最安値クラスのロッソ ディ モンタルチーノながら中々好評。
口コミ(vinica)では奥深さや充実感こそありませんが、決して安っぽくもない上品な味わいへの高評価が多く、その安さに満足するコメントも少なくありませんでした。
「とりあえずロッソ ディ モンタルチーノを飲んでみたい。」
「手頃にエレガントなワインを楽しみたい。」
そんな方におすすめしたいハイコスパワインだと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ロッソ ディ モンタルチーノ マルティ ノッツィ
《価格》
【2000円前後】
《ブドウ品種》サンジョベーゼ(ブルネッロ)
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>トスカーナ州
《生産者》 マルティ ノッツィ
マルティ ノッツィは、モンタルチーノ地区でビオンディ サンティらと並んで最も古く歴史ある生産者。
1820年に設立され、オーナーであるチェザーレ カステッリ氏はブルネッロ協会の創立メンバーでもあります。 2021年現在、チェザーレ カステッリ氏の孫にあたるフェデリコ氏が中心に年々品質を向上しており、主力銘柄であるブルネッロ ディ モンタルチーノとロッソ ディ モンタルチーノはコスパの良さでも評価を集めています。
《味わいの特徴》
上品な明るさ
滋味深さを両立した
ハイコスパロッソ
このワインの特徴は、若々しい果実の明るいニュアンスがありつつ、自然な旨味や落ち着きある樽やスパイスの風味といった滋味深さも同時に感じられるところ。力強くはなくとも決して軽くもないバランス感覚に優れた上品さがあり、価格が抑えられている点も見逃せない特徴です。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ブルネッロはサンジョベーゼの別名で、厳密にはサンジョベーゼの亜種にあたるサンジョベーゼ グロッソを指します。
フレッシュで軽快な味わいを生む傾向のサンジョベーゼと比較して、サンジョベーゼ グロッソは分厚い果皮がある事からタンニンも豊富。
繊細さと力強さを両立し、長期熟成に耐えるワインを生みます。
■選別されたブドウ■
ロッソ ディ モンタルチーノはブルネッロ ディ モンタルチーノのセカンドラベル的存在です。
長期熟成に向く凝縮感あるブドウがブルネッロに使用され、その選別から外れたブドウを使用する場合が多く、法律で定められた熟成期間もブルネッロが最低50ヶ月であるのに対しロッソは最低12ヶ月です。
そのためブルネッロと比較すると複雑さ、充実感、熟成感には劣りますが、明るく若々しい味わいになる傾向があります。
■恵まれた環境■
所有する畑は、モンタルチーノの中でも好条件が整う「ヴィッラ サンタレスティトゥータ」にあります。
・標高500mの畑は日照に恵まれており、熟度を高めたブドウは豊潤な果実味をワインにもたらします。
・小石を含んだ石灰質土壌からはミネラル豊富なブドウが育ち、奥行きある味わいをワインにもたらします。
■樽の使い方■
熟成では大樽を80%。小樽(バリック)を20%使用します。
伝統的と言われる大樽は、樽の風味は適度で酸やタンニンを残す傾向。
モダン(現代的)と呼ばれる小樽は、樽の風味が反映されやすく、酸やタンニンをマイルドにする傾向。
以上の個性を組み合わせ、ブドウのピュアな風味を感じられる程度のバランスよい樽感を表現しています。
【外観】
透明感のある輝くルビーレッド
【香り】
ラズベリーやチェリーなどの赤い果実のフレッシュな香りを主体に、カシスやプルーンのような熟した果実の香りが加わり豊潤。ブラックペッパーなどのスパイスに、スモーキーな樽のニュアンスもほんのり加わります。
【味わい】
明るく豊潤な果実味は自然な甘味や旨味を伴ったミディアムボディ。中程度のタンニンは滑らかで、美しい酸と相まって繊細で上品な飲み口を表現しており、適度なスパイシーな風味がアクセント。自然な果実味、適度な樽の風味を残した上品な余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば軽快な印象。酸やタンニンが際立ち上品な飲み口に。
温度を上げるほど穏やかな印象。甘味や複雑な風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、モンタルチーノのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5
2016年 5
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
明るく華やかな香りと親しみやすい味わいを楽しむには、香りが取りやすく、甘味を感じやすいバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラザニア
地鶏のグリル
など、適度なコクを持ったの料理に合わせると良いでしょう。
バランス良く親しみやすくも深みもあるワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立てるマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
3年熟成の2016は個人的には薄い感じがして物足りないかな。飲みやすくて悪くはないけど。。。
ブショネ~~
2年熟成の2013は抑揚がなくフラットな印象。ま、普通で。
【良い口コミ】
初々しさが魅力♪3年熟成の2015はチェリー系の明るい芳香で、酸とタンニンも適度でバランス良いです。
バランス良くスイスイ飲めてしまう心地よさがあり、これで2000円弱。これはかなりのハイコスパですね!!4年熟成の2015でした。
安い割に香り豊かで旨味もちゃんとあるよ~~♪♪2年熟成の2015は3日経っても美味しかった~~。少し冷やし気味の方が美味しく感じますね♪
飲み疲れしない味わいが魅力のロッソ。3年熟成の2016は淡めのルビーで、酸が主張しすぎないから飲みやすい。とはいえ旨味やミネラル感などのエキスはちゃんと感じられるね。スルスル飲めるので、いつもより飲み過ぎてしまったよ。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 33%
普通 57%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
スルスル飲めるようなピュアで上品な味わいが魅力のハイコスパワインが第一印象。
濃厚でパワフルなワインを求める方には物足りなく感じる傾向もありますが、ただ軽いだけではなくミネラル感や滋味深さも感じられる味わい、そしてバランスの良さで好感を持った方が最も多い傾向。
その安さに満足するコメントも少なくありませんでした。
調べる限り最も安い価格帯(2000円前後)のロッソディモンタルチーノですが、その評価は3000円台のロッソに引けを取らない印象で、必ず押さえておきたいハイコスパワインだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ロッソ ディ モンタルチーノ マルティ ノッツィは
【価格】
2000円前後
【味】
若々しい果実の明るいニュアンスがありつつ、自然な旨味や落ち着きある樽やスパイスの風味といった滋味深さも同時に感じられる。
力強くはなくとも決して軽くもないバランス感覚に優れた上品さがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
モンタルチーノのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5
2016年 5
【口コミ】
濃厚でパワフルなワインを求める方には物足りなく感じる傾向もあるが、ただ軽いだけではなくミネラル感や滋味深さも感じられる味わい、そしてバランスの良さで好感を持った方が最も多い傾向で、その安さに満足するコメントも少なくない。
調べる限り最も安い価格帯(2000円前後)のロッソディモンタルチーノだが、その評価は3000円台のロッソに引けを取らない印象。
以上です。
平均的なキャンティクラシコ(2000~3000)よりもお値打ちなロッソ ディ モンタルチーノでした。
サンジョベーゼ ピッコロ(キャンティ系)と、サンジョベーゼ グロッソ(モンタルチーノ系)の違いを2000円前後のワインで楽しんでみるのも楽しそうですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント