南西地方で最も評価され存在感があるヴィニョーブル ブリュモン。
日本の一般消費者の方々の口コミ満足度(vinica)でも目を見張るものがあり、特にシャトーモンテュスの白と赤はどちらも知るべき銘柄だと感じました。
今回紹介するガスコーニュ ブランは、シャトーモンテュスと比較してしまえば若干満足度は劣る印象です。
しかし、非常に手軽な価格に対する味わいへの口コミ満足度は高く、デイリーワインの候補に持っておきたい銘柄だと感じたため、紹介しておこうと思いました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アラン ブリュモン ガスコーニュ ブラン
《価格》
【1000~1500円】
《ブドウ品種》
・グロ マンサン
・ソーヴィニョン ブラン
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>南西地方
《生産者》 ヴィニョーブル ブリュモン
ヴィニョーブル ブリュモンは南西地方最高の生産者。
2020年現在当主であるアラン ブリュモン氏は、1979年に父からシャトー ブースカッセを継承。1980年にはシャトーモンテュスを購入します。
ボルドーの影に隠れ評価の低い産地であったマディランとガスコーニュでしたが、この地の環境に可能性を感じた同氏は、独学で試行錯誤を実践。タナとカベルネをアッサンブラージュ(混ぜる)ことを初めて行い注目を集め、その品質においても評価されはじめます。
フランスのワイン評論家ミッシェル ベタンヌ氏には、「他のアイコンと呼ばれた人々が300年かけて築いた実績を、彼はわずか30年で成し遂げてみせた」と評価されるほど。
南西地方の伝統品種であるタナを復興させ、マディランとガスコーニュをブランド化した生産者として広く知られるようになりました。
そんなヴィニョーブル ブリュモンは、1997年にフランス最高の勲章である“レジョン・ドヌール”を授与。様々なワイン誌や評論家にも高く評価されており、トム クルーズがジェット機で買い付けに来ることでも有名。多くの3ッ星レストランでも採用されています。
今回紹介しているガスコーニュ ブランは、フランスのワインコンクールであるジルベール&ガイヤールで2年連続金賞を獲得するなど、様々なワイン誌などでも高評価を得ている銘柄です。
《味わいの特徴》
フルーティーで軽快
バランス型コスパワイン
このワインの特徴は、適度な厚みを持った果実味とコクを、キレイな酸がまとめるバランスの良い味わいにあります。
また、非常に手軽な価格のワインにしては安っぽくないコスパの良さも嬉しい特徴です。
やや情報の少ないワインでしたが、そのような品質になる理由を2つ挙げます。
■品種の個性■
グロ マンサン=凝縮感のある果実の香りと味わい。しっかりとした酸味。
ソーヴィニヨン ブラン=柑橘類やハーブのような爽やかなニュアンス。
以上の2種が50%ずつブレンドされており、それぞれの個性が溶け合うことでスッキリとしながら厚みのある味わいのワインが生まれます。
■シュールリー■
アルコール発酵後、酵母の死骸である澱は除くのが通常ですが、あえて澱と共に熟成させることで澱から抽出される旨味が乗り、深みのある味わいを持ったワインになります。
この澱と共に熟成させるシュール リーという手法を採用しており、味わいに適度なコクが生まれます。
【外観】
グリーンがかった淡いレモンゴールド
【香り】
グレープフルーツなど柑橘類や青リンゴのフレッシュな香りを主体に、パイナップルやラフランスのフルーティーさも加わり、ほのかなハーブのニュアンスは爽やかさを引き立て引き立てます。
【味わい】
フレッシュでフルーティーな果実味はややドライな飲み口で中程度のボリューム感。繊細なミネラルは味わいに幅を持たせ、キレのある酸味がスッキリと味わいをまとめると、軽やかな後口を残した余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~10℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば、フルーティで豊かな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~3年
※一般的傾向や口コミから推測
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快さが増し、フレッシュでフルーティーな味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
ポテトグラタン
など、比較的繊細な味わいから程良いコクを持つ料理にマッチします。フルーティで軽快な酸味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
柑橘系の爽やかな香り。それでいて味わいはフルーティー。悪いとまではいかないが、2日目は酸が強くなりすぎちゃった印象。。。
セールだったから買ってみただけ。。良くも悪くもない日常消費型ワインだ。。
【良い口コミ】
グレープフルーツのような爽やかな香りに、黄桃のような甘い香りも垣間見える。スッキリした飲み口も心地よく。デイリーなら十分でしょ♪
安旨。リピあり。酸味の効いた料理ととっても相性が良いですね♪
フレッシュでフルーティーな香りですが、味わいはしつこさが無く、凛としたミネラルや中程度の酸味がキレの良い味わいを表現しています。
ボトルデザインも味わいも外が似合う!!真夏の暑い日にキリッと冷やして外飲みやりた~い♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 17%
普通 77%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
品格ある奥深いワインに対する口コミは、いろんな言葉で表現する事もあり長くなることが多いのですが、カジュアルでシンプルなワインはコメントは短め。このワインもカジュアルさが伝わる短めのコメントの数々でした。
気軽な価格なのに美味しいという事で、感動的評価をされる方が調べる限り1名。口に合わない印象のコメントは少し。安い割にはまあまあ美味しいと感じる方が一番多い傾向でした。
手軽なワインで奥深さは求めるものではありませんが、適度な果実感とスッキリとした飲み口はクドさがなく、フードフレンドリーな銘柄だと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アラン ブリュモン ガスコーニュ ブランは
【価格】
1000~1500円
【味】
柑橘類主体にトロピカルフルーツも加わったフレッシュでフルーティーな香りと味わい。ややドライな飲み口で中程度のボリューム感。繊細なミネラルは味わいに幅を持たせ、キレのある酸味がスッキリと味わいをまとめると、軽やかな後口を残した余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~3年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
気軽な価格なのに美味しいという事で、感動的評価をされる方が調べる限り1名。口に合わない印象のコメントは少し。安い割にはまあまあ美味しいと感じる方が一番多い傾向。
さすが南西地方を代表する生産者で、低価格帯のワインでもしっかり仕上げてくるなという印象です。
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