ジャン ルイ ライヤール ヴォーヌ ロマネ

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「5千円~1万円でエレガントなヴォーヌ・ロマネはありませんか。」

そう聞かれた時、選択肢の一つに挙げたくなるワイン。

DRCで長年働いた両親を持ち、自身もDRCで働き、現在はボーヌ醸造学校で教鞭を取る傍ら、自身のドメーヌでワインを造っています。

ヴォーヌ・ロマネで多くの方に実際飲まれ、口コミ評価の高いワインはどれだろうと、客観的視点から調べてみた結果、比較的値打ちな価格に対する評価が高い傾向を感じたので紹介すべきと感じました。

年間約7000本の生産量という少なさから、出会う確率は少ないワインではありますが、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

《ワイン名》 ジャン ルイ ライヤール ヴォーヌ ロマネ

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《価格》

7000円前後

《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》  ミディアムボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ
《生産者》  ジャン ルイ ライヤール

《特徴》

華やかで繊細
心地よい複雑さも併せ持つ

このワインの特徴は、ブルゴーニュのピノノワールらしい華やかで繊細な風味を持ちつつ、スケールを感じさせるほどではないにせよ、心地よい旨味と複雑さを持ったエレガントな品質にあります。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

3つの区画のブドウを使用
ジャン・ルイ・ライヤールはヴォーヌ・ロマネの3つの区画を所有しており、高低差の違いなどで風味の異なるブドウをアッサンブラージュ(混ぜる)事で、より複雑で風味豊かなワインになります。

平均樹齢50年以上
樹齢の高い古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)は若い樹に比べ、土地の成分を吸い上げる能力も高く、上質な果実を実らせます

全房発酵
一般的にはブドウの粒のみを発酵させるのが主流ですが、粒の付いた枝のような部分を梗(こう)と呼び、その部分も含めて全て発酵させるのが最大の特徴。
それによって、滑らかなタンニンが得られ長期熟成に耐える事や、梗由来の独特の苦味や風味が加わり、複雑な味わいになります。

【外観】
透明感のあるルビーレッド

熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。

【香り】
ラズベリーやイチゴなどのフレッシュな果実香に、バラの華やかさやブラックペッパーのようなスパイシーな風味、ほのかな樽のニュアンスも心地よく感じられます。

熟成するほど果実香は円熟を感じさせる落ち着いたニュアンスになり、土に革製品や紅茶といった熟成香も感じられます。

【味わい】
ピュアでフレッシュな果実味は強すぎず心地よく華やかに広がり、出汁の効いたような心地よい旨味も感じます。
タンニンは穏やかで美しい酸味は味わいをまとめ、心地よい果実や複雑な風味を伴った余韻が続きます。

熟成するほど成分は溶け合う事でなめらかな質感になり、果実味も落ち着きある上質な旨味を伴った円熟味が現れ、革製品や紅茶といった複雑な風味を伴った余韻が長く続きます。

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
その豊かで心地よい香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。

少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち軽快さのある飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。

一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
華やかな香りと、エレガントで繊細な味わいを持った良質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


カプレーゼ


地鶏のグリルをベリーソースで

など、ほど良いコクのある味わいの料理に合わせる事で、華やかなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、華やかで心地よい風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


《こんな場合におすすめ》

比較的手軽な価格でヴォーヌ・ロマネを楽しめるところがこのワインの良いところ。

華やかでほどよい複雑性とエレガンスを持ったバランスの良い味わいは、鶏肉やバターを使用した料理のような、適度なコクを持った料理に合わせる事で、心地よい風味の広がるマリアージュが楽しめるでしょう。

またエレガントなヴォーヌ・ロマネは特別感もありますから、誕生日などの記念日に楽しんだり、プレゼントにしても喜んでいただけるのではないでしょうか。


《こんな場合には不適切!?》

骨格ある男性的なボルドーワインや、果実の凝縮感溢れるカリフォルニアワインが好みの方には、このワインのエレガントさを時に薄く感じてしまう事もありそうです。

新たな発見があれば一番ですが、そのようなワインが好みの方にはおすすめしにくいワインと言えるでしょう。

 

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「軽~い!!浅~い!!ワインに力が足りな~い!!3年熟成の2011はそうね・・普通~~~。」


「3年目の2013はヴォーヌロマネらしいブラックペッパーにベリー系果実、やわらかな酸があり綺麗なワインで村名ワインとしてはまあまあだけど、やはり厚みや複雑性には物足りなさをかんじてしまうかな。」


「このワインは開けてからどんどん変化する味わいを楽しめる。しかし成分はそれほど充実しておらず、デキャンタージュしてしまえば風味が飛んでしまいそうな気がするような品質で、要するに軽いんだね。09は4年目だが私の好みではない。」

良い口コミ

「あ~あ。熟成させるつもりで買ったのに開けちまったぜ!!(笑)赤い果実達をかき集めて搾ったような香りに、バニラや少し動物的なニュアンスもある。繊細で美しい質感で早飲みだっていいじゃねえか!!ヴィンテージは3年熟成の2016だ。」


「6年熟成の2012はエレガントな香りにほどよいスパイスや革製品のニュアンス。しっかり果実の味わいも楽しめるワイン。スケールこそありませんが良質なワイン。」


「3年熟成の2016は若々しい酒質で、ラズベリーやイチゴのようなフレッシュな風味。そしてスパイスや花の香りが追うように感じられ、明るくバランスの良いワインって感じかしら。今飲んで正解な心地よいワインです。」


「若いわりに熟成香がして全体的によくできてるなって思ったよ。2年熟成の2017はまだ角も持っているからじっくり時間をかけて楽しむといい。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると

感動的!!     0%
美味しい     50%
普通       50%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

奥深さやスケール感はそこまで持っていないようですが、適度な複雑性とエレガンスを持った心地よいワインといった傾向が皆様の口コミから感じられました。

比較的若いうちからタンニンや酸が主張しすぎる事もなく、楽しめる傾向もあり、少しの熟成で落ち着きある風味も楽しめるようです。

長期熟成させた方の口コミは見当たりませんでしたが、他の生産者のヴォーヌ・ロマネに比べて、やや軽めの品質はそれほど長期熟成には向かないのではないかと考えます。(15年くらいだと推測します)

 

以上です。

ジャン・ルイ・ライヤールの味わいが想像できましたでしょうか。

想像力豊かな方は、この記事を読むだけで味わいがイメージできてしまったかもしれません。

でもそうでない方は、せっかくここまで読み進めていただいた記念に試してみてはいかがでしょうか。(笑)

冗談はさておき、比較的手頃なヴォーヌ・ロマネという事で、もし期待外れであったとしてもダメージは少ないかもしれません。

キメラの体当たりくらいのダメージでしょうか、ドラクエで言ったら。

たまにドラクエで例えたくなる世代です。

あなたにとって善きワインとの出会いがある事をお祈りしております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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