トロ=余りに。
タノワ=面倒な。
粘土と砂利の混じり合った土壌は、雨が降った後はカチカチになり、耕すことがあまりにも大変で面倒なことが名の由来のシャトー。
ペトリュスを所有するムエックス社が手掛けている事でも知られ、ペトリュスと同じチームによって管理されている事もあり品質も高いですが、価格はペトリュスに比べれば10分の1~100分の1と大変お値打ち?です(笑)
ペトリュスは高すぎますね!!
という事で、ペトリュスに有名税を払うくらいなら、片鱗を感じられるこのワインを選ぶというワインラバーも多いというわけです。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー トロタノワ
2006
パーカー93点
2014~2029年が飲み頃
評価も熟成度合いも良くおすすめかと思いました。
《価格》
【18000~6万円】
※2~3万円が多いです
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・メルロー主体
・カベルネフラン少し
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>ポムロール
《生産者》シャトー・トロタノワ
《特徴》
熟した果実味と
豊かで丸いタンニンを持ち
リッチで優雅な品質
トロタノワの味わいの特徴はリッチでなめらかな品質にあります。
凝縮感のある熟した果実味は非常に豊かでリッチ。
タンニンは存在感はあるものの角が取れキメが細かいため、なめらかな質感で心地良い飲み口です。
ワイン評論家のヒュー・ジョンソン氏は、
「華やかさ・ビロードの手袋を通して、タンニンと鉄分を感じる」
と、評しました。
うまい事いいますね!!(笑)
たぶんご本人も言ってやった感があるのではないでしょうか(笑)
冗談はさておき、トロタノワは熟成にも向くワインで、熟成させるほどにタンニンはさらになめらかさが増し、果実味も円熟味が増しエレガントな質感に、複雑な熟成香も加わり官能的なワインに成長していきます。
冒頭で申し上げた通り、ペトリュスと同じ醸造チームによって製造されるトロタノワは、ペトリュスに近い味わいが楽しめるワインと言われます。
ポムロールのトップクラスを比較的リーズナブルに楽しみたいのであれば、このワインを候補に入れないわけにはいかないでしょう。
【外観】
若いうちは深い赤紫色。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちはベリー系果実やプラムなどの豊かな果実香に、バラや干草、トリュフなどのニュアンスも感じられます。
熟成が進むほど果実香は円熟味が増し、ドライフルーツのような落ち着きある甘いニュアンスになり、腐葉土・革製品・紅茶・ジビエなどの香りも加わり、複雑で妖艶な印象になっていきます。
【味わい】
若いうちは凝縮感のあるリッチな果実味が感じられ、タンニンは豊富で骨格ある印象ですが角は取れており滑らかさがあります。複雑な風味と旨味は心地よい酸味によってまとめられ、長い余韻が続きます。
熟成が進むほど果実味は落ち着きある甘やかさを感じさせ、タンニンなどの成分もワインに溶け込むことでシルクのような質感になります。
複雑な味わいで旨味も広がり心地よい酸味が感じられ、力強さよりも上品でエレガントな品質に成長していきます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~40年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1980年 1
1981年 3
1982年 5
1983年 4
1984年 1
1985年 3
1986年 3
1987年 3
1988年 3
1989年 5
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 3
1994年 3
1995年 4
1996年 3
1997年 3
1998年 5
1999年 3
2000年 5
2001年 4
2002年 3
2003年 3
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 5
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
【パーカーポイントが高かった年】
1982 92点
1995 93点
1998 96点
2000 92点
2001 90点
2003 91点
2005 98点
2006 93点
2008 96点
2009 98点
2010 98点
2011 92点
2012 96点
2013 93点
2014 95点
2015 97点
【パーカーポイントが低かった年】
1985 85点
1986 85点
1988 86点
1989 88点
1990 89点
1994 88点
1996 88点
1997 89点
1999 89点
2002 89点
2004 89点
2007 89点
80点台後半はワイン全体から見れば低い点ではなく、よい品質という事ですが、飲み頃を過ぎている可能性も高いので注意が必要です。
※83・84・87・91・92・93は評価もされてないようで、良くないでしょうから選ばない方が良いでしょう。
1992はネット上でよく見かけます!!注意です。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
上質な和牛ステーキ
天然うなぎの蒲焼
など、上質な素材などを使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、豊かな風味の広がりを体感できる、極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「1976のトロタノワ。ベリー系果実にタバコ・トリュフなどの香りも加わり複雑。シルキーな口当たりで目の覚めるような美味しさ。40年経過してこの品質は素晴らしい。」
「深いガーネットの色調。ドライハーブ・煙草・土などの熟成香は複雑でエロいぜ。(笑)シルクのようなタンニンは滑らか。凝縮された熟度の高い果実味に、ビターチョコを思わせる甘やかさが加わり優雅な余韻だ。2007。フィネスとはこの事か。」
「1990は褐色がかった紅茶色で、円熟味のある果実の甘い香りに、土・葉巻・紅茶・ジビエなどの熟成香も加わり官能的。熟した果実の甘やかさで、絹のように滑らかなタンニンとバランスの良い酸味心地よい余韻が長く続く。エレガントな仕上がりだけど物足りなさもなく、とても満足度の高い味わいでした。」
【悪い口コミ】
「これと言って悪い口コミが見つからないのも困ったもんだ。」
という皆様の声でした。
※最後のは私の心の声です。(笑)
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 20%
美味しい 73%
普通 7%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
30以上の口コミを確認しましたが、硬かったとか飲み頃過ぎてたとか好みの味ではないなどのマイナスコメントが1つもありませんでした。(たまたまかもしれませんが)
おおよその方が心地よくバランスの良い上質な品質だというニュアンスが伝わってくる口コミで、特に20~30年の熟成古酒で感動的だと感じた方が多かったです。
よって、比較的若くても(ヴィンテージにもよりますが)楽しめ、熟成させればより妖艶で官能的なワインに成長してゆく傾向が読み取れました。
以上です。
トロタノワのイメージは広がりましたでしょうか。
とてもリッチで、万人受けが良く熟成でさらに秀逸に育つワイン。
といったところでしょうか。
トロ(余りにも)タノワ(面倒な)な仕事やチャレンジをやり遂げた自分へのご褒美、あるいは労いを込めてプレゼントもいいですね。
ソムリエ試験もある意味トロでタノワかもしれませんから、合格祝い(また頑張ろうね激励)にも良いかもしれませんね。
(ワインを学ぶ事は有意義で楽しい事であり、余りにも面倒という考え方は不適切ですね!!あくまで覚える事が多くて時間がかかって大変という事です。)
いろんな角度からトロタノワの解説をしましたが・・・
早い話・・
飲めばわかります。
言っちゃった(笑)
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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