「シャブリは手に入れやすいワインで、手の届かない様な超高級品にしてはいけないと私たちは考えている。」
今回紹介する生産者の言葉です。
200haという広大な畑を所有し、家族経営を続ける生産者でビオディナミ農法にも力を注ぐ生産者。
シャブリ特有のキンメリッジ土壌(貝殻などの化石を多く含んだ土壌)にも恵まれた土地を所有し、とてもシャブリらしいワインを生んでおり、しかも手頃な価格で消費者に寄り添うような親しみやすいシャブリを造っています。
実際このワインを手にする方も多く、感動するような品質こそありませんが、とても好感度の高いワインである事が伝わる口コミも多かったので紹介させていただくことにしました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ジャン マルク ブロカール シャブリ サンクレール
《価格》
【2100~2700円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャブリ
《生産者》 ドメーヌ・ジャン・マルク・ブロカール
《特徴》
ピュアで生き生き
爽やかなシャブリを表現
このワインの特徴は、「純粋さ・ミネラル感・新鮮さ」
これはジャン・マルク・ブロカールの追求している事であり、実際そのような特徴がワインに反映されています。
そのような味わいになる理由は【2つ】
1、樽を使わない事
ピュアでフレッシュな果実の風味を楽しむために、あえて樽は使いません。
ステンレス発酵のこのワインはもちろん樽に由来する風味は感じられず、その代わりに果実の純粋でフレッシュな風味をストレートに感じられるという良さを持っています。
2、ビオディナミ農法である事
1998年から農薬を使用しないビオディナミ農法を導入し、ありのままの健全な土壌になったことなどで、シャブリ特有のミネラル感やエレガントな果実味がより際立つようになりました。
※ミネラル感とは、カリウムやマグネシウムといったミネラル分を多く含んだキリッと芯のある味わいで、硬水をイメージするとわかりやすく、キーンとくる感じです。
そしてもう一つ忘れてはならないのが、冒頭で申し上げた手頃な価格である事ですね。
【外観】
ややグリーンがかった淡いレモンゴールド
【香り】
レモンやグレープフルーツなどの柑橘類の爽やかな香りに、青りんごやラフランスなどのフルーティな香りや白い花の華やかさも感じられます。
【味わい】
生き生きとしたフレッシュな柑橘系果実やフルーティーな青りんごなどの果実味があり、しっかりとしたミネラル感が芯のある味わいを表現します。
キレの良い酸味は爽やかで、ほのかに蜂蜜を感じさせる心地よい余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~10℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
少し温度を上げれば、フルーティな味わいが広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から1年~4年
若いうちの生き生きとしたピュアな果実味と酸味を楽しむタイプのワインです。
熟成させてしまうと、フレッシュな風味が抜けてしまい枯れた印象の味わいになってしまうでしょう。
《適正グラス》
【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
グラタン各種
など、比較的繊細な味わいから程良いコクを持つ料理に合わせると良いでしょう。
フレッシュでフルーティで豊富なミネラルと酸味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
【サラリと軽快なワインが飲みたい時】
ステンレス発酵のシャブリらしさを持ったスッキリしたワインで、サラリと軽快で爽やかなワインが好きな方にはおすすめですね。
とは言ってもだだ軽快だけでなくほどよい旨味もあり、温度が上がるとほんのりハチミツのニュアンスも美味しさを後押ししてくれます。
【繊細な料理にワインを合わせる時】
ほどよい強さの味わいは決して主張しすぎることはありませんから、繊細な素材や味付けの施された料理に合わせることで、互いを引き立てあうマリアージュを楽しむことができるでしょう。
また、チーズやバターを使った料理に合わせても広がる風味を楽しめそうです。
【カジュアルな場面で】
特にワインにこだわりのない仲間とのカジュアルなパーティーなどでは、品格溢れる高級ワインを選ぶよりも、比較的カジュアルなワインの方が良い場合もあります。
割れてもショックが少ない厚めのグラスで乾杯でもしながら楽しんではいかがでしょうか。
《こんな場合には不適切!?》
【ジューシーなワインが好きな方】
カリフォルニアなどの温暖な産地のジューシーな果実味を持ったワインがお好きな方には、厚みや甘味が足りず軽すぎると感じるかもしれませんね。
【強い味わいの料理に合わせたい時】
上質な和牛を使ったり、濃厚なソースを使ったような強い味わいの料理には合わせにくく、互いを引き立て合うというよりは、ただサッパリさせるだけのようなアプローチになってしまいそうです。
繊細な味わいを持った料理に合わせる事で、互いを引き立てあうマリアージュを楽しめるでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「シャブリらしい火打石の香りでミネラリーな味わい。なめらかな質感でとってもいいですね。牡蠣のグラタンともよく合いました。」
「想像していたスッキリ系とは違い柔らかな印象でしたが、これもまた良い。」
「開けた日は酸味のキレが良くスッキリとした印象。3日目になると酸味が穏やかになりほのかに感じるコクが心地よい。」
【悪い口コミ】
「豊富なミネラル感と酸味があり、少しの苦味がありますね。もう少し果実味が感じられるワインが私には合いますね。」
「悪くは無いけどちょっと軽いかな。」
「アウトじゃないけど普通だよ。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 3%
美味しい 23%
普通 74%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
とてもシャブリらしいワインで、ミネラルと酸味を持ち少し蜜のニュアンスが感じられるワインという事が伝わってきて、多くを語るほど奥深くもなく口コミもシンプルなものがほとんどでした。
逆に言えばそのような軽快で明快そして親しみやすい味わいが良いところでもあるようで、そこを高く評価する方もいらっしゃいましたし、逆に薄く感じてぼちぼちと評価している方もちらほらでした。
総括すると、シャブリらしいミネラルと酸味を持った飲み心地の良いワイン。
といった感じでしょう。
以上です。
樽の効いた風味豊かでコクの深いシャブリはもちろん素晴らしいですが、暑い日に酸味を効かせたカルパッチョや、生カキなどに合わせるならば、このようなワインをキンキンに冷やして軽快に楽しんだほうが良い場合もあります。
様々な場面や、合わせる料理によって最適なワインも変わってきます。
ちょっと美味しいワインを気軽に楽しみたい時、ちょっとしたパーティーでの手土産にこのシャブリを選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
品格ある存在感はありませんが、あなたにそっと寄り添う友達のような存在になってくれる可能性を秘めたワインだと思います。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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