ポール・ペルノ・エ・セ・フィス バタール・モンラッシェ グラン・クリュ

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ピュリニー・モンラッシェを代表する生産者は?

この質問の答えにルフレーヴを挙げる方は多く、人気・実力共に否定する要素も無く、私もその意見に賛同します。

しかし、時代は常に変化するもの。

「ピュリニーの王座をルフレーヴと争うドメーヌになるだろう」

ブルゴーニュワインの専門家マット・クレイマー氏がそう評している生産者がいます。

ポール・ぺルノ

1850年創業の歴史ある生産者であり、現時点(2020年)ではルフレーブやソゼに次いでピュリニー・モンラッシェを代表する生産者として知られています。

現在は創業者の孫にあたるポール・ぺルノ氏とその息子達によって運営され、看板ワインであるバタール・モンラッシェを軸にいくつかのラインナップが生産されています。

前述のマット・クレイマー氏は、

「ポール・ペルノを凌ぐバタール・モンラッシェは思い当たらない」

とも評しており、今回紹介するワインこそがそのバタール・モンラッシェというわけです。

とは言え私が紹介するワインは、あくまで一般消費者の皆様が満足しているもの。

数あるバタール・モンラッシェのワインの中で、日本の多くの一般消費者の方々に飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、ソゼと並んで際立つ存在感を放っていたのがポール・ベルノであり、価格も考慮した場合、ルフレーヴを僅かに凌いでいるのではないかと、勝手ながらに感じました。(あくまで個人的見解です)

秀逸な白ワインのグランクリュを選ぶ時は、このワインを候補に入れておくべきなのかもしれません。

《ワイン名》 ポール・ペルノ バタール・モンラッシェ

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《価格》

3,2~4,2万円

《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ>ピュリニー・モンラッシェ>バタール・モンラッシェ
《生産者》  ドメーヌ ポール・ペルノー・エ・セ・フィス

《特徴》

濃厚で柔らかく優雅
バタール・モンラッシェ
代表格

このワインの特徴は、非常にボリューム感のある肉厚な品質と柔らかな質感にあり、豊潤な果実感を支えるミネラルや美しい酸味はバランスを整え、品格ある優雅さを表現しており、その品質は数ある生産者が生み出すバタール・モンラッシェの中でもトップクラスの評価を得ています。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

最上のテロワール
世界で最高峰の白ワインを生む畑であり、気候や土壌などシャルドネにとって最高のテロワール(ブドウを取り巻く自然環境の全て)が整っています。
隣接するモンラッシェに比べると、肉厚でコクが深く丸みのある味わいが特徴的なバタール・モンラッシェです。

自然派農法
農薬や化学肥料は使用しない事で、微生物の働きなども加わった健全で成分豊かな土壌が育ち、その豊富な成分を吸い上げたブドウは、バタール・モンラッシェのリッチな特徴を反映した、肉厚かつピュアなワインを生む果実を実らせます。

収量制限
ブドウの収穫量をあえて制限することで、残された果実に成分が集中し、凝縮感溢れるブドウが育ちます

新樽50%
樽のニュアンスが反映しやすい新樽の使用比率は50%。ブドウの繊細なニュアンスも感じられつつ、樽の優しいニュアンスも感じられるワインを生んでいます。

 

【外観】
輝くレモンゴールド
熟成が進むほど濃いゴールド、そして琥珀色へと変化していきます。

【香り】
グレープフルーツの爽やかさに桃やアンズなどのフルーティな香り、ナッツ類や樽に由来するバニラの優しいニュアンスに蜂蜜の甘やかさ、ミネラルを予感させる金属や石灰のニュアンスも加わり、品格と優雅さを感じる香りが広がります。

熟成するほど円熟を思わせる黄桃やバターのニュアンスが強まり、甘露で魅惑的なニュアンスが優雅に広がっていきます。

【味わい】
柑橘類や白桃などの凝縮された肉厚な果実味と蜜の甘やかさ、そしてしなやかで柔らかな質感が優雅でリッチな味わいを表現し、豊富なミネラルと美しい酸味は品格と美しさを表現。心地よい樽の風味も味わいに複雑性を与え、それらの要素が高次元で溶け合った味わいはリッチでありエレガント、長い余韻は至福のひとときを与えてくれます。

熟成するほど黄桃やアンズなどの熟した果実に蜂蜜などの魅惑的な甘やかさが強まり、酸やミネラルなどの成分が溶け合う事で、混然一体となった角の無い品質になり、樽に由来するバニラやバターの風味も加わった妖艶な余韻がいつまでも続きます。

