ロマネ・コンティ。
ワインに全く興味が無くとも、その名は知っているというほどの知名度の高さで、知名度はもちろん品質そして価格も世界最高のワインである事は周知の事実。
そしてワインを志す方にとっては、生涯に一度は口にできたらいいなという存在であり、憧れの存在ではないかと思います。
そんなロマネコンティを生み出している生産者こそが、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ【Domaine de la Romanee-Conti】であり、【DRC】と呼ばれるわけですね。
そんなDRCが生み出すワインは、モノポール(単独所有)であるロマネ・コンティやラ・ターシュをはじめとしていくつか存在します。
今回紹介するのはヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ キュヴェ デュヴォー ブロシェです。
DRCがプルミエクリュ?と思った方も多い事でしょう。
そうですDRCはプルミエクリュは所有していませんが、ロマネ・コンティを除くヴォーヌ・ロマネのグランクリュに使用するに至らなかった、若木のブドウによるワインをブレンドして造られるのがこのワインです。
ラターシュの若木を主体に、その他グランクリュのブレンドとなりますが、このワインはブドウの出来が良かった年のみ生産されており、2019年現在においては1999・2002・2004・2006・2008・2009の6ヴィンテージのみとなり、希少性の高いワインです。
因みにデュヴォー・ブロシェとは、DRC設立当時の功労者の名という事で、敬意を込めてキュベ名になったという事です。
そんな概要のワインですが、DRCの生産する9銘柄の中では最も価格が安いワインなんですね。(それでも20万はしますが・・)
ヴォーヌ・ロマネで多くの方に飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、DRCの生産するワインは全て多くの方に飲まれ、そして秀逸な評価を受けているものばかりでした。
というわけで、DRCのワインについては全銘柄を紹介させていただく事になりました。
ワインを通じて最上の時間を楽しみたい時、最上級の敬意を込めて献上する贈り物などの候補にしてみてはいかがでしょうか。
《ワイン名》 DRC ヴォーヌ ロマネ 1er キュヴェ デュヴォー ブロシェ
《価格》
【20万~30万円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ
《生産者》 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
《特徴》
しなやかで優雅
洗練されたエレガンス
このワインはグランクリュの若木から生産されるという事で、グランクリュに比べるとやや明るく親しみやすい傾向となりますが、さすがは良年のグランクリュのブドウという事で、洗練された雑味の無い質感はしなやかで、複雑な風味もしっかりと備えており、スケールに溢れる優雅さを持っています。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■最上のテロワール(ブドウを取り巻く環境の全て)
DRCの所有するグランクリュは、土壌や気候を含むすべての自然環境において、ピノ・ノワールにとって最も優れていると言われます。
キュヴェ デュヴォー ブロシェにおいては、その世界最高のグランクリュの若木という事で、類い稀な品質になる事は言うまでもありません。
■ビオディナミ農法
農薬や化学肥料は一切使わず、畑を耕す作業も土を踏み固めてしまうトラクターは使わず、農耕馬を使っています。
また、天体の動き(太陰暦)に合わせて農作業を行う事も厳格化されており、ありのままの健全で成分豊かな土壌が維持され、その成分を存分に吸い上げた上質なブドウが実ります。
■厳しい収量制限
1本のワインを造るのに3本のブドウの樹が使われるというほど、DRCでは厳格な剪定を行い収量制限が行われる事も有名です。
そうすることで、残されたブドウに成分が集中し、成分の充実したスケール感溢れるワインが生まれます。
■全房発酵
一般的にはブドウの粒のみを発酵させるのが主流ですが、粒の付いた枝のような部分を梗(こう)と呼び、その部分も含めて全て発酵させることも特徴的です。
それによって、滑らかなタンニンが得られ長期熟成に耐える事や、梗由来の独特の苦味や風味が加わり、複雑な味わいになります。
※この全房発酵は非常に難易度の高い手法としても知られ、適切に行わないと青臭さ・酸味・ギスギスしたタンニンが出てしまいます。
そのためには、梗の部分までしっかりと熟している状態にさせなくてはならず、菌の付きやすい梗を無農薬で健全に保つには非常に管理が緻密でなければなりません。
そのためこの手法を実践しているのは、DRCなどの極一部のトップ生産者のみというわけです。
【外観】
透明感のある美しいルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
バラやスミレの華やかな香りに、ラズベリーやブラックベリーになどのフルーティな果実香、スパイスにハーブに土といったニュアンスも加わり、非常に華やかで複雑な香りが広がります。
