「パリスの審判」における白ワインで1位。
カリフォルニアワインですが、ブルゴーニュの銘醸ワインを思わせる気品もあり、実績もさることながら口コミ満足度もとても高いと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》シャトー モンテレーナ シャルドネ
《価格と基本情報》
【1万前後】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 アメリカ>カリフォルニア>ナパ
《生産者》 シャトー モンテレーナ
シャトー モンテレーナは「パリスの審判」で白ワインの1位を獲得したナパヴァレーのワイナリーです。
「パリスの審判」とは1976年にパリで開催されたブラインドテイスティングの大会のことで、ボルドー格付け第1級銘柄やブルゴーニュの銘醸畑を打ち破り、カリフォルニアワイン達が1位をはじめ上位をフランスよりも多く獲得したことは、当時のワイン界に衝撃を与えました。創業者はジムバレット氏で、ファーストリリースは1972年。その僅か4年後にパリスの審判で1位を獲得したことは偉業と言えるでしょう。今回紹介している白ワインがまさに1位を獲得したナパの象徴的シャルドネ。
ワインアドヴォケイトをはじめとする評価誌などでも90点以上を毎年のように獲得しており、日本の一般消費者からも高い支持を集めています。
《味わいの特徴》
カリフォルニア屈指の白
肉厚かつ上品で風格がある
【外観】
深みのあるレモンイエロー
【香り】
柑橘類や青リンゴの爽やかさに黄桃や蜜りんごのようなフルーティーなニュアンス。樽に由来する上品なバニラやスパイスの香りも加わった豊かな芳香が広がります。
【味わい】
凝縮感のある果実味はミディアム~フルボディの肉厚さがありつつ、凛としたミネラルや生き生きとした酸が上品な飲み口を表現。後半にかけて広かる旨味や樽の風味も心地よく、長い余韻へと導かれます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種と産地の個性■
100%使用されるシャルドネは際立つ個性はありませんが、味わいのバランスに優れ土地の気候や土壌の特性を反映しやすい品種。
畑があるナパヴァレーのカリストガは温暖で日照豊富な環境であるためブドウはよく熟し、厚みのある果実味がありますが、夜の冷え込みもあり綺麗な酸も同時に持ち合わせます。
また、カリストガは古代の海や湖の沈殿物や溶岩を多く含んんだミネラル豊富な火山性土壌が主体で、豊富なミネラルをブドウに供給することで、凛としたミネラルをはじめ複雑な味わいをワインにもたらす要因になっています。
■ドライファーミング■
栽培ではブドウの生育期に慎重な徐葉を行い、日照を確保することで充実した果実味を生みます。
さらにカリフォルニアでは灌漑を行う場合が多い中、モンテレーナではそれを行いません。
この手法をドライファーミングと呼び、水分が抑えられた凝縮感あるブドウが育ちます。
■マロラクティック発酵をしない■
ワインはアルコール発酵を終えた後、マロラクティック発酵をする場合としない場合があります。
※赤はほぼ全部行う。白は両方。
このマロラクティック発酵は乳酸菌の働きでワイン中のリンゴ酸が乳酸に変化し、ワインの酸味がまろやかになる効果があります。
モンテレーナではこの発酵をあえて行っておらず、ブドウ本来の生き生きとした酸を残したワインを生んでいます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオークで10ヶ月熟成されます。
樽の風味が反映しやすい新樽の使用比率は10%程度で、ブドウの繊細なニュアンスを覆い隠さない程度の上品な樽の風味を付けています。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸味や凛としたミネラル感が際立ち上品な飲み口。
温度を上げるほど甘味や複雑な風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までにカリフォルニア白のヴィンテージチャートと、わかる範囲でワイン誌などの得点も載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 4
1991年 3
1992年 4
1993年 4
1994年 3
1995年 4
1996年 3
1997年 4
1998年 3
1999年 3
2000年 4
2001年 4
2002年 4WA90
2003年 3WA92
2004年 4WA90
2005年 3WA91
2006年 3WA91
2007年 4WA90
2008年 3
2009年 4
2010年 4WA92
2011年 3WA93
2012年 4WA90
2013年 5
2014年 4V91
2015年 4V92
2016年 4V94
2017年 4V94
2018年 4V92
2019年 4
WA=ワインアドヴォケイト
V =ヴィノス
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめるワインです。
香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のグリル
アワビバター
など、上質で適度にコクのある食材や、バターやオイルを使用した料理などと合わせることで、互いを高め合うリッチなマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
5年目の2015は若々しく爽やかなテイストで美味しいけど、円熟した熟成物を飲んでみたいな。。。
【良い口コミ】
3年目の2016は素晴らしい。なるほどブルゴーニュの銘醸ワイン達を打ち破り1位になるわけだ。
4年目の2014。ブドウのポテンシャルの高さがよくわかるワインで、控えめな樽感にも好感が持てる。ゆっくり時間をかけ変化も楽しめますよ。
7年目の2014は凛としたミネラルとピュアで生き生きとした酸を前半で感じた後、蜜のコクのある甘味を含んだ濃厚な果実味がじんわり広がる。この感じがたまらなく好きですね!♪ハマるわ~~。
5年目の2016は開栓直後は爽やか系の味わいで、ソーヴィニョンブラン?って思えるほどでしたが、小一時間の放置で素晴らしく変化しておりました!!上級ブルゴーニュを思わせる気品と深みがあり唸るばかりでした。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 20%
美味しい 60%
普通 20%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
かなりハイレベルなワインという印象で、果実感や樽感満載のカリフォルニアらしい味わいというよりは、ブルゴーニュの上級クラスのような凛とした気品のようなものを感じさせる味わい傾向のようです。
否定的なコメントもほぼ無く、満足あるいは納得しているコメントが大半で、感動されている方もチラホラ見られました。
20年を超えるような古酒に対する評価が無かった事は残念ですが、海外の口コミサイト(vivino)では古酒に対する評価も高く、熟成後も非常に楽しみな一本だと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
シャトー モンテレーナ シャルドネは
【価格】
1万前後
【味】
凝縮感のある果実味はミディアム~フルボディの肉厚さがありつつ、凛としたミネラルや生き生きとした酸が上品な飲み口を表現。
後半にかけて広かる旨味や樽の風味も心地よく、長い余韻へと導かれる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
カリフォルニア白のヴィンテージチャートと、わかる範囲でのワイン誌などの得点は以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 4
1991年 3
1992年 4
1993年 4
1994年 3
1995年 4
1996年 3
1997年 4
1998年 3
1999年 3
2000年 4
2001年 4
2002年 4WA90
2003年 3WA92
2004年 4WA90
2005年 3WA91
2006年 3WA91
2007年 4WA90
2008年 3
2009年 4
2010年 4WA92
2011年 3WA93
2012年 4WA90
2013年 5
2014年 4V91
2015年 4V92
2016年 4V94
2017年 4V94
2018年 4V92
2019年 4
WA=ワインアドヴォケイト
V =ヴィノス
【口コミ】
かなりハイレベルなワインという印象で、ブルゴーニュの上級クラスのような凛とした気品のようなものを感じさせる味わい傾向のよう。
否定的なコメントもほぼ無く、満足あるいは納得しているコメントが大半で、感動されている方もチラホラ見られた。
20年を超えるような古酒に対する評価が無かった事は残念だが、海外の口コミサイト(vivino)では古酒に対する評価も高く、熟成後も非常に楽しみな一本だと感じた。
以上です。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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