美味しいけど高いのがシャンパーニュ。
値打ちだけどシャンパーニュには及ばないのがクレマン・ド・ブルゴーニュ。
いや・・
ちょっと待って下さい。
クレマンの最高峰は並のシャンパーニュを凌ぐって事もある。
今回はそんなクレマンの紹介です。
さて、私はクレマン・ド・ブルゴーニュを生み、日本で購入可能な主要生産者を40程ピックアップ。その中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれかを客観的視点から調べてみました。
その結果、そのような条件を満たしていた生産者の一つがフランソワ・ミクルスキ。
その口コミ評価は、3000円台の並質シャンパーニュ以上の高さ。クレマン・ド・ブルゴーニュにおいては個人的にナンバーワンの口コミ内容だと感じたのがミクルスキでした。
ちなみに、フランソワ・ミクルスキ以外で高評価のクレマン・ド・ブルゴーニュを生む造り手は、
■ルー・デュモン
■ラ・メゾン・デユ・クレマン
■ポール・ショレ
■シモネ・フェブル
以上の生産者でした。
《ワイン名》 フランソワ・ミクルスキー クレマン・ド・ブルゴーニュ
《価格》
【3000円前後】
《ブドウ品種》
・ピノノワール
・シャルドネ
・アリゴテ
・ガメイ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ
《生産者》 ドメーヌ・フランソワ・ミクルスキー
ここで簡単にプロフィール。
歴史は浅く、ファーストヴィンテージは1992年。
元々プロラグビープレイヤーを目指したミクルスキ氏でしたが、(元プロボクシングプレイヤーの私は親近感を覚えてしまいます(笑))ワイン醸造家になる事を決意。
ボーヌのエコール・ヴィニコールにて、ワイン造りを習得後カリフォルニアのカレラ、そしてムルソーで叔父のピエール・ボワイヨ氏の元畑の管理を行い、その叔父の引退により畑を引き継ぎドメーヌ設立に至ったというわけです。
独特のボトルデザインも印象的で品質も高い彼のワインは世界的に人気で、日本に入る量も少ないため、やや入手困難なワインとなっています。
《味わいの特徴》
上品かつリッチ
洗練された味わいは
クレマンの最高峰
このワインの特徴は、他の生産者のクレマンに比べ豊潤さやリッチさの感じられる品質にあり、洗練された雑味の無い質感やキレの良い酸味は、リッチさを持つと同時に上品さが感じられます。
その味わいは並のシャンパーニュを凌ぐほどの品質であり、クレマン・ド・ブルゴーニュにおいては最高峰の一つと呼ぶに相応しい品質です。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ムルソーのブドウ■
このワインに使用されるシャルドネは、豊潤でリッチな白ワインを生む上質なムルソーのブドウが含まれます。
また、最も使用比率の高いピノ・ノワールは味わいに厚みを与え、飲み応えのあるワインを生みます。
それらの要素が交わる事で、ふくよかさやリッチさの感じられるクレマンが生まれるというわけです。
■上品さ、純粋さを追求■
ミクルスキ氏が求める品質は、ブルゴーニュらしい上品さと純粋さが感じられるもの。
そのような哲学の下、人を育てるような愛情を注ぐような誠実な気持ちで丁寧に栽培から醸造されるワインは、非常に雑味無く純粋であり、豊潤であると同時に美しい酸とミネラルを持った上品さも持った品質になります。
■瓶内二次発酵■
もっとも手間が掛かり、キメの細かい泡やコクを持った上質なワインを生む製法が瓶内二次発酵。
これはシャンパーニュと同じ製法であり、そのような製法を実践することで優れたワインを生んでいます。
スパークリングワインの製法について知りたい方はコチラ。
【外観】
輝くレモンゴールド
豊かな泡立ち
【香り】
グレープフルーツなどの爽やかな柑橘類に、リンゴやラフランスのフルーティさ、バタートーストのような芳しさに、蜂蜜の上品な甘やかさも感じられます。
【味わい】
柑橘類やリンゴにパイナップルを思わせるリッチな果実味が広がり、上品な蜜の甘味も感じられます。
豊富な泡と美しい酸味が引き締め、凛としたミネラルも持ち合わせる味わいは、リッチさと同時に上品さも表現しており、適度なコクは味わいに奥行きを持たせ、豊かな果実感やバタートーストのような芳しさを伴った余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【4℃~10℃】
よく冷やせば酸味が際立ちキレのある爽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば豊かな風味が広がり、ふくらみのある味わいになります。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
購入からおよそ2年以内
フレッシュさやふくらみのある果実感を楽しむワインです。
長く熟成させるとフレッシュな風味は弱まり、どこか枯れた印象の味わいに変化してしまいます。
《適正グラス》
【フルート型グラス】
美しい泡立ちを見れますし、温度も上がりにくいように設計されています。
スパークリングワインの華やかさは、グラスの美しい外観によってさらに引き立ちます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
アワビバター
車エビの天ぷら
など、ほどよいコクのある料理との相性が良いですが、爽快な泡は口の中をサッパリさせる効果もあるので、どのような料理にも適応する万能性があります。
また、シュワッとした飲み口はサクッとした食感とも相性が良いので、天ぷらなどの揚げ物との相性も良いですね。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
スッキリ系の泡というよりは、ふくらみのあるリッチ系の泡を求める方におすすめしたいクレマンです。
価格以上の価値を感じる方も多く、万人受けしやすい品質ですから、ちょっとしたプレゼントや気分転換などにも適した優れ者と言えます。
《こんな場合には不適切!?》
リッチさよりもスッキリとした品質を求める方には向かない可能性もあります。
とは言え、しつこい甘さやリッチさではありませんから、試してみる価値はあるのでは?とも同時に思います。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「気持ち泡が荒いのが気になるかな。それを差し引いてもコスパ良いけどね。」
「まあ、良くできた泡ですが、お値段もそれなりにお高いのですね。」
【良い口コミ】
「私の経験上最高のクレマン。これだけの品質だとシャンパーニュの意義が問われる(笑)。柔らかで爽やか、そして透明感に蜜の上品な甘味。2日目はさらに美味しくなって大変満足できる品質でした。」
「柑橘類にリンゴや蜂蜜にホワイトペッパーなどの香り。生き生きとした果実味で、少しの甘味にミネラルや旨味をしっかりと感じますが、酸味の切れ味が良いので辛口な印象で締めくくります。温度上昇でバタートーストのような芳しさも現れ、素直に美味しいと思えました。」
「予想以上の美味しさ。クレマンでもこんなにふくよかで美味しいのがあるんですね~🎵」
「濃い目のゴールド。リンゴにバタートーストの芳香性。ふくよかな味わいに塩っぽいミネラル感。こりゃシャンパーニュだよって言われたら、そうですねって言っちゃうやつです。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 57%
普通 43%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
ふくらみのあるリッチな傾向のスパークリングワインで、驚くほどの品質ではありませんが、否定的な口コミもほぼゼロで、高い確率で飲み手を納得させている事が印象に残りました。
シャンパーニュと間違えてしまいそうとコメントされる方もいるという事で、クレマン・ド・ブルゴーニュの中でも頭一つ抜けている事がわかる結果となりました。
以上です。
いかがでしたでしょうか。
ミクルスキはボトルデザインもモダンでオシャレ、まさに新世代という感じも魅力の一つです。
選択肢の一つにこのワインを持っておくことは間違っていません。
そもそもここまで読み進める方は既に選択肢に入っているのでしょうが。(笑)
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント