5000円前後のカリフォルニアのカベルネで最もおすすめ。
ジューシーな果実味主体のカリフォルニアワインも多い中、キレイな酸や心地よい樽の風味とのバランスも良く、料理にも合わせやすいと口コミ満足度も高い傾向。
私自身も何度か飲み皆様が感じるようなバランスの良さが理解できましたので、個人的にも安心して勧められる優良銘柄です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》クロ デュ ヴァル カベルネ ソーヴィニヨン
《価格と基本情報》
【5000~6000円】
《ブドウ品種》
・カベルネ ソーヴィニヨン主体
・カベルネ フラン
・メルロ
・プティ ヴェルド
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 アメリカ>カリフォルニア>ナパ ヴァレ―
《生産者》 クロ デュ ヴァル
クロ デュ ヴァルはカリフォルニアワインの名声を築いたトップワイナリーのひとつ。 1972年にアメリカ人実業家のジョン ゴレ氏と、シャトー ラフィットの醸造家であった父を持つボルドー出身の醸造家ベルナール ポーテ氏によって設立。
1976年に行われたブラインドテイスティングで、ボルドー格付け第1級のワインを抑えて勝利したカリフォルニアワイン5本の内の1本が、クロ デュ ヴァルのカベルネ ソーヴィニヨン スタッグス リープ ディストリクト1972でした。この事はワイン界の衝撃であり「パリスの審判」と呼ばれる歴史的出来事となりました。
さらに10年後の1986年に行われたリターンマッチで、堂々1位を獲得したのが同じくクロ デュ ヴァルのカベルネ ソーヴィニヨン スタッグス リープ ディストリクト1972で、熟成能力においても優れる世界トップのワインであることを証明したのです。
今回紹介しているカベルネ ソーヴィニヨンは、クロ デュ ヴァルの世界観が手軽に楽しめる事で好評なスタンダードキュベ。
ジェームズ サックリングから91点(2014VT)、92点(2015VT,2016VT)の評価をされており、日本の一般消費者からも高い支持を集める人気銘柄です。
《味わいの特徴》
力のある果実味
エレガントさ複雑性を併せ持ち
優れたバランス感覚がある
【外観】
ガーネットを帯びた深いルビーレッド
【香り】
ブラックチェリーやカシスなど熟した果実の香りと共にレーズンのような落ち着いたニュアンス。樽に由来するコーヒーやバニラやオリエンタルスパイスなどども加わり、複雑でアロマティックな芳香が広がります。
【味わい】
厚みのある果実味は少しの甘みと心地よい旨味を伴い、豊富ながら滑らかなタンニンと相まって力強くも柔らかな飲み口。
適度な酸味が引き締める上品さとバランス感覚も合わせ持っており、心地よい果実味やコク、そして樽の風味も加わった複雑な余韻が長く続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■目指す品質■
醸造家のベルナール ポーテ氏は“バランス、エレガントさ、複雑さ、長い余韻”を表現する事を目指しています。
温暖で日照豊富なカリフォルニアでは、果実味主体のリッチなワインが生まれることが多いですが、ブドウの過熟を避けることで果実味一辺倒ではないエレガントでバランス良い味わいを生んでいます。
■品種の個性■
主体的使用されるカベルネソーヴィニヨンは色合いは深く濃く、酸味・渋味共に力強く感じられる骨太のワインを生み、熟成によって葉巻や革製品などの香りが現れ、渋味が落ち着き旨味が増します。
また、カベルネソーヴィニヨンとは違い色合いはやや淡く味わいも繊細で、ピーマンなどの青い野菜のニュアンスや、チェリーやイチゴといった赤い果実のニュアンスがあるカベルネ フランや、柔らかな果実味を生むメルローなども少量ブレンドすることで、力強さと繊細さと複雑性のある味わいが生まれます。
■恵まれた栽培環境■
畑があるナパ ヴァレーのスタッグス リープ ディストリクトは、ベルナール ポーテ氏が「世界最高のワインは最高のブドウから造られる」という信念のもとに探し出した小さなエリア。
昼の温暖さはブドウの熟度を高めつつ夜の冷え込みで上品な酸を生んでおり、昼夜の寒暖差は豊かな香りを生む要因にもなっています。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはフレンチオークで20ヶ月熟成されます。
樽の風味が反映しやすい新樽の使用比率は40%で、バニラやコーヒーのような樽の風味がブドウの風味を覆い隠さない程度のバランスで表現されています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち、引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、ふくよかな果実味や複雑な風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、カリフォルニア赤のヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 4
1991年 4
1992年 4
1993年 4
1994年 4
1995年 3
1996年 3
