この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》エゴン ミュラー シャルツホーフベルガー リースリング アウスレーゼ
《価格》
【10万前後】
《ブドウ品種》リースリング
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 甘口
《産地》 ドイツ>モーゼル
《生産者》 エゴン ミュラー
エゴン ミュラーはドイツワイン界における頂点と呼ばれる偉大な生産者です。 独自の厳しい規定を設け妥協を許さないワイン造りを実践しており、ドイツにおいて歴史的にも高名な銘醸畑で、村名表記を省略して畑名を単独で名乗れるオルツタイルラーゲと呼ばれる5つの特別単一畑を所有しています。 今回紹介しているワインは、モーゼルにある唯一の特別単一畑であるシャルツホーフベルクの白ワイン。
「シャルツホーフベルガーを飲まずしてリースリングを語るなかれ」
「比べるものなき傑作」
「ドイツのロマネ コンティ」
とも讃えられる特別な畑から造られる銘酒です。 詳しくはエノテカ様のページで確認できます。
《味わいの特徴》
リースリングの最高峰
甘美でエレガントな飲み口
【外観】
輝くレモンゴールド
熟成するほど濃いゴールド→琥珀色へと変化
【香り】
桃や蜜りんごを思わせる円熟した果実香に、蜂蜜やフルーツのコンポートを思わせる甘やかなニュアンス。
ナッツ類やブリオッシュのような芳ばしさも加わり、複雑で魅惑的な芳香に包まれます。
※熟成期間が長いほど円熟した落ち着きあるニュアンスになる傾向です。
【味わい】
凝縮感のある果実味は上質な甘味とトロミのある質感と相まって甘美な味わい。
一切の雑味が排除された味わいは洗練されており、ミネラル豊富で奥行きのある味わいを美しい酸が味わいを上品にまとめると、魅惑的な風味を残した長い余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
辛口から極甘口まで幅広いタイプを生むリースリングですが、共通してリンゴや白い花の香りがあり、キレの良い酸味を持っています。
また熟成を経ることで石油を思わせるぺトロール香が出てくることも特徴的な品種です。
産地によって傾向は異なり、このワインを生む冷涼なモーゼルからはアルコール低めで酸は高め、繊細で透明感のあるエレガントな味わいが生まれる傾向です。
※モーゼルと並んでリースリングの有力産地ラインガウからは、やや温暖な気候もあり円熟した厚みを感じさせるワインが生まれる傾向です。
■ドイツのロマネ コンティ■
このワインに使用されるブドウ畑は、モーゼル唯一の特別単一畑シャルツホーフベルク。
「ドイツのロマネ コンティ」と讃えられるほど気候や土壌に恵まれています。
そこで収穫された上質な貴腐葡萄から造られるワインで、魅惑的で甘美な果実味をエレガントな酸が上品にまとめ、洗練された気品溢れる味わいがあります。
■アウスレーゼ■
収穫時のブドウの糖度が高いほど格上と考えるのがドイツ独特のもので【6段階】に階層化されています。
※糖度の数値はエクスレ度というもので表されています。
ここで紹介しているワインは4番目のアウスレーゼで、上品な甘味と酸も持ち合わせたエレガントなスタイルに仕上がっています。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち、上品でエレガントな飲み口。
少し温度を上げれば甘美で広がる風味が楽しめますが、上げ過ぎると味わいがぼやけた印象になってしまう傾向です。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~50年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、モーゼルのヴィンテージチャートも載せておきます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 3
1993年 4
1994年 4
1995年 3
1996年 4
1997年 3
1998年 4
1999年 3
2000年 2
2001年 4
2002年 4
2003年 4
2004年 4
2005年 5
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 5
2010年 3
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 2
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4
《適正グラス》
【小ぶり~大ぶり】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスは、上品でエレガントな味わいを楽しめます。
香りが広がる大きなグラスで優雅さを楽しむのも良いでしょうし、お洒落な形状のデザートワイングラスも特別感があって楽しいですね。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのバターソテー
チーズ各種
奥深い甘やかさを持ったワインはコクのあるフォアグラとの相性が良く、とろけるような味わいが楽しめます。
また、塩分の強いブルーチーズなども対極の甘さを持つワインと合わせる事で互いの味わいが際立ち、そして引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
甘口リースリングとはあまり相性が良くないですが、次元が違うと言いますか、このワインは素晴らしく美味しかった♪トロリとして芳醇な果実の甘味に包まれ、上品な酸がエレガントに締めくくる味わい。17年熟成の2003は、さすがエゴンミュラーのトップキュベは別格ですね!♪
リースリングが嫌いな私でも、このワインには感動させられました!!7年熟成の2015は一切の雑味が無く洗練された味わいはまさに球体。上質な花の蜜を思わせる凝縮感があるのに、抵抗なく舌を流れる格別の味わいです♪♪
1964は既に50年経過していますが、まだまだ先がありそうで凄いポテンシャル。
33年熟成の1989は素晴らしい熟成感で、更なる熟成の可能性も秘めているようです。はじめに強く感じたぺトロール香が抜けると、完熟果実や蜜にブリオッシュの香りが広がりだし、トロミのある液体は甘味は僅かで上質な酸と見事なバランス感覚。豊富なミネラルもハッキリと感じられ、長い余韻へと導かれます。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 76%
美味しい 17%
普通 7%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
高額ワインで希少性も高く、口コミ量こそ少ない銘柄ですが、経験豊富なワインラバーの方々を感動させる類い稀な甘口ワインという印象です。
リースリングが得意でない方にも感動されるほど完成度は高く、若くしても素晴らしい味わいで、長期熟成でさらに深まる甘美な味わいが楽しめる傾向が伝わるコメントの数々でした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
エゴン ミュラー シャルツホーフベルガー リースリング アウスレーゼは
【価格】
10万前後
【味】
複雑で魅惑的な芳香から、凝縮感のある果実味は上質な甘味とトロミのある質感と相まって甘美な味わい。
一切の雑味が排除された味わいは洗練されており、ミネラル豊富で奥行きのある味わいを美しい酸が味わいを上品にまとめると、魅惑的な風味を残した長い余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~50年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
モーゼルのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 3
1993年 4
1994年 4
1995年 3
1996年 4
1997年 3
1998年 4
1999年 3
2000年 2
2001年 4
2002年 4
2003年 4
2004年 4
2005年 5
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 5
2010年 3
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 2
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4
【口コミ】
高額ワインで希少性も高く口コミ量こそ少ないが、経験豊富なワインラバーの方々を感動させる類い稀な甘口ワインという印象。
リースリングが得意でない方にも感動されるほど完成度は高く、若くしても素晴らしい味わいで、長期熟成でさらに深まる甘美な味わいが楽しめる傾向が伝わるコメントの数々。
以上です。
価格も別格ですが味わいも別格で、世界を代表する銘酒の一つと感じる結果となりました。
そして、エゴンミュラーのワインはどれも非常に満足度が高い傾向で、格下にあたるシュペートレーゼやカビネットでも非常に高い口コミ評価を集めています。
それらを含めた銘柄の数々は下記のリンク先でも探せますから、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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