熟成するほど円熟を感じさせる妖艶なニュアンスに変化していき、熟した果実にドライフルーツ、枯葉や革製品にキノコに紅茶などの魅惑的な熟成香も広がりを見せます。
【味わい】
洗練された果実味は肉厚でありながら繊細さも持ち併せ、ほどよいタンニンはシルクのような滑らかさで構造を形成し、生き生きとした酸は味わいまとめた後、優雅な風味を伴った非常に長い余韻があります。
熟成が進むほど果実味は落ち着きある旨味を伴った甘やかさが現れ、タンニンや酸などの成分は溶け合う事で、ビロードのようにしなやかさを持った質感に変化していきます。
そして甘草に紅茶に腐葉土などの熟成による複雑で妖艶な風味を伴った味わいは秀逸で、いつまでも続くかのような長い余韻に包まれます。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
別格の香りとエレガンス溢れる味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑で華やかな香りと、エレガントでスケール感溢れる味わいを持った格別なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で複雑な風味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
特に上質な和牛のタタキ
アワビバター
など、特に上質で豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、優雅なワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑で官能的な風味の広がる至極のマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
世界最高クラスのワインです。
しかも限られたヴィンテージしか生産されていないという事で、非常に希少性の高いワインでもあります。
ワインに造詣が深い方などへ、最上級の敬意を込めて贈るワイン、あるいは特別な日に大切な方と最上級の料理に合わせて楽しむワインではないでしょうか。
DRCのブランド力、限定生産による希少性、類い稀な品質を持ち併せた特別感満載の逸品です。
《こんな場合には不適切!?》
不適切と言うよりは、飲み頃や抜栓するタイミング、また適切な保存には気を付けるべきワインです。
せっかくのDRCも若すぎて、ボトルの最後の一口でようやく開いてきたでは残念ですし、保存の悪さで本来の味わいが感じられないのもいけません。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「グランクリュの若い樹をブレンドして造られるようですが、17年熟成の1999は、期待していたほどの素晴らしさではなかった。」
【良い口コミ】
「香り、味わい共にまさにDRCだ。目を閉じてたって俺にはわかる。7年目の09は、最初香りが弱かったが時間経過と共にどんどん湧き上がる香りがある。ミネラルや酸も豊富でまだ若さがあるが、余韻も素晴らしく、じっくりゆっくり楽しみたい格別のワインだよ。」
「19年の熟成を経た1999です。赤い果実に腐葉土に枯葉の香り、酸とタンニンは十分に溶け込み、なめらかで心地よい旨味がいっぱいに広がります。非常にエレガントで風格を感じさせる素晴らしいワインです。」
「12年熟成の2002はすっごい華やか。バラの花束のような強さで1999よりも香りでは勝りますね。とにかく美味しいワイン。」
「なんだこの溢れんばかりの果実香は。赤系果実もあるが熟した黒果実の香りが優位なのは2009年が暑い年だったからだろう。6年目のこのワインは、はじめフレッシュな印象だが、時間が経つほどに果実香は落ち着きを見せ、バラや腐葉土の風味に甘やかなニュアンスが際立ってくる。どの時点でも抜群の表現力があり、生涯忘れる事のないワインになったことは間違いない。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 64%
美味しい 26%
普通 10%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
極少数の方が期待したほどではなかったという意見と、多くは語らず普通の評価をする方もおられましたが、大半の方がその魅惑的な品質に感動レベルの評価を与えている傾向が強かったように感じました。
プルミエクリュということで、ロマネ・コンティやラターシュほどの感動レベルではありませんが、リシュブール、ロマネ・サンヴィヴァン、グラン・エシェゾー、エシェゾー、とはそこまで大きな差を感じないほど皆様が高評価しているようです。
以上です。
世界最高額のワイン生産者の最安値のワインでした。
高いのか安いのかわからなくなりそうです・・
高安は相撲です・・
毎日ブログ書きすぎて、おかしくなったのでしょうか。
おもしろくない事を平気で言ってます。
あなたにとって善きワインとの出会いがある事をお祈りしております。
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