまで読み進めていただいた方は、既に知っていますね。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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