稀に見る口コミ満足度の高い赤ワイン。
凝縮感ある味わいながらスルスル飲めるような心地よい飲み口で万人受けが良い印象です。
カサ―レヴェッキオやチンクアンタにも共通するような口当たりの良さがある印象で、陽気で上質なイタリアワインを楽しみたい方にピッタリの銘柄だと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ヴェレノージ ロッジョ デル フィラーレ
《価格》
【3700前後】
《ブドウ品種》
・モンテプルチアーノ70%
・サンジョベーゼ30%
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>マルケ州
《生産者》 ヴェレノージ
ヴェレノージはマルケ州を代表するコスパワイン生産者。 1984年にエルコレ ヴェレノージ氏と妻のアンジェラ女史によって設立された比較的新しいワイナリーで、設立当時ワイン造りの知識も資金もなく、昼は畑とセラーで働き夜はワイン造りの勉強をしていたとのことです。
ヴェレノージ夫妻の情熱と努力によって成長したワイナリーは、当初9haだった畑も2021年現在では約300haを管理するまでに規模を拡大。
イタリアの名高いガイドブック「ガンベロロッソ」でも毎年のように高評価を獲得するようになり、マルケ州を代表するワイナリーになりました。 今回紹介しているロッジョ デル フィラーレはヴェレノージを代表する銘柄です。
日本のワイン漫画「神の雫」でも紹介され、そのコスパの良さも手伝って大ブレイク。
ワイン誌などでも非常に高く評価されており、その一例は以下の通りです。
イタリアを代表するガイドブック「ガンベロロッソ」で、最高賞トレビッキエリを2017ヴィンテージ時点で過去17年間で16度獲得。
2017ヴィンテージは「ルカマローニ」で97点、「ジェームズ サックリング」で93点。
※他多数の受賞歴あり。
《味わいの特徴》
重厚で親しみやすく
バランスが良いコスパワイン
このワインの特徴は、深みのある旨味を伴った凝縮感ある果実味が広がる親しみやすさがあり、豊富でシルキーなタンニンと適度な酸、そして樽の風味とのバランスも良いところです。
【外観】
ガーネットを帯びた深く濃いルビーレッド
【香り】
プルーンやカシスなど円熟した果実の豊潤な香りにレーズンのようなドライフルーツのニュアンス。樽に由来するバニラやオリエンタルスパイスの風味も上品に広がり複雑さがあります。
【味わい】
凝縮感ある果実味は深みのある旨味があり、豊富でシルキーなタンニンも加わり飲み応えのある味わい。洗練されたブドウのピュアで雑味の無い味わいは濃厚ながらクドさの無い飲み口で、適度な酸が味わいを上品にまとめると、心地よい旨味や複雑な風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
70%使用されるモンテプルチアーノ種は、濃く深い色合いで果実味豊、ほどよい酸とタンニンがあるワインを生む傾向。
30%使用されるサンジョベーゼは、スミレやチェリーを思わせるフレッシュな香りを持ち、味わいも豊富な酸とフレッシュな果実味を持ったワインを生む傾向。
以上の2種がブレンドされることで、ボリューム感と上品さを両立したワインが生まれます。
■優れた立地条件■
DOCであるロッソピチェーノの中でも特に優れた土壌で、「スペリオーレ」に指定される地区のブドウから造られるワインです。
深みのある味わいで成分も充実しており、長期熟成にも耐えるワインが生まれます。
■樹齢の高さ■
平均樹齢約50年の古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)のブドウが使用されます。
若い樹に比べ土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウを実らせるのが古木の特徴です。
■収量制限■
剪定や間引きなどで収穫量はあえて抑えます。
残された良質なブドウに成分が集中することで凝縮感溢れるワインが生まれます。
■樽熟成■
厳しい選別をクリアしたブドウはステンレスタンクでアルコール発酵した後、新樽の小樽(バリック)で18ヶ月熟成されます。
樽の風味を反映しやすいのは、
新樽>古樽
小樽>大樽
で、樽の風味をしっかりと効かせますが、ブドウの充実した風味とのバランスが保たれており、樽に由来するバニラやオリエンタルスパイスの上品な芳香が広がります。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸や凛としたミネラルが際立ち引き締まった印象。エレガントな飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のあるリッチな味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
マルケ州のヴィンテージチャートは不明ですが、イタリアを代表するガイドブック「ガンベロロッソ」でほぼ毎年(17年間で16回)最高賞トレビッキエリを獲得している銘柄です。
安定して素晴らしい品質を維持しており、全てのヴィンテージが当り年といっても過言ではないでしょう。
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいをバランス良く感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのポワレ
和牛すき焼き
など、コクのある料理との相性が良く、ジューシーでバランス良いワインの味わいが料理と溶け合い、互いを引き立て合います。
また、ワイン単体でも十分に楽しめる存在感がありますが、塩味の強いブルーチーズと合わせるとワインの甘美さが際立ち、より互いの味わいを引き立てます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
悪くはないけど、成分が溶け合い若干こなれた感じが出てきた頃のワインが好きな私には、4年熟成の2016はまだ早い印象。あと5年は待つべきかな。
【良い口コミ】
すっごいパワフルだけど酸やタンニンのバランスも良く、良いブドウ使ってるんだなぁ~ってわかる味。5年熟成の2016は素晴らしいコスパワイン♪
4年熟成の2017は高いアルコール感もあり濃厚なフルボディなんだけど、スルスル飲める上品さもあるんですね!
いや、久しぶりに飲んだけど同価格帯ではやはりトップクラスでは!?6年熟成の2014も素晴らしく、安定感抜群の銘酒です!!
2010は11年の熟成でタンニンも絹のような滑らかさ。果実味も奥行きある味わいでかなり旨い。安くはないけどこれならコスパ良いです♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 67%
普通 30%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
稀に見る高い満足度。
感動こそ少ないですが、重厚かつバランス良くクドさのない飲み口への好感は非常に高く、価格も考慮すれば十分に満足できるというニュアンスの意見が非常に多い印象です。
若い段階から角が無く美味しいと感じる意見が多いですが、10年程度の熟成酒の成分が溶け合ったまとまりある味わいへの評価は高い傾向です。
濃いめの赤ワインが好きな方には、中価格帯で見逃せない銘柄と言えるでしょう。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ヴェレノージ ロッジョ デル フィラーレは
【価格】
3700前後
【味】
凝縮感ある果実味は深みのある旨味があり、豊富でシルキーなタンニンも加わり飲み応えのある味わい。
洗練されたブドウのピュアで雑味の無い味わいは濃厚ながらクドさの無い飲み口で、適度な酸が味わいを上品にまとめると、心地よい旨味や複雑な風味を残した余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
イタリアを代表するガイドブック「ガンベロロッソ」でほぼ毎年(17年間で16回)最高賞トレビッキエリを獲得している銘柄。
安定して素晴らしい品質を維持しており、全てのヴィンテージが当り年といっても過言ではない。
【口コミ】
稀に見る高い満足度。
感動こそ少ないが、重厚かつバランス良くクドさのない飲み口への好感は非常に高く、価格も考慮すれば十分に満足できるというニュアンスの意見が非常に多い。
以上です。
濃いめの赤ワインが好きな方は必ず知っておくべき銘柄だと感じました。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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