1000円台のモーゼルの辛口リースリングで最もおすすめ。
奥深さを求める方にはおすすめできませんが、手軽な価格のワインとしてのレベルの高さが口コミから読み取れました。
効率性を重視し、全ての作業をほとんど一人で行うことでコストを抑える努力をしており、知名度こそ低くとも注目すべき生産者だと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》トーマス バルテン リースリング トロッケン
《価格》
【1300前後】
《ブドウ品種》リースリング
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 ドイツ>モーゼル
《生産者》 トーマス バルテン
トーマス バルテンは手軽で高品質のワインを造るモーゼルのワイナリーです。
2022年現在当主のトーマスバルデン氏は、効率的かつ合理的な手法で高品質なワインを造るかを常に研究しており、ほとんどの作業を一人で行うことがコスパの良いワインを生む要因の一つになっています。また、ドイツワインでは珍しくマロラクティック発酵をさせたり(2022年現在はしていない)、モーゼル=リースリングといった固定概念にとらわれない様々な品種の導入など、チャレンジ精神旺盛な一面もみられます。
知名度こそ高くありませんが、そのコスパの良さでも日本の消費者から高い支持を集める生産者です。
詳しくは輸入業者の稲葉様のページで確認できます。
《味わいの特徴》
フルーティーで軽快
適度にコクもあるバランス型で
心地よい飲み口
【外観】
グリーンがかった淡いレモンゴールド
【香り】
青リンゴや柑橘類の爽やかさに白い花のフローラルさも加わった豊かな芳香。
温度が上がるほどラフランスや蜂蜜のようなニュアンスも加わります。
【味わい】
ほのかな甘味を伴った果実味は適度に厚みがあり、上品に引き締める酸と相まってピュアで上品な飲み口。
後口にほのかな苦味とコクも感じられるバランス良い味わいです。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
辛口から極甘口まで幅広いタイプを生むリースリングですが、共通してリンゴや白い花の香りがあり、キレの良い酸味を持っています。
また熟成を経ることで石油を思わせるぺトロール香が出てくることも特徴的な品種です。
産地によって傾向は異なり、このワインを生む冷涼なモーゼルからはアルコール低めで酸は高め、繊細で透明感のあるエレガントな味わいが生まれる傾向です。
※モーゼルと並んでリースリングの有力産地ラインガウからは、やや温暖な気候もあり円熟した厚みを感じさせるワインが生まれる傾向です。
■天然酵母■
「ワインは自然なものであるべき、そして自然のままであり続けるべき」と考えるトーマス氏。
人工的に培養された酵母ではなく、果皮についた天然酵母の力だけで発酵させており、より土地の個性が反映されたワインが誕生します。
■酸を抑える手法■
上記で解説した通り、冷涼なモーゼルでは酸が豊富なワインが生まれる傾向。
そのためシャープな酸をまろやかな酸に変化させるマロラクティック発酵をおこなっていましたが、2022年現在では畑にマグネシウムを撒くことで酸を抑える手法を行っています。
■遅めの収穫■
通常4週程度の熟成期間でブドウは収穫されますが8~12週待ちます。
熟成期間を長くすることでブドウは熟し、香り豊かで力強さのあるワインを生みます。
《飲む時の適正温度》
【5℃~10℃】
よく冷やせば酸味が際立ちキレの良い飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象になり、フルーティな風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりor中庸で膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、広がりある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
地鶏のグリルをレモンと塩で
適度なボリューム感と上品さを持ち合わせたバランス良い白ワインです。
比較的繊細な魚介の料理などにも合いますが、ほどよくコクのある鶏肉料理などとの相性も良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
開けた日は大根の煮物に合わせて美味しかったけど、3日目はやや苦味やエグ味があるような。食べ合わせが良かったのかな?
【良い口コミ】
これは中々コスパ良しですね!ミネラリーで涼しげな味わいで、夏の昼下がりに楽しみたいですね♪
マロラクティック発酵させるドイツワインは珍しいですね。とはいえ酸は豊富で爽やかさもありつつ角が無い印象で、雑味の無いクリアで上品な造りににも好感が持てます。青リンゴや白い花のフローラルな香りも温度が上がると蜜やピーチのニュアンスも加わってきました。柑橘類を搾ったポン酢との相性も良く、とても満足な一本でした。
1000円台前半にしては適度にコクがあり、軽快さだけではないですね。辛口リースリングの経験値はほぼ無かったけど、コスパを含めて良いと感じました。
リースリングってたまに飲みたくなるんだよね~~。花のようなフローラルさに適度なぺトロール。引き締める酸があるので料理との相性も良く、スルスル飲めちゃうワインでした♪♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 30%
普通 70%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
1000円台前半のワインとしては満足度の高い銘柄でした。
奥深さや複雑性は無く感動は無くとも、否定的コメントも特になし。
普通評価をする方が最も多かったですが、価格を考慮すれば納得あるいは満足している方が多い印象です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
トーマス バルテン リースリング トロッケンは
【価格】
1300前後
【味】
ほのかな甘味を伴った果実味は適度に厚みがあり、上品に引き締める酸と相まってピュアで上品な飲み口。
後口にほのかな苦味とコクも感じられるバランス良い味わい。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
1000円台前半のワインとしては満足度の高い銘柄。
奥深さや複雑性は無く感動は無くとも、否定的コメントも特になし。
普通評価をする方が最も多いが、価格を考慮すれば納得あるいは満足している方が多い。
以上です。
白ワインと言えばシャルドネやソーヴィニヨンブランが有名ですが、違った個性を持つリースリングを知ることも楽しいですね。
リースリングを知ることで、シャルドネやソーヴィニヨンブランらしさが理解できたりもします。
いろんなワインを楽しんでいただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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