ニュージーランド赤ワインの最高峰。
ニュージーランドの赤と言えば、私を含めてピノノワールという方も多いと思いますが、最も高額で取引されるのはピノではありませんでした。
調べる限りカベルネソーヴィニヨン、メルロー、シラーなどから造られる銘柄が最も高額で高品質。
その中でも多くの人に選ばれ口コミ満足度が高いと感じたのがプロヴィダンスでした。
※デスティニー ベイはさらに高額で凄そうですが、口コミ量が少なすぎました。。。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》プロヴィダンス マタカナ プライベート リザーヴ
《価格と基本情報》
【2万前後】
《ブドウ品種》
・カベルネフラン
・メルロー
・マルベック
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 ニュージーランド>オークランド
《生産者》 プロヴィダンス ワインズ
プロヴィダンス ワインズはニュージーランド最高の赤ワイン生産者のひとつ。
オーナーのジェイムズ ヴルティッチ氏の本業は弁護士ですが、ボルドーのサンテミリオンのワインが大好きで、過去最高評価のシュヴァル ブラン1947を14回も飲むほど。
そんなヴルティッチ氏が趣味でワイン造りを始めるようになり、ファーストヴィンテージは1993年。偉大なシュヴァル ブランへの憧れが反映されたワインを造るようになり、遂には1996のミュンヘンでのブラインドテイスティングで、ぺトリュス1990年やシュヴァル ブラン1990年を抑えてに1位を獲得。
それをキッカケに名が世界中に知れわたり、現在でもニュージーランドトップクラスの赤ワイン生産者の地位を守り続けています。
《味わいの特徴》
複雑で優美
バランス感覚に優れた
ニュージーランド最高峰
【外観】
深みのあるルビーレッド
熟成するほどレンガ色に近づく
【香り】
カシスやブラックベリーなど円熟した果実。ドライフラワーやレーズンのような乾いたニュアンス。樽に由来するバニラ、コーヒー、オリエンタルスパイスのニュアンスも加わり、複雑で優美な芳香が豊に広がります。
【味わい】
深いコクを伴った豊潤な果実味は豊富でシルクのように滑らかなタンニンと相まって綿密な飲み口。上品な酸味が味わいを適度に引き締めるバランスも良く、複雑な風味や深いコクを残した長い余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■目指す品質■
カベルネフランの頂点であり、世界でも屈指の赤ワインとして名高いシャトー シュヴァル ブラン。
プロヴィダンスのオーナーのジェイムズ ヴルティッチ氏は大のシュヴァル ブランのファンであり、深遠で優美なシュヴァルブランを目標としており、その憧れが最も反映されるのがマタカナ プライベート リザーヴです。
■栽培環境■
ブドウ畑があるマタカナは赤ワイン用のブドウにとって理想的な栽培環境があり、その一例は以下の通りです。
・《日照の長さ》はブドウの熟度を高め豊潤な果実味をもたらす。
・《降水量が少ない》ためブドウは水分が渇望し、種の保存のために果実に栄養を送り込むため、成分の充実したブドウが生まれます。
・さらに《水はけの良い土壌》であるため、ブドウは水分を得るために地中深くまで根を伸ばす必要があり、その結果ミネラル豊富な地下水を吸い上げることでエキス感たっぷりのブドウが育ちます。
・《昼夜の寒暖差》が大きい産地で、温暖さが豊潤な果実味をもたらすと同時に夜の冷え込みが綺麗な酸をもたらします。また、寒暖差は香り高いブドウが生まれる要因にもなっています。
■オーガニック栽培と醸造■
農薬や化学肥料を一切使用しないオーガニックな栽培を実践しています。
土地の天然酵母など、様々な微生物などの働きが加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、そのエキスを吸い上げたブドウはピュアで滋味深いワインを生みます。
醸造においても人工的に培養された酵母ではなく天然酵母の力だけで発酵させており、さらに酸化防止剤も一切使用しないことでより土地の個性が反映されたピュアなワインが誕生します。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオークの新樽で24ヶ月間熟成されます。
古樽に比べ樽の風味が反映しやすいのが新樽で、葉巻、バニラ、コーヒー、スパイスといった樽の心地よい風味が感じられます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち、引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、凝縮された果実味や複雑な風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れるでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのポワレ
和牛すき焼き
など、上質で深いコクのある料理との相性が良く、充実したワインの味わいが料理と溶け合い互いを引き立てます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
6年熟成の2010は臭くて飲めない。3日経過して何とか飲めるくらいにはなったけどダメには変わりない。高額なのに劣化してて悔しすぎる!!
好きな銘柄でリピートなんですけどね。21年熟成の1997は枯れた印象でイマイチ。劣化防止効果のあるSo2無添加だからボトル差が出てしまうのでしょうか?
デスティニー ベイの後では平凡なワインに感じてしまった。結構な値段なんだけどね。。。
【良い口コミ】
2010VTも濃厚かつまろやかで美味しかったですが、続けて飲んだ10年熟成の2006VTはさらに衝撃的な美味しさ!♪この感動はペトリュスの時と似てるかも。
17年熟成の2003は酸化と殺菌効果のあるSO2を添加してない事もあり、あんまり期待してなかったけど華やかで素晴らしかった!!ニュージーランドも侮れませんね。
めちゃ美味しいワインだという事は僕にもわかる。ニュージーランドのイメージには無い味わいでボルドーの雰囲気がありますね。
15年の熟成を経た2005はシュヴァルブランには及ばずとも、複雑性では平均的な右岸ボルドー達よりは優れるかもしれない。お値段を考慮すれば素晴らしい銘柄だと思います!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 23%
美味しい 57%
普通 17%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常にハイレベルな味わいへの満足度の高い銘柄だと感じました。
ただし劣化防止効果のあるSO2無添加の影響もあるのかボトル差もある印象で、残念な思いをされた方も稀に見られました。
とは言え健全なボトルが大半で、感動あるいはそれに近い満足感を得ている方がとても多い傾向です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
プロヴィダンス マタカナ プライベート リザーヴは
【価格】
2万前後
【味】
果実や樽の風味が重なった複雑で優美な芳香。
深いコクを伴った豊潤な果実味は豊富でシルクのように滑らかなタンニンと相まって綿密な飲み口。
上品な酸味が味わいを適度に引き締めるバランスも良く、複雑な風味や深いコクを残した長い余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
非常にハイレベルな味わいへの満足度の高い銘柄。
ただし劣化防止効果のあるSO2無添加の影響もあるのかボトル差もある印象で、残念な思いをされた方も稀に見られた。
とは言え健全なボトルが大半で、感動あるいはそれに近い満足感を得ている方がとても多い傾向。
以上です。
プロヴィダンスは野球の桑田さんとの縁もあるようで、サイン入りボトルも出回るほどのお付き合いのようです。
※関西では逆にサイン入りが売れ残るとか。。。
さておき、かなりハイクオリティな赤ワインですから、ちょっと珍しい上級ワインとしてプレゼント用などにも活躍してくれると感じています。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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