■父はDRCで30年勤務し栽培から醸造まで担った人物。
■母もDRCの元社員。
■DRCの共同オーナーであるプリューレ・ロックで10年修業。
これだけ聞いただけでサラブレッド感?が凄いですね(笑)
しかしながらお値段は1万円を割ってきます!!
というわけで今回はクリストフ・シュヴォ―の紹介となりますが、私がこのワインを紹介しようと思ったのはそのステータスによるものではありません。
実際に飲まれた方の口コミ評価と、価格とのバランスも考慮した客観的視点から見て、このワインは試してみるだけの価値があると感じました。
父ベルナール・シュヴォー氏は、1962年から1992年までの30年間DRCで勤務し、その礎を築いてきた人物です。
【1966年】
DRCでの勤務の傍ら、ヴォーヌロマネに小さなドメーヌを設立。
【1992年】
四男クリストフ氏をプリューレ・ロックに修行に出す。
【2001年】
10年の修行から帰ったクリストフ氏がドメーヌを継承。
という流れで現在に至りますが、クリストフの兄3人は現役のDRC社員という事で・・・
どんだけサラブレッド感凄いの!?という印象でしょうか(笑)。
非常に小規模の家族で運営する生産者であり、人を多く雇う事もしないため親しみやすい価格を実現しており、DRCとプリューレ・ロックで培った知識を忠実に再現したスタイルの品質は、価格以上のものとなるのは必然と言えるのでしょう。
《ワイン名》 クリストフ シュヴォ― ヴォーヌ ロマネ
《価格》
【8000~10000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ
《生産者》 ドメーヌ クリストフ シュヴォ―
《特徴》
優しくしなやかで
湧き上がる旨味を持つ
このワインの特徴は、主張しすぎない心地よい果実味で繊細さを感じますが、湧き上がるような旨味も感じられ、酸もタンニンも角が取れており、しなやかな飲み口が楽しめるところにあります。
そして価格が安い事も加えておきましょう。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■「優しくしなやかなワインを造る。」
これがクリストフ氏の目指すワインだからです。
■「DRCとプリューレ・ロックの栽培と醸造しか知らない。」
そう語るクリストフ氏は、その栽培と醸造を実践しています。
例えば、とにかく畑を深く耕し耕すことで土に空気を送り込む方法は、重労働であり村名畑では珍しいとの事です。
また、農薬を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践しており、それらの理由もありで健全で成分豊かな土壌が維持され、上質なブドウが育つわけです。
■「家族で細々とやっている」
と語るように、多くの栽培担当者を雇う事はありません。
完全なビオディナミ農法にするには人員が必要で、そのためリュット・レゾネにしているという事です。
そのため人件費も少なくなり、そのような理由もあり価格が安くなるのでしょう。
【外観】
深みのあるルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリーやイチゴなどのフレッシュな果実香にバラの華やかさが加わり、ほのかな樽や土のニュアンスも心地よく感じられます。
熟成するほど果実香は円熟を感じさせる熟した果実や、ドライフルーツの甘やかさが現れ、腐葉土に革製品や紅茶といった複雑なニュアンスが広がりを見せます。
【味わい】
洗練されたピュアで繊細な果実味が心地よく広がり、タンニンは穏やかでしなやかな質感を表現し、ほどよい酸味は味わいをまとめ、出汁の効いたような心地よい旨味と風味を伴った余韻があります。
熟成するほど成分は溶け合う事でさらになめらかな質感になり、果実味も落ち着きある上質な旨味を伴った円熟味が現れ、革製品や紅茶などの複雑な風味を伴った余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
その華やかで心地よい香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち軽快さのある飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
エレガントな香りと、心地よい旨味を持った良質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カプレーゼ
地鶏のグリルをベリーソースで
など、ほど良いコクのある味わいの料理に合わせる事で、華やかな風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「ほ~。このワインを悪く評価する口コミは見当たらないか・・。」
【良い口コミ】
「クリストフ・シュヴォ―はいつ飲んでも優しい味わいがして好きなんだよ。つまり安定感があるって事かな。時間が経過するほどに変化する味わいもあり、3年目の2012もいつも通り楽しませてもらったよ。」
「7年熟成の08は初めは酸が立つ印象でしたが、デキャンタージュによって角は取れ、シルキーな飲み心地な美味しいワインに変わりました。」
「このワイン。高いけど安いです(笑)。3年目の2014は薄旨な傾向なんだけど果実の風味は非常に豊かで、全房発酵由来の茎っぽい青さの入った柔らかな香りも心地よい。さすがDRCで30年、ロックで10年ですね。900本限定もそそられる~(笑)」
という皆様の声でした。
※最初の方(ハト)はコート・ドールの知識で活躍した先生です。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 10%
美味しい 50%
普通 40%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
そもそも口コミの量が少ない事もあり(20程度)、このワインの良くない部分をコメントする口コミは見当たりませんでした。
そして少ないながらも実際飲まれた方の口コミは、感動するほどの奥深さは感じていないようですが、口当たりの良い飲み口に満足度は高い印象を受けました。
価格も考えれば試すだけの価値を十分に持っているのでは!?
と思う結果となりました。
以上です。
この造り手は、本当に生まれた時からワインの世界最高峰に関わりながら現在に至っているのですね。
あまりにもブドウだワインだに囲まれ過ぎて、逃げ出したくなってしまう事はなかったのでしょうか。
夜の校舎窓ガラス壊して回ったり、盗んだバイクで走りだした事はなかったのでしょうか。
失礼しました。たまに妄想します。。。
あなたにとって善きワインとの出会いがある事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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