《飲む時の適正温度》

8℃14℃
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさのある飲み口になります。

温度を上げるほどボリューム感ある風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~25年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。

一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1989年 5
1990年 4
1991年 2
1992年 4
1993年 2
1994年 
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 2
1999年 3
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 2
2004年 4
2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 
2015年 3
2016年 4
2017年 5

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《適正グラス》

【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


白身魚のソテーをバタークリームソースで


ラムチョップをレモンバターソースで

など、コクのある料理などと合わせることで、ボリューム感溢れる風味とコクの広がる優雅なマリアージュを楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


《こんな場合におすすめ》

ピュリニー・モンラッシェを代表する生産者のグランクリュであり、品質・品格共に十分のワインです。

特別感のあるリッチな味わいは場面を優雅に彩り、ルフレーヴでもソゼでもなくポール・ぺルノという選択は、ワイン好きのあの方へのプレゼント選んでも、知的好奇心を擽る絶妙な選択となり得るかもしれません。

 

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「柔らかな質感で心地よいのですが、香りや果実感はやや弱く閉じた印象。時間経過で開きかけましたが・・また閉じました。8年熟成の09はポテンシャルは感じるものの、グランクリュの気難しさも感じました。」


「13年熟成の05は格別の品質で素晴らしい、欲を言えば、もう少し時間を置いてミネラル由来の甘味を引き出してみても良かったのかもしれない。」

良い口コミ

「あ~この外観。色合いと粘性、そして香りのボリューム感。飲まなくてもわかります。これは只者ではない事を。コルトン・シャルルマーニュとの贅沢な飲み比べですが、同じシャルドネとは思えないほど違います。このバタールは芳醇であり、蜂蜜やバターを連想させる魅惑的な味わい。11年熟成の06は幸せな時間をくれました。」


「3年熟成の2014という事で、グランクリュにしては早すぎると言われそうな早飲みだ。ところが硬さは予想外にほぐれており、非常に近寄りやすい品質。モンラッシェらしい鉄っぽさや火薬っぽさ、ヨーグルト系の香りが溢れている。近頃はグランクリュであっても早飲みできるように仕上げるんだねぇ。」


「15年熟成の03は芳ばしいトーストに蜂蜜、熟成を思わせるブランデーのニュアンス。時間が経つほどにどんどん開いていき、2時間経過でカスタードや栗甘露のような甘やかさが広がります。トロリとした質感に美しい酸。やっぱりぺルノ―はいいですね。」


「ポール・ぺルノといえばバタールと聞いていたし、良い噂を聞いていたからね。なるほど、納得の品質。濃密でパワーがあり素晴らしい。11年熟成の07は個人的にもかなり好みだね。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると

感動的!!    31%
美味しい     66%
普通        3%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

非常に経験豊かなブルゴーニュラバーの方々をこのワインを選んでおり、その肉厚でリッチな品質に、かなり高いレベルで満足している印象でした。

以前は開くまでに時間がかかる造りをしていたようですが、近年(およそ2010年以降)は早飲みでも十分に適応する品質に仕上げる傾向があるようで、熟度の高いブドウによるボリューミーな味わいに魅了された方々が多数見受けられました。

DRC、ソゼ、ルフレーヴ、ラモネといった、超一流生産者の突き抜けたグランクリュと比較すればやや劣るのかもしれませんが、それでも十分に優れたグランクリュである事が伝わりましたし、価格の面も考慮すれば必ず候補に入れるべき優れたワインだと感じる結果となりました。

 

以上です。

ポール・ぺルノのリッチなバタール・モンラッシェのイメージは広がりましたでしょうか。

ムルソーではバターフィールドを紹介しましたが、バターだけにコッテリ系の品質でした。

今回のバタール・モンラッシェのも5つあるモンラッシェ系グランクリュの中では最も果実の肉厚感が強く、コッテリ系といえるでしょう。

バターだけに・・。

たまたまかもしれませんが、フランスでバターが付いたら肉厚でコッテリタイプと知っておくといいかもしれません。

そんな事はさておき、モンラッシェのグランクリュ系のワインの中でも特に肉厚で評判も良く、そして比較的お値打ちなところも嬉しいワインです。

並の白ワインとは違った妖艶で優雅なワインであり、新たなワインの世界へ誘う力を秘めているワインと言えるのではないでしょうか。

ですから魅惑の扉を開けるのが怖い方は飲んではいけません!!

はい・・。言い過ぎました。。

あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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