「ミュスカデを飲みたいんだけど、どれを選べばいい?」
こう聞かれた時、私はこのワインを第一候補に挙げるでしょう。
なぜならミュスカデにおいては最も多くの消費者に好感を与えている印象を受けたのがこのワインであり、ミュスカデらしい瑞々しさや軽快さはありますが、決して薄っぺらいわけでもない味わいは、おすすめできる品質だと感じたからです。
この記事を最後まで読み進めていただくことが、良質なミュスカデを味覚と脳で楽しんでいただくための一助になればうれしく思います。
《ワイン名》 ポワロン ダバン ミュスカデ セーヴル エ メーヌ ヴィエイユ ヴィーニュ
さて、私は多くの生産者が手掛けるミュスカデの中で、日本の消費者の皆様に評判が良い人気ワインはどれかという好奇心のもと、信頼できる口コミを見られるVinicaを利用して調べてみました。
その結果日本でも購入可能な約30の主要生産者の中でも特に評判が高いと感じたのは、
・ドメーヌ デ コニェット
・ポワロン ダバン
この2つの生産者でしたが、特に今回紹介するポワロン・ダバンは満足感が高い印象で、個人的には最も期待できるミュスカデではないかと感じました。
その他にも上記の2つの生産者には僅かに口コミの印象は劣るものの、ミシェル デルオモ、シャトー ド ラゴディエ―ル、ドメーヌ デュ ムーラン カミュ、ドメーヌ ド ラ フォリエット、カーヴ デュ シャトー ド ラ モランディエ―ル、ドメーヌ ランドロン、ドメーヌ デュ シャトレ、ギィ サジェ、ドメーヌ マルタン、なども良質なミュスカデを生産している印象を持ったこともお知らせさせていただきます。
《価格》
【1500円前後】
《ブドウ品種》ミュスカデ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ロワール地方>ペイ・ナンテ地区
《生産者》 ポワロン ダバン
ドメーヌ・ポワロン・ダバン1962年にジャン・ポワロンと妻のテレーズ・ダバンによって設立され、ナントから南へ15kmの小さな村シャトー・テボーに本拠地を置く75haを所有する大ドメーヌ。
2020年現在は、その息子たちジャン・ミッシェルとローランによって引継がれており、フランスで最も歴史があり、発行部数の多いワイン評価誌【ギド・アシェット】で何度も掲載され、同誌の最高評価であるク・ド・クール(最も心に残るワイン)を獲得した事もある1流生産者。
《味わいの特徴》
爽快感・透明感・厚み
を持ち合わせた
心地よいカジュアルワイン
このワインの特徴は、奥深い味わいや複雑性はそれほどなく、透明感のあるピュアな果実味を爽快な酸が引き締める軽快な味わいにありますが、決して薄っぺらいわけでもなく、適度な厚みを持った果実味やコクはバランスの良い味わいを表現しています。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ミュスカデの特徴■
このワインに使用されるミュスカデは、色、香り、味わい共に淡く、酸味が強くサッパリしている事が特徴的な白ブドウです。
そのため、そのような味わい傾向はありますが、シュール・リーを行う事で味わいに適度なコクも感じられるワインに仕上げられています。
■リュット・レゾネ■
極力農薬や化学肥料は使用しないリュット・レゾネ(減農薬農法)を実践しており、その効果で、土地の酵母をはじめとする様々な微生物などの働きも加わった、健全で成分豊かな土壌が育まれます。
そのような土壌で育つことで、土地の成分を吸い上げた上質な果実が得られるのです。
■ヴィエイユ・ヴィーニュ■
平均樹齢45年のヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)のブドウを使用しています。
古木は若い樹に比べて土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、成分の充実した上質な果実を実らせる特徴があります。
以上の理由が重なる事で、軽い味わい傾向のミュスカデにおいても、適度な厚みのある果実味やコクを持ったワインが誕生するわけです。
【外観】
グリーンがかったレモンゴールド
【香り】
レモンなどの柑橘類やマスカットの爽やかさに、青リンゴや白桃を思わせるフルーティーさが繊細に広がり、時間経過でハチミツを思わせる上品な香りも感じられます。
【味わい】
瑞々しくピュアな果実味はスッと飲めるような軽快さがあり、適度なコクは味わいに厚みを与え、キレの良い酸味が味わいを引き締めた後、ほんのり蜜の甘味や爽やかさを残した余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~10℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象になり、フルーティな味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約2年~5年
若々しいフレッシュでフルーティーな味わいが魅力的なワインで、長期熟成は不向きなワインと言えます。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快でキレの良い味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のタタキをレモンと塩で
ピザ全般
など、比較的繊細な味わいを持った料理やカジュアルな料理に合わせると良いでしょう。
フレッシュでキレの良い酸味に、適度な果実味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て楽しいマリアージュになるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
2年熟成の2015はちょっとトゲトゲしい感じがするかな。いまいち。。。
【良い口コミ】
2年熟成の2015は、ミュスカデらしからぬふくよかな味わいで良いと思います。
2年熟成の2017は、柑橘類や青リンゴに石灰を思わせる風味で軽快さがある。ほんのり甘味と爽快な酸に少しの苦味、そして適度なコクを持った味わいはシンプルではあるが厚みもあるね。時間経過でハチミツのようなニュアンスも出てきて、価格も考慮すれば賞賛すべきワインと言わざるをえない。
3年熟成の2015はミュスカデらしからぬ凝縮感のある旨味があり、塩気や苦味を残したような後口に魅了されます💛鶏肉料理なんかに会いそうで、とってもお気に入りの一本です。
4年熟成の2015はフルーティーでハーブの爽やかさがある香りに蜜のニュアンスも加わる。瑞々しい飲み口はやや軽快で、豊かな酸が爽やかさを表現。温度上昇と共に蜜感は増してきます。とてもクリアーな味わいで、1500円ならば十分納得できる良いワインだと思います。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 17%
普通 73%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
若干粗さを感じて低評価をされた方以外は、価格も考慮すれば満足度の高いワインだと感じている方が多く、サッパリした傾向のミュスカデにおいては中々厚みもある点も印象に残るものでした。
今回調べた約30のミュスカデ生産者の中では、ドメーヌ デ コニェットも良かったですが、このポワロン ダバンのミュスカデが最も高い満足感を与えている印象を個人的には感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ポワロン ダバン ミュスカデ セーヴル エ メーヌ ヴィエイユ ヴィーニュは
【価格】
およそ1500円
【味】
爽快感・透明感・厚みを持ち合わせた、心地よいカジュアルワイン
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約2年~5年
【口コミ】
価格も考慮すれば満足度の高いワインだと感じている方が多く、サッパリした傾向のミュスカデにおいては中々厚みもあり、全てのミュスカデの中でも最も高い満足感を与えている印象を感じた。
いかがでしたでしょうか。
スッキリサッパリしたミュスカデは薄っぺらくて嫌だという方は、このワインを飲んでからもい一度そう思うのかを検証しても良いのかもしれんせん。
これもダメということであれば、ミュスカデにはもう手を出さない方が良いのかもしれませんね。
とは言え、軽いワインがあるから重いワインの良さがわかるのであり、苦手な味があるからこそ好きな味がわかるのだとも思います。
もし全部美味しかったら、それはもう全部普通ということになりますからね。
さて、
この話。
どのようにまとめましょう。
みんな違ってみんないい。ポジティブシンキングでお願いします!!
でしょうか。。。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなることをお祈りしております。
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