20年を超える熟成古酒をすぐに楽しめる希少な生産者。
ただ古いだけでなく、健全な熟成によって素晴らしい仕上がりになっている事は口コミ(vinica)からも伝わるものでした。
いつもとはちょっと違ったワインを楽しみたい時。
熟成古酒とはどのようなものか知りたい。
そんな方にもおすすめできる優良銘柄だと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》カリン セラーズ シャルドネ
《価格と基本情報》
【8000前後】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 アメリカ>カリフォルニア
《生産者》 カリン セラーズ
カリン セラーズはワインを10年以上熟成させ、飲み頃に達してから出荷する希少なワイナリーです。 1977年。カリフォルニア北部のマリン カウンティにテリー レイトン氏とフランセス夫人によって設立され、全て2人でワインを造るという稀有な存在。
レイトン氏は世界中の高級ワインの大半は、本当の素晴らしさが現れる前に飲まれていると嘆いており、自身のワインは飲み頃に達してから出荷していますが、それを実現するには「熟成に耐える上質なワインを造る力」「豊富な資金」「辛抱強さ」が必要なのです。 造られるワインの総量は7000ケースと少なく、今回紹介しているシャルドネは日本の一般消費者にも好評。
パーカーポイントでも以下の高得点を獲得しています。
1990VT 94点
1994VT 94点
1995VT 95点
《味わいの特徴》
円熟し厚みのある果実味
ナッツや蜜のニュアンスも加わった
複雑でリッチな熟成古酒
【外観】
深みのあるイエローゴールド
熟成が進むほど琥珀色に近づく
【香り】
黄桃や杏子といった熟した果実に、蜂蜜、ドライフルーツ、ブリオッシュ、バニラ、黄色い花なども加わり、複雑かつ芳醇な香りが広がります。
【味わい】
円熟した果実味のリッチさや蜂蜜のような甘美さがありつつ、美しい酸が味わいを引き締める上品さも兼ね備えておりバランスは良好。
熟成を感じさせるナッツやブリオッシュの風味も心地よく、長い余韻が楽しめます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ブドウの質■
この銘柄に使用されるブドウは、冷涼で痩せた土壌で育てられています。
冷涼さは美しい酸を、痩せた土壌は果実の成分を凝縮させる効果があり、凝縮感ある果実味と凛とした酸を両立したワインが生まれます。
また、機械ではなく丁寧な手摘み収穫を行うことで、ブドウを傷付けることなく良質なブドウが収穫でき、雑味無く長期熟成にも耐えるワインを生む事ができます。
■樽熟成■
収穫し醸造されたワインは新樽比率50%のフレンチオークで10か月熟成されます。
古樽に比べ樽の風味が反映されやすい新樽を50%使うことで、バニラやブリオッシュのようなニュアンスが適度に反映されます。
■長期熟成■
樽熟成を終えたワインは瓶詰され、長期間熟成されます。
オーナーであるテリー レイトン氏の信条は、ワインの本当の素晴らしさを楽しむには長期間の熟成が必要という事。
最低でも10年の熟成を経る事で「旨味」がピークに達し、それからようやく出荷される事で、円熟し複雑で旨味たっぷりの味わいがすぐに楽しめるよう考えられています。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸味が際立ち引き締まった印象になり、エレガントな飲み口になります。
温度を上げるほど複雑な風味が広がり、ボリューム感ある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から10~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、カリフォルニア白のヴィンテージチャートとパーカーポイントも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 4(94)
1991年 3
1992年 4
1993年 4
1994年 3(94)
1995年 4(95)
1996年 3
1997年 4
1998年 3
1999年 3
2000年 4
2001年 4
2002年 4
2003年 3
2004年 4
2005年 3
2006年 3
2007年 4
2008年 3
2009年 4
2010年 4
2011年 3
2012年 4
2013年 5
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4
()内はパーカーポイント
《適正グラス》
【小ぶりor中庸で膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な飲み口が楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、複雑な風味の広がる味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
アワビバター
平目のムニエル
など、上質でコクのある味付けを施された料理との相性が良く、ワインが料理を、料理がワインを引き立て合うマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
5000円で20年物の古酒が買えるなんて素敵すぎる!♪円熟してトロミがあり、クドさの無い甘味がありますね。
ココナッツの風味が最初にくる感じがカリフォルニアって感じですね。リッチな果実味と角の無い酸味があり、好きなワインですね♪
24年経過した1996はブランデー、ナッツ、カラメルなどの複雑な熟成香。凝縮し円熟した果実味はシルキーな飲み口で、豊富だが角の取れた酸は味わいの輪郭を形成している。後口のボリューム感と芳ばしい余韻も長く、素晴らしい熟成ワインだと思う。
味は濃いけど主張しすぎないので和食にも合いそうです!♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 10%
美味しい 57%
普通 33%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
口コミの量はそれほど多くはありませんが、熟練のワインラバーの方々がこのワインを楽しんでいる傾向で、ネガティブコメントはゼロ。
熟成古酒が手頃な価格で楽しめて非常に良いといった意見が多い傾向で、円熟し深みのある味わいへの評価もとても高いと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
カリン セラーズ シャルドネは
【価格】
8000前後
【味】
円熟し厚みのある果実味。ナッツや蜜のニュアンスも加わった複雑でリッチな熟成古酒。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から10~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
カリフォルニア白のヴィンテージチャートとパーカーポイントは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 4(94)
1991年 3
1992年 4
1993年 4
1994年 3(94)
1995年 4(95)
1996年 3
1997年 4
1998年 3
1999年 3
2000年 4
2001年 4
2002年 4
2003年 3
2004年 4
2005年 3
2006年 3
2007年 4
2008年 3
2009年 4
2010年 4
2011年 3
2012年 4
2013年 5
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4
()内はパーカーポイント
【口コミ】
口コミの量はそれほど多くはないが、熟練のワインラバーの方々がこのワインを楽しんでいる傾向で、ネガティブコメントはゼロ。
熟成古酒が手頃な価格で楽しめて非常に良いといった意見が多い傾向で、円熟し深みのある味わいへの評価もとても高いと感じた。
以上です。
あなたのワイン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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