安旨ワインの生産者を語る時、ジャン クロード マスを挙げる人も少なくないでしょう。
「手軽で高品質なワインを生むこと」を目指すマス氏のラインナップは、どれもコスパに優れ人気。ここでは特に口コミ(vinica)満足度が高いワインで、白ワインの中では最も満足度が高いと感じた銘柄を紹介します。
ドメーヌ最上の完成度を示すクラスIIIと、バリック(樽)を意味するBをあわせてIIIB(トワベー)の名がつけられたワイン。この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》 ジャン クロード マス トワベー エ オウモウ ブラン
《価格》
【1800円前後】
《ブドウ品種》
・シャルドネ
・モーザック
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ラングドック ルーション地方>リムー
《生産者》 ジャン クロード マス
1892年。ラングドック地方のカルカッソンヌ近郊ペセナスでブドウ栽培を開始したマス家。
3代目のポール マス氏が規模を拡大し、2020年現在、4代目のジャン クロードとミシェル兄弟がワイナリーを運営しています。ジャン クロード氏は「手軽で高品質なワインを生むこと」にこだわり、先代のワイン造りとは大きく異なるスタイルを確立。フランスとイギリスのビジネススクールで学んだ同氏は、伝統と最新技術そして商業的な視点も組み合わせることで、そのこだわりを実現させました。評価も非常に高い生産者で、数えきれないほどの受賞歴がありますが、その代表は以下の通りです。
・フランスの明日を担うニュー ウェーヴ オブ ザ ワイン30(仏L’EXPRESS誌)
・ワイナリー オブ ザ イヤー(英ガーディアン紙)
・最優秀国際起業家(米アーンスト&ヤング)今回紹介しているトワベー エ オウモウ ブランは、
・サクラワインアワード2016で金賞
・リアルワインガイド誌28号で「RWG史上、全旨安ワインのトップ!恐るべき高品質」と掲載
など、輝かしい実績を持っています。
《味わいの特徴》
豊潤な果実味と樽感
バランスも兼ね備えた
コスパワイン
このワインの特徴は、南国果実を思わせる豊潤な果実味に、樽に由来する優しいバニラの風味が一層リッチさを引き立てる味わいにありますが、適度な酸が引き締めることでバランスも整っています。
適度なコクも感じられるため決して味わいは単調ではなく、そのようなボリューム感と奥深さのある白ワインが比較的手頃な価格である事も、嬉しい特徴と言えるでしょう。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■オーナーの意識■
「期待通りでないワインは決してボトリングしない」
これはジャン クロード マス氏の言葉であり、手軽なワインだからといって、決して妥協しない姿勢が垣間見えます。コスパが良い理由の根底にはこの信念があるのでしょう。
■ラングドックのテロワール■
豊富な日照と温暖な気候はブドウの熟度を高め、シャルドネの肉厚な果実味を感じられます。
■リュット レゾネ■
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット レゾネ)を実践。微生物などの働きも加わった健全で成分豊かな土壌のエキスを吸い上げたブドウは、土地の特徴を反映したピュアなワインを生みます。
■マロラクティック醗酵をする■
生き生きとした酸味を持つリンゴ酸を、まろやかな酸味を持つ乳酸に変化させる発酵をマロラクティック発酵と呼びます。
スッキリ軽快な白ワインを目指す場合、この発酵を行わない場合も多いのですが、このワインの場合マロラクティック発酵を行うことでまろやかさが表現されています。
■樽発酵と樽熟成■
ステンレスではなくオーク樽で発酵そして熟成が行われるワインで、樽に由来する優しいバニラの風味が感じられます。
【外観】
明るいレモンイエロー
【香り】
パイナップルや黄桃など熟した南国果実の豊かな香りに、柑橘類の爽やかさも微かに感じられ、柔らかなバニラの香りも芳醇さを引き立てます。
【味わい】
粘性のある質感はしなやかな飲み口で、凝縮感のある果実味と旨味が広がり、樽に由来するバニラの風味はリッチさを引き立てます。適度な酸が味わいのバランスを整えると、果実や樽の風味を残した余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実や樽の風味などが広がる味わいが楽しめます。
冷やし気味から徐々に温度を上げていく飲み方もおすすめです。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向から推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選択すれば、軽快な飲み口。
香りが取りやすく、温度も上がりやすいシャルドネグラスを選択すれば、風味豊かでボリューム感のある味わいを楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
グラタン各種
エビのアヒージョ
など、厚みのある味わいと樽の風味を持ったこのワインには、オイル、バター、チーズ、生クリームなどを使用したコクのある料理との相性が良いでしょう。
逆に、刺身や繊細な出汁の味わいを楽しむような料理には、ワインの豊かな風味が料理の風味を感じにくくさせるため、合わせにくいとも言えます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
白ワインはスッキリ軽やかなのが良いかな。この手のワインが苦手になりつつあります。
樽感強め。品質自体は厚みがあって悪くありませんが、繊細な魚介料理には合わせたくないかな。
【良い口コミ】
輝くイエローの液体。パイナップルを思わせる完熟果実の香りに、レモンのフレッシュ感も少々。膨らみのある果実味は程良いボリューム感で、適度な酸と少しの苦味が味わいをまとめ、バランスを整えます。余韻に残る樽感も強すぎず、エレガントさも感じられる綺麗なワインですね!
これは中々のコスパワイン!♪フルーティーで樽の風味も適度、僕は好きですよ!!また買うよ♪
トロミのある質感がリッチな果実味を引き立て。そのふくよかさをキレイな酸が引き締めるから、メリハリの効いたバランスの良さがあるんですね。納得の美味しさですね。
おぉ。。2000円でお釣りがくるなら絶対また買う!!なかなかの香りのボリューム感が心地よく、バニラや蜂蜜が広がりますよ!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 37%
普通 60%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
南フランスらしいリッチな果実味とよく効いた樽、適度な酸がまとめるバランスの良さが伝わってくるワインでした。
スッキリ系が好みの方や、樽が得意でない方には若干クドいと感じさせる傾向もありますが、大半の方が厚みのある味わいとバランスの良さに好感を持っている印象で、コスパの良さで大満足される方もチラホラ見られるワインでした。
マスが手掛けるワインの種類は非常に多く、どれも満足度が高い傾向ですが、特に評判が良いと感じたのがこのワインで、白ワインの中では一番おすすめできると感じた銘柄でした。
※ちなみに赤ですとコチラ
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ジャン クロード マス トワベー エ オウモウ ブランは
【価格】
1800円前後
【味】
南国果実を思わせる豊潤な果実味とコク。樽に由来する優しいバニラの風味が一層リッチさを引き立て、適度な酸が引き締めることでバランスを整える。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向から推測
【口コミ】
スッキリ系が好みの方や、樽が得意でない方には若干クドいと感じさせる傾向もあるが、大半の方が厚みのある味わいとバランスの良さに好感を持っている印象。コスパの良さで大満足される方もチラホラ見られる。
マスの白ワインの中では、最も満足度が高いと感じた。
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