1997年 4
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 4
2002年 4
2003年 4
2004年 4
2005年 3
2006年 3
2007年 4
2008年 3
2009年 4
2010年 4
2011年 2
2012年 5
2013年 5
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 4
2019年 4
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れるでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛ヒレステーキ
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
濃いめのワインでありつつ複雑で上品なワインの味わいは、肉料理などコクの深い様々な料理に寄り添い互いを引き立てます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
5年熟成の2014はトータルで考えればとても良いワインですが、あえて言えば若さゆえの若干のタンニンの粗さがあることかな~。
【良い口コミ】
4年熟成の2018はカリフォルニアワインらしい熟した果実の甘味があるけど、シルキーなタンニン、そしてキレイな酸がまとめてくれるのでクドさがないんですよね。やはり好きな銘柄です!
ブラインドで飲み7~8年熟成のボルドー格付けと予想するも大きくハズレ。答えは2002VTの20年熟成のクロデュヴァルで、太陽を思わせる陽のニュアンスがナパの印象でしたが、このような陰性で複雑なワインに成長することがわかりました。とても美味しかったです。
4年熟成の2016は絶妙なバランスでとても美味しい。若さゆえの若干粗さのあるタンニンですが、ボリューム感のある果実味と豊富で丸みを帯びた酸があり、ブドウの香りに樽の風味が心地よく寄り添う。フルボディなのにスルリと飲めるようなエレガントさがありますね。
香りだけで惚れてまうやろ!♪5年熟成の2016は濃厚な香りにまず持ってかれ、飲んだらやっぱり旨かった!!樽感豊かな複雑な味わいで、ヴィンテージ違いも試したくなりました。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 70%
普通 27%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
安心できるバランス型カリフォルニアワインという印象です。
若いヴィンテージでの若干のタンニンの粗さや、抜栓直後はやや硬い印象というようなネガティブコメントも少しありましたが、あくまで部分的なネガティブ評価でワイン全体としての評価は決して低くありませんでした。
最も多かったのは濃厚ながら上品さもあるバランスの良さや、樽の風味も加わった複雑さを褒める意見。
長期熟成酒へのコメントがほとんど無かった事は残念でしたが、熟成後もとても期待できると感じています。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
クロ デュ ヴァル カベルネ ソーヴィニヨンは
【価格】
5000~6000円
【味】
果実や樽の複雑でアロマティックな芳香。
厚みのある果実味は少しの甘みと心地よい旨味を伴い、豊富ながら滑らかなタンニンと相まって力強くも柔らかな飲み口。
適度な酸味が引き締める上品さとバランス感覚も合わせ持っており、心地よい果実味やコク、そして樽の風味も加わった複雑な余韻が長く続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
カリフォルニア赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 4
1991年 4
1992年 4
1993年 4
1994年 4
1995年 3
1996年 3
1997年 4
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 4
2002年 4
2003年 4
2004年 4
2005年 3
2006年 3
2007年 4
2008年 3
2009年 4
2010年 4
2011年 2
2012年 5
2013年 5
2014年 4
2015年 3
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4
【口コミ】
安心できるバランス型カリフォルニアワインという印象。
若いヴィンテージでの若干のタンニンの粗さや、抜栓直後はやや硬い印象というようなネガティブコメントも少しあるが、あくまで部分的なネガティブ評価でワイン全体としての評価は決して低くない。
最も多かったのは濃厚ながら上品さもあるバランスの良さや、樽の風味も加わった複雑さを褒める意見。
以上です。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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