繊細で上品でありながら旨味たっぷり。
今回はそんな【薄旨ピノノワール】を求める方のための記事です。
濃くてガッシリとした男っぽいワインを求める方は読んではいけません!!
時間の無駄!!かも(笑)
2002年以前は、凝縮感のあるワインを生産していましたが、それ以降は繊細で純粋なスタイルに転換。
情報誌などにも取り上げられ、人気も急上昇し希少性の高いワインとなりました。
モレ・サン・ドニが本拠地のドメーヌですが、私がジュヴレ・シャンベルタンの人気ワインを探してみたところ、多くの人が飲み、そして口コミでも高評価を獲得していたワインでしたので紹介する事にしました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ ぺロ ミノ ジュヴレ シャンベルタン
《価格》
【9000~13000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
《生産者》 ドメーヌ ぺロ ミノ
《特徴》
洗練された上品さを持つ
薄旨ブルゴーニュ
ぺロ・ミノのワインは、上品で繊細ながらハッキリとした旨味を感じられる品質で、何度も言っていますが「洗練された薄旨ブルゴーニュ」という言葉がピッタリハマるワインです。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■有機農法■
有機肥料の使用や極力農薬を使用しない有機農法によって健全な土壌を育て、それにより土地の特徴を反映した上質のブドウが育ちます。
■収量制限■
一株当たりのブドウの房の数を制限することで、残された房に成分が集中的に集まり、成分の充実したブドウが得られます。
■徹底的な選果■
すべて手摘みの収穫後2度の選果を行い、さらにすべての房を2つに切り、中心の隠れ腐敗や未熟な顆粒の有無を厳格に確認した上で完璧なブドウのみを残すという厳しい選果をすることで、上質なブドウのみを選び抜いて使っています。
■完全除梗■
果実の透明感溢れる品質を目指すため、ブドウの梗(果実の付いた枝のような部分)は一切使用しません。
※ただしDRCなどの極一部のトップ生産者は、ワインの複雑性や熟成能力を高めるために、梗の部分を全て使用する全房発酵を行っています。
■繊細な抽出■
マセラシオン(果皮や種からの成分抽出)の期間を短縮することで、色は濃くなることはなく、ピュアな果実の風味を得ています。
■ブドウにストレスを与えない発酵■
ブドウの皮や種から荒さを持った成分を出させないよう、発酵時はやさしく液循環させたり、やさしく絞って(圧搾)液体と固体を分離します。
■樽はほどよく■
土壌特性などを反映したブドウのピュアな味わいを表現するために、樽の香りが反映されやすい新樽は使用比率は低くし、ほどよい樽香が付く古樽を使用します
他にもありますが、主にこのような栽培と醸造によって、洗練された上品で旨味豊かなワインが生まれるわけです。
【外観】
透明感のある美しいルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
イチゴやラズベリーのようなフレッシュな果実香に、ブルーベリーやカシスのフルーティな果実香も感じられ、スミレの花の華やかさにほどよい樽のニュアンスも感じます。
熟成が進むほど果実香は落ち着きある円熟味が現れ、土や獣などの熟成香も加わり複雑性が増します。
【味わい】
上品な果実味は繊細だありながら旨味が豊かに感じられます。
タンニンは優しくしなやかで、美しい酸味は味わいをまとめた後、上品な風味を残した余韻が続きます。
熟成するほど成分はさらに溶け合いなめらかさが増し、旨味や複雑性も高まったエレガントで妖艶な品質に成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
美しい外観と繊細な風味を持ったエレガントなワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がり甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
天然真鯛のカルパッチョ
地鶏のグリル
など、上質な素材で程良くコクのある味わいの料理に合わせる事で、上品で繊細な風味の広がる極上のマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【繊細でエレガントな薄旨ピノを求める場合】
色合いは透明感があり美しく、味わいは繊細で出汁が効いたような旨味が感じられるワインで、非常にエレガントな女性的ワインです。
そのようなブルゴーニュのエレガント系薄旨ピノを求める方には、ぜひ飲んでいただきたい一本で、合わせる料理の味わいも強すぎない方がベターでしょう。
そして、そのようなエレガントな品質を好む方に贈るワインに選んでも、恥ずかしくない品質だと思います。
《こんな場合には不適切!?》
【パワフルなワインが好みの場合】
繊細で出汁の効いたような旨味を持つワインです。
凝縮された果実味や、力強いタンニンや酸を持ったワインを求めるのであれば、このワインは薄く感じてしまう事でしょう。
またそのような品質は、強い味わいを持った料理に合わせても薄く感じてしまい、せっかくのエレガントな旨味を感じにくくしますから、ほど良い強さの味わいを持った料理に合わせたいですね。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「2002年以降エレガント路線に切り替えたとのことで、今回は3年目の2014です。最初は果実味強め?あんまり変わってない?でしたが、30分ほど経過し妖艶なワインに変貌しました!!果実味はほどよく心地よい酸味で、渋味は感じませんね。ジュヴレっぽくはないけど、心地よい甘味と旨味でたまりませ~ん💛」
「5年目の2014です。透明感のあるルビー色。酸味を連想させるラズベリーのような香りにスミレ、樽も程良く鉄分を感じさせる香りもあります。味わいはエレガントな印象で、タンニンも溶け込んでおり優しく、綺麗な酸味が軽やかで心地よい。ジュブシャンっぽいしっかり系を期待してはいけませんが、ブルゴーニュらしい繊細で旨味たっぷりの薄旨ワインとして素晴らしいと思います。」
「透明感のあるルビーレッド。ほんのりキャラメルに、樽香も心地よい。まだ若い印象だがエレガントな酸とタンニンで、甘味というよりは旨味たっぷりの味わで素晴らしい。6年目の2010は私の理想に近い味わいを持っている。」
【悪い口コミ】
「4年目の2014は悪くはないけど、なんだかジュヴレ・シャンベルタンにしては痩せた印象ね。普通かな。」
「ピノらしい香りではあるが、ジュヴレ・シャンベルタンらしさは無い。ドライで薄旨系で良いのだが好みではないので普通としよう。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 6%
美味しい 47%
普通 47%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
このワインのエレガントで薄旨な味わいは際立っており、そこを評価している方も多く、逆に物足りなさを感じ、そこそこで普通と評価する方もちらほら見られました。
そのようなわかりやすい品質は、繊細で旨味たっぷりの薄旨系を求める方には自信を持っておすすめしやすく、豪華でしっかり系を求める方には自信を持っておすすめしない(笑)
そんなわかりやすいワインだと感じました。
以上です。
ぺロ・ミノはわかりやすくていいですね。
薄旨エレガントが好きな方、又はどのようなものか体感してみたい方が飲むべきワインでしょう。
無数に存在するワインですが、エレガントという言葉が最も似合う産地はブルゴーニュ、そしてブドウはピノノワール。
私を含めて多くの方がそう感じているのではないでしょうか。
その美しい外観だけでもうっとりしてしまうような存在感は、ブルゴーニュのピノノワールだけの物なのかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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