ブルガリアを代表する人気ワイナリー。
口コミからも日本でも非常にたくさんの方に喜ばれている事がわかりましたし、私個人的にもおすすめしたいハイコスパ銘柄です。
非常にたくさんの人に飲まれ人気のシャトーモンペラやカサ―レヴェッキオのような、優しい果実味とマイルドな樽感が好きな方におすすめできると感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》 エニーラ
《価格》
【2000前後】
《ブドウ品種》
・メルロー
・シラー
・プティヴェルド
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 ブルガリア
《生産者》 ドメーヌ ベッサ ヴァレー
ドメーヌ ベッサ ヴァレーはボルドーの優良生産者がブルガリアで設立した、ハイコスパで人気のワイナリーです。 欧州一の名門ハプスブルク家の末裔であるステファン フォン ナイペルグ伯爵は、1985年にボルドーのサンテミリオンに移住しサンテミリオンのプルミエ グランクリュ クラッセBの「シャトー ラ モンドット」や「シャトー カノン ラ ガフリエール」を購入。
短期間で2つのシャトーを世界レベルに引き上げたことで知られる人物で、ボルドーでのワイン造りをブルガリアに持ち込むべく2001年に設立されたのがドメーヌ ベッサ ヴァレーです。
今回紹介しているエニーラはワイナリーを代表するスタンダードキュベで、ワインアドヴォケイトでは80点台後半の秀逸な評価を何度もされており、日本の一般消費者からも人気を集めています。
《味わいの特徴》
マイルドで厚みのある果実味
樽の風味も心地よく
親しみやすい飲み口
【外観】
深みのあるルビーレッド
【香り】
ブラックベリーやカシスなど円熟した果実の芳香に加え、樽に由来するバニラ、カカオ、オリエンタルスパイスの香りもハッキリと感じられ優しくマイルドな印象です。
【味わい】
円熟した果実の適度な甘味と旨味があり、豊富ながらシルキーなタンニンと穏やかな酸も相まって優しい飲み口。芳しい樽の風味もマイルドな飲み口をさらに増幅させ、飲み応えがありつつスルリと飲めてしまう軽快さがあります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
使用されるブドウはメルロー主体で、厚みのある果実味・丸みのあるタンニン・穏やかな酸といったメルローの個性が反映されたマイルドな味わい傾向です。
■緻密な栽培と選果■
栽培ではボルドー同様に緻密な管理が行われます。
例えば収穫では区画ごとにブドウの生育状況を毎日チェックし、適切な熟度を見極めたうえで機械ではなく手摘みで丁寧に収穫。
さらに健全なブドウの粒だけを選別する緻密な作業も実践され、健全で雑味の無いピュアなワインが生まれる要因となっています。
■フリーランジュース■
赤ワインの場合、多くのワイナリーでは収穫後のブドウは破砕されアルコール発酵をし、その後プレスし果汁を抽出します。
しかしベッサヴァレーでは破砕し発酵を終えたワインはプレスを行わず、ブドウの重さだけで自然に流れでる果汁を得ます。
これをフリーランジュースと呼び約95%使用。
プレスしないため得られる量は減りますが、ピュアで旨味の強い果汁を得る事ができます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオークの小樽(バリック)で12ヶ月熟成されます。
大樽よりも樽の風味が反映されやすいのが小樽で、樽に由来するバニラやチョコレートのようなニュアンスが心地よく感じられます。
■安い人件費■
緻密な栽培や収穫や選果を行うには多くの人手が必要。
しかしブルガリアは人件費が安く、2009年の時点でフランスの1/10程度とナイペルグ伯爵は話しています。
コストが抑えられる事で、ワインのコスパが良くなることはもちろん、醸造設備に投資できるなど品質向上にも一役買っています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し低めの温度では酸が際立ち引き締まった印象で、上品な飲み口。
温度を上げるほど甘味や風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【大ぶりのグラス】
比較的カジュアルなワインで、少し低めの温度で小ぶりのグラスでも軽快さが楽しめますが、なるべく大ぶりのグラスを選ぶことで広がる風味が感じられ、リッチな雰囲気も楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
うなぎのかば焼き
牛すき焼き
など、マイルドで適度な深みのあエニーラには、程良い甘味やコクのある味わいの料理がマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
格下のプティエニーラが好きなので格上のコチラを試すものの期待以下。うまく言えませんが私はプティが好きですね。
想像してたより軽くて少し物足りないと感じました。
【良い口コミ】
樽も効いて飲みやすくバランスも良いハイコスパワイン♪
開けたては樽の香りが優勢で、バニラやチョコにオリエンタルスパイス香が感じられます。飲み口はマイルドだけどタンニンも豊富でドライな印象で、適度な酸が軽快さも後押ししている感じです。
芳醇な芳香。2000円ちょっとでこのクオリティー高さは希少ですね。旨さは3日目までキープしていました。
ナイペルグ伯爵のボルドーワインは高額だけど、エニーラなら気軽に楽しめますね!♪熟した果実にスパイス香が加わり、マイルドな味わいで親しみやすさがあります。
5年熟成の2015はアルコール14,5%と高めでボディがあるけど、酸も穏やかで優しい甘味もあり丸みを帯びているので飲みやすい。結構すきかも♪♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 50%
普通 47%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
適度な飲み応えとマイルドな飲み口への満足度は高い傾向です。
特に印象に残らないや、やや期待外れの意見もありますが少数派で、マイルドな樽の風味と優しい果実味の広がる飲み口への好感が最も多く、コスパを褒める意見もとても多い銘柄でした。
※私個人としても、エニーラを初めて飲んだ時は好印象でコスパも良いと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
エニーラは
【価格】
2000前後
【味】
円熟した果実の芳香に加え、樽に由来するバニラ、カカオ、オリエンタルスパイスの香りもハッキリと感じられ優しくマイルドな印象。
熟した果実の適度な甘味と旨味があり、豊富ながらシルキーなタンニンと穏やかな酸も相まって優しい飲み口。芳しい樽の風味もマイルドな飲み口をさらに増幅させ、飲み応えがありつつスルリと飲めてしまう軽快さがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
適度な飲み応えとマイルドな飲み口への満足度は高い傾向。
特に印象に残らないや、やや期待外れの意見もあるが少数派で、マイルドな樽の風味と優しい果実味の広がる飲み口への好感が最も多く、コスパを褒める意見もとても多い。
以上です。
今回はスタンダードキュベであるエニーラを紹介しましたが、もっと手頃なプティエニーラ(1400前後)、もう少し硬派なカベルネエニーラ(1800前後)、さらに深みのあるエニーラレゼルバ(3000前後)もとても口コミ満足度の高い銘柄です。
個人的にもおすすめで、特にニューワールド系の果実味主体の味わいや、樽のマイルドな風味が好きな方に特におすすめできる銘柄だと感じています。
そのようなエニーラのラインナップは、下記のリンクからも探せますから参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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