第74回 シチリア州のワインの特徴とDOCG

産地別ワインの特徴


サイト全体像がわかる【もくじ】はコチラ

 

イタリア担当の先生その6
【好きな言葉】天に帰るに人の手は借りぬ。

「イタリアもいよいよ終わりだな。最後は私が相手になろうか。」

おぉ!なんだか頼りがいのありそうな先生ですね。

 

さて、イタリア最大の州であるシチリアです。大きな島で、海抜レベルの畑から標高1200mの畑まであり、様々な土壌・気候を持つ産地からは多様なワインが生み出されています。

1、シチリア州の 基本データ

場所です。

【ワイン生産量】
・約450万ヘクトリットル
※ピエモンテ州の倍程度

【ブドウ栽培面積】
・約11万ヘクタール
※トスカーナの倍程度

【主要品種白ブドウ
カタラット
シチリアで最も栽培される品種で、カタラット○○という下品種も多く存在します。アルコール度数が高く、レモンのようなフレッシュさがあり厚みもあるワインを生みます。

アンソニカ
華やかな香りで優美な味わいのワインを生みます。

「シチリアではインツォリアと呼ばれるんだ。さぁ、一杯飲もうか。」

グレカニコ
アロマティックで繊細さのある豊かな味わいのワインを生みます。

ジビッボ
アロマティックな味わいで、陰干しブドウによる甘口のパッシートで有名な品種です。

「グハァ・・。マスカットの別名だぁ。そんな事より・・我覇者なり。」

あれ?先生!?急にどうしたんでしょう。

カッリカンテ
DOCエトナの固有品種で、酸が非常に強く長期熟成で真価を発揮します。

「長期熟成?俺の長期政権の始まりだぁ・・。始まりだぁ!」

酔っぱらったのかな?
「心配することはありませんよ。」

シャンパーニュの先生!!
お久しぶりです。

「元気で頑張っていますね。私も嬉しいです。実は今回の先生は私の兄でね、お酒が入ると気持ちが大きくなるんですよ。危害は与えませんし、すぐに酔いも覚めますから大丈夫ですよ。」

そうでしたか(笑)

【主要品種黒ブドウ
ネーロ・ダヴォラ
シチリアを代表する黒ブドウでプラムのように非常に濃厚な果実味を持ち、力強いワインを生みます。

「別名はカラブレーゼだ!ガルル・・そんな事より赤ワインには肉だ!・・肉だぁ!!」

ネレッロ・マスカレーゼ
やや淡い色合いで、酸とタンニンの豊かなワインを生みます。

ネレッロ・カップッチョ
色濃く果実味のしっかりとした味わいです。

フラッパート
華やかな香りを持ち軽めで優美なワインを生みます。

2、シチリア州の ワインの特徴

多様性
大きな島で気候も様々。さらに固有品種も多くそれぞれの個性も様々な為、様々なタイプそして様々な味わいのワインを生みだしています。

3、シチリア州 1つのDOCGと主要DOCとその特徴

 

1つDOCG

チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア
赤のみ
使用品種 ネーロ・ダヴォラ主体にフラッパートを補助
シチリア唯一のDOCGで、力強いネーロ・ダヴォラに華やかで繊細なフラッパートがブレンドされることで軽やかさも加わりバランスの良い味わいになります。

主要DOC

《エトナ》
ロゼ
・使用品種黒ブドウ ネレッロ・マスカレーゼネレッロ・カップッチョ
・使用品種白ブドウ カッリカンテカタラット
・エトナ火山周辺に位置し、標高300m~1200mの火山性土壌のこの産地では、非常にフレッシュでエレガントなワインが生まれます。

温暖なシチリアだが、この標高と土壌によってこのような涼しさを感じさせる味わいになるわけだぁ。
あれ?酔いが覚めた模様です。
白ワイン主要品種のカッリカンテは非常に酸が強く、熟成によってリースリングのような深さが現れます
ロゼ主要品種のネレッロ・マスカレーゼは淡い色合いで厳格なタンニンを持ち、ネレッロ・カップッチョは色濃く果実味のしっかりとした味わいです。
この2つをブレンドしたエトナの赤・ロゼワインはみずみずしく繊細で熟成にも向いています。注目の産地です。

ファーロ
赤のみ
・主要品種 ネレッロ・マスカレーゼネレッロ・カップッチョ
・エトナと同じ品種から造られますが、エトナよりもやさしい味わいが特徴です。

エローロ
ロゼ
・使用品種 ネーロ・ダヴォラ主体
凝縮された果実味とフレッシュな酸を持った複雑なワインとして知られます。

《アルカモ》
ロゼ
・主要品種黒ブドウ ネーロ・ダヴォラ主体
・主要品種白ブドウ カタラット主体
・様々なタイプのワインを生みますが、カタラット主体に造られるフレッシュでかすかな苦味と塩っぽさを持った爽やかな白ワインが有名です。

マルサラ
酒精強化ワイン
・主要品種黒ブドウ ネーロ・ダヴォラなど
・主要品種白ブドウ カタラットなど
・島の西端で造られる偉大な酒精強化ワインです。
一時は質の悪いものが大量に生産されましたが、近年では品質も向上し繊細で複雑なものが造られるようになりました。
ポート、シェリーと並んで高く評価される酒精強化ワインです

 

■まとめ■

イタリア最大のシチリア州では、様々なタイプのワインが多く生産されている。

DOCGの【チェラスオーロ・ディ・ヴィットリアDOCの【エトナ】や【マルサラ】は品質も高く有名。

 

以上です。

いかがでしたか?
ネーロ・ダヴォラの赤ワインは非常に濃密で、インクを感じさせるほどの凝縮感です。温暖な産地のワインという印象です。
一方エトナはとてもエレガントで、ブルゴーニュを思わせるほどの品質です。
同じ州からこんなにも違った味わいが生まれるんだと思えます。

 

私が選ぶ飲むべき一本です
【エトナ ロザート ジローラモ・ルッソ】
とてもバランス感覚に優れたワンランク上の辛口ロゼです。

よかったらお試し下さい。

他にもいろんな固有品種がありますからぜひ一つ一つ確かめていきたいですね。


「シチリアのワインは実に多様で興味深いものである・・。途中の記憶が無いが・・・。」

え?覚えてないんですか!?
アンソニカ一杯飲んだだけですけど(笑)


こうで、

こうでしたよ。


「!!」

本当に覚えてないんですね!!
でも、言うべきことは言ってましたから大丈夫です!!

次回もよろしくお願いします。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました