ミュジニーの白。
この記事に辿り着く方は、コート・ド・ニュイのグランクリュで唯一赤も白も認められているのがミュジニー、という事はご存知の方も多いでしょう。
村名のシャンボール・ミュジニーを名乗れるのは赤だけなのに、グランクリュでは赤・白両方OKというのはソムリエ試験の過去問にもよく出現し有名です。
??の方は、第47回 コート・ド・ニュイ地区で知識の確認もできます。
さて、ミュジニーの白の話に戻しましょう。
1993年までミュジニーの特級畑の一画にシャルドネを植えミュジニー・ブランとして特級白を生産していたヴォギュエ。
しかしそのシャルドネを植え替え、樹齢が充分でないことを理由にグラン・クリュのミュジニー・ブラン名を自ら返上してブルゴーニュ・ブランとしてリリースするようになります。
※樹齢の高い古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)は成分豊かで上質なブドウを実らせます。
そして樹齢も高くなってきたことで、再び2015ヴィンテージからミュジニー・ブランが復活したというわけです。
つまり、ヴォギュエのブルゴーニュ・ブランとミュジニー・ブランは同じ畑の同じブドウの樹から造られたワインで、樹齢の違いだけなのですね。
ですから今回の記事はミュジニー・ブランと合わせて、熟成が進んだブルゴーニュ・ブランも紹介させていただきます。
シャンボール・ミュジニーのワインで多くの方に飲まれ、そして実際に飲まれた方の口コミ評価の高いワインは何か。
それを調べてみた結果、私は自然とこのワインに辿り着きました。
因みに、ミュジニー・ブランを生産しているのはヴォギュエだけであり、ミュジニ-の白=ヴォギュエという事になります。
至極のエレガンスを感じさせる赤ワインのヴォギュエのミュジニ-は別格ですが、果たして白の味わいはどのようなものなのでしょう。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ヴォギュエ ミュジニー ブラン (ブルゴーニュ・ブラン)
《価格》
【5万~30万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
10万円前後が多い印象です。
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャンボール・ミュジニー>ミュジニー
《生産者》 ドメーヌ コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
《特徴》
類い稀なエレガンス・スケール感
唯一無二の存在
まずミュジニー・ブランは、ヴォギュエのみが生産する希少なものです。
赤ワインの土壌から造られるこのワインは、ほのかなタンニンを感じさせることも特徴的で、赤同様非常に豊かなミネラルを持つ土壌の成分を吸い上げたシャルドネは、奥深く塩気を伴うようなミネラリーさもあり、唯一無二のスケール感を持ったワインです。
そして熟成によって深まる官能的な甘味や旨味に複雑性は、比類なき妖艶さを纏った女王の品格を感じさせます。
【外観】
淡いレモンゴールド。
熟成が進むほど濃いゴールドからアンバー(琥珀)がかった色調に変化していきます。
【香り】
白い花や黄色い花のアロマに、柑橘類やラフランスの果実香、樽に由来するナッツ類のニュアンスに蜂蜜の甘やかさも感じられます。
熟成するほど円熟味を感じさせる甘やかで妖艶なニュアンスが強まり、ブランデーや果実のコンポートにトーストにバニラなどの複雑な香りが広がります。
【味わい】
洗練された果実味はボリューム感があり、ほのかなタンニンを感じさせます。
豊富なミネラルがエレガントで奥深い旨味を強調し、美しい酸味が味わいをまとめた後、いつまでも続くかのような余韻があります。
熟成が進むほど様々な成分が溶け合い一体となることで、熟した果実の甘やかさや奥深い旨味を伴った妖艶で魅惑的な味わいに成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【10℃~15℃】
低めの温度にするほど酸味が際立ちエレガントな飲み口が楽しめますし、温度を上げるほど酸味は落ち着き、豊かで複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~40年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1983年 3
1984年 1
1985年 3
1986年 3
1987年 3
1988年 3
1989年 5
1990年 4
1991年 2
1992年 4
1993年 2
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 2
1999年 3
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 2
2004年 4
2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのある中型シャルドネグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたシャルドネグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れるでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
フォアグラのバターソテー
など、上質な素材を使用しコクの深い味わいの料理と合わせる事で、奥深く複雑で官能的な風味の広がりを体感できる、至極のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「6年目の2008(ブルゴーニュ・ブラン)はまだ酸が立ちすぎているかな。時間経過で複雑味も現れて良くなったけどね。」
「2002(ブルゴーニュ・ブラン)15年物・・せっかく楽しみにしてたのに~。熱劣化~・・。」
【良い口コミ】
「遂に復活したミュジニー・ブラン2015。3年目という事で硬いのかと思いましたが、ヴィンテージの効果でしょうか、果実味豊かで柔らかな酸味で美味しい!!時間経過で現れるキャラメル・バター・焼きたてのトースト香が凄い。コントラフォンのモンラッシェとも似た甘味と柔らかさもあり、素晴らしかった。」
「27年熟成の1990(ミュジニー・ブラン)。琥珀色がかった美しいイエロー。状態大丈夫だろうか・・・香りを嗅ぐ・・よし!!ブランデーのような甘い芳香、洋ナシのコンポートにバニラの香り。リンゴやハチミツ、旨味たっぷりで一緒に飲んだ皆も黙って頷いている・・これは熟成シャルドネの完成形か・・。とにかく大満足でした!!」
「4年目の2011(ブルゴーニュ・ブラン)。グリーンがかった淡いイエロー。美しい液体がスッと入ってくる感じ。白桃やオレンジの果実味に引き締める酸は骨格を感じさせ、バニラやナッツの樽のニュアンスに旨味たっぷりのミネラリーさも素晴らしい。余韻はとにかく長いもので素晴らしく、若いのかもしれないが秀逸と言えるだろう。」
「16年熟成の2003(ブルゴーニュ・ブラン)。落ち着きのある黄金色で、シトラスやトロピカルフルーツにアーモンドの香りもあります。豊潤であり上品な酸味はまさにグランクリュ。喜びを感じざる得ない余韻は至福のひとときでした。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 36%
美味しい 40%
普通 20%
良くない 4%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
さすがヴォギュエといった印象で、口コミをされている方々もただ者ではない方ばかりの印象でした。
ブルゴーニュ・ブランの方で一部若すぎたと感じた方や、残念な熱劣化を感じた方も見えましたが、総じて言うとただ者ではないワインだという事が伝わってきました。
ただ者ではないではザックリ過ぎますか?
ただ者ではない方々を満足させる奥深いスケールを持ったこのワインは、やはりただ者ではないのでしょう。
もっと言ってしまいました。
以上です。
なんだか次元の違うワインで、非常にワイン経験豊かなレベルの高い方々がこのワインを口にし、そして魅了されています。
特別な成果を上げた時の勝利の美酒として、このようなワインを飲んでみたいものです。
最近流行りの予祝の場合は、先に飲んで祝う事で結果がついて来るようですが。
どうぞ、よかったらやってみて下さい。
私もやってみたいですが、まだ勇気が足りない・・(苦笑)
あなたはいかがでしょうか。
そんなあなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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