1817年創業の歴史あるドメーヌ。
ジュヴレ・シャンベルタンなどに最も古いと言われる畑を所有し、優秀な古木も存在。
先代のジョセフ氏は1980年~90年代に「現代ワイン醸造の前駆者」と呼ばれ、ワイン批評家をはじめとする関係者から絶賛された人物です。
極端なジャーナリスト嫌いとして知られていたジョセフ氏は、ドメーヌの情報を公開せず、それ知りたければ、そのワインを飲むのが一番、というわけでした。
残念ながら2008年に亡くなったジョセフ氏の後を継ぎ、現在の当主はピエール・ジャン・ロティ氏。
偉大な父のワイン造りは継承されているかという疑問視もあったようですが、高い品質を維持し続けており、さらなる模索で進化を続けるドメーヌは、今後の飛躍にも期待できる生産者と言えます。
今回選んだ村名ジュヴレ・シャンベルタンも、多くの方々が実際に飲み、口コミで高評価を出しており、良質なジュヴレ・シャンベルタンを選ぶ時に候補に入れるべきワインだと感じたので、紹介させていただく事にしました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ジョセフ ロティ ジュヴレ シャンベルタン
《価格》
【8000~1万円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
《生産者》 ジョセフ・ロティ
《特徴》
優雅で複雑
バランス感覚に優れる
ジョセフ・ロティの特徴は、クオリティーの高い豊かな果実味と複雑なニュアンスを持った、骨格あるジュヴレ・シャンベルタンらしい品質にあり、熟成によってより真価を発揮する品質にあると考えます。
そのようなワインが生まれる理由をいくつか挙げます。
・農薬や化学肥料などを極力使用しないリュット・レゾネ農法の実践により、成分豊かで健全な土壌が育ち、その結果ピュアで成分豊かな良質なブドウが実ります。
・歴史の長いドメーヌの畑は、上質なブドウを実らせる樹齢の高い古木が多く存在しており、土地の豊かな成分を十分に吸い上げる事ができる古木のブドウにより、成分豊かで複雑性のあるワインが生まれます。
・上記のような理由から得られる、成分豊かで上質なワインは、熟成によって成分は溶け合い、円熟味の増したエレガントなワインへと成長していくポテンシャルがあります。
・醸造においてもブドウ栽培同様に、土地やブドウのありのままを表現するため、清澄(ワインの透明度を高める工程)や濾過の工程はあえて行いません。
・強めのトーストされた樽を使用することで、香ばしさの感じられるワインが生まれます。
【外観】
美しいルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリ―にイチゴなどの赤い果実のフレッシュな香りに、カシスなどのフルーティな香りもあり、樽に由来するバニラやコーヒーのニュアンスも感じられます。
熟成するほど果実味は落ち着きあるドライフルーツのような甘やかさも現れ、土や革製品、紅茶のような熟成香も加わり、円熟味を感じさせます。
【味わい】
豊かで洗練された果実味は心地よく広がり、ほどよいタンニンと伸びやかな酸は芯のある味わいを表現し、果実や樽の心地よい風味を残した余韻があります。
熟成するほど成分は溶け合いなめらかさや旨味などが増し、円熟味のある質感に成長し、複雑な風味を残した余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや低めの温度にすれば、酸味を感じやすくエレガントさのある飲み口が楽しめますし、温度を上げるほど甘味を感じやすく酸は穏やかな印象になり、豊かで複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
豊かな香りとエレガントで複雑な味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく温度が少しずつ上がり、甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛赤身のステーキ赤ワインソースで
うなぎのかば焼き
など、豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、豊かで華やかなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑な風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「6年熟成の08はまだ若いかな。ポテンシャルは感じる良いワインで、これからに期待。」
「10年熟成の06は黒い果実の風味で落ち着いた印象。旨味も豊かで良いワインだが、香りはちょっと弱いところが残念かな。」
【良い口コミ】
「とても成分の充実した印象で、本当にピノ?と思ってしまうような甘やかさがあり、樽もよく効いている。酸味もほどよく心地よいもので、これは早飲みにも向いた良いワインだと思う。5年目の2013。」
「派手さこそないものの、バランスが取れており飲み飽きしない心地よさがある。いいね。4年目の2011は。」
「10年熟成の2006。絹のようななめらかさと繊細な味わい。ブルゴーニュの奥深さを感じさせる素敵なワインです。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 7%
美味しい 53%
普通 40%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動するほど良い評価をする方は少ないにせよ、成分豊かな品質に好感を持った方が多かった印象です。
5年程度の熟成では、ヴィンテージにもよりますが、やや硬いという意見と若いうちから楽しめるという意見の両方がありました。
熟成させたものは、円熟味の増した味わいを高く評価している方がほとんどで、満足度の高い傾向も感じられました。
いずれにせよ、このワインを悪く評価する方は私の調べた限りでは見当たらず、安定して良質なワインを生んでいる生産者と言えるでしょう。
以上です。
ワインを造る生産者は星の数ほどたくさん存在します。
ビールに日本酒、焼酎にウイスキーなどに比べて圧倒的に種類が多です。
これは、ブドウの産地・品種の多さによる味わいの違い。
造り手による味わい、あるいはヴィンテージによる違い。
などがありますが、それを好んで飲んでくれる消費者がいるという事も大きな理由です。
飲む人がいなければ、誰もワイン造りません。(笑)
飲んでくれる消費者がいて、いろんな生産者達はどんどん品質を向上させ、ワイン界は盛り上がっていくのでしょう。
そうです、このような記事にも目を通していただき、興味を持ち、そしてワインを飲んでくださるあなたは、まさにワイン界の宝なのですね。
ありがとうございます🎵
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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