ワイングラスっていろんな形のものがあって楽しいですね。
それではなぜそんなに様々な形のグラスがあるのでしょう。
それは様々な香り・味わいを持ったワインがあり、それぞれのタイプに最適な形状があるからなんですね。
今回は、どのようなタイプのワインにどのような形のグラスを合わせるべきかについて解説していきます。
と、その前に知ること。
人間の舌、つまり味覚の感じ方についてです。
■舌の味覚地図■
※字が独特ってよく言われます。。
ヘタなんです。。。
舌の部位には、甘味・酸味・苦味・渋味を感じやすい部分があります。
ただし、あくまで感じやすいのであって甘味は先端でしか感じられないという意味ではありません。
味わいは舌全体で感じますが、より感じやすい部分があるという意味です。
つまり独特画像に書いてあるように、先端は甘味、両脇は酸味、奥は苦味・渋味・を感じ取りやすくなっています。
いろんなもの食べてますからなんとなく想像つきますね。
ワインのタイプ別 グラスの選び方
ちょっと見にくいですが、私がお店で使っているグラスです。
ワイングラスはあまり細かい事を言わなければ、この5種類があればおおよそのワインに対応できます。
右から、
- スパークリングワイン用
- スッキリカジュアルタイプの白ワイン用
- ふくよかで芳香性豊かな上質白ワイン用
- 酸は強めで豊かな香りを持つ赤ワイン用(ブルゴーニュタイプと呼ばれます)
- 渋味のある力強い赤ワイン用(ボルドータイプと呼ばれます)
それではひとつずつ解説しましょう。
1、スパークリングワイン用グラス
※もちろんスパークリングワインを入れますが、液体の流れ方を見やすくするため赤ワインを入れてます。
■きめの細かい泡立ちの外観を楽しめる細長い形をしています。(これはちょっと短いほうですが・・)
■空気に触れる部分も少ないため、炭酸が抜けにくい形です。
■小ぶりのグラスは空気に触れる面積も小さくワインの温度が上がりにくいです。
■写真のようにワインは飲み口に向かって細く尖ってますね。よってワインは細く口に入ります。そのため舌先にまず触れることで甘味を感じ、細く入ることで舌の中心を流れ酸味を感じすぎさせない形に設計されています。
2、スッキリカジュアルタイプの白ワイン用グラス
※これも見やすいので赤入れてます。
■やや小ぶりのグラスで空気に触れる面積も小さいため温度が上がりにくく、よく冷えたスッキリ軽快なワインにぴったりです。
※フレッシュで軽快なカジュアル赤ワイン(ボージョレとかマスカットベーリーAなど)は冷やしてもおいしいですから、このタイプのグラスでもいいですね。
■スパークリングワイン用同様に飲み口に向かってワインは尖っていますね。
ですから甘味を感じとりやすく、酸味は程よく感じられます。
3、ふくよかで芳香性豊かな上質白ワイン用
※赤をあえて入れてます。
■ふくらみのあるやや大きめの形状ですね。
よって香りも取りやすいため、複雑な芳香性豊かな上質ワイン(シャブリグランクリュやムルソーなど)に向いています。
■ワインは飲み口に向かって穏やかな丸みを帯びています。
よって幅広の形で口に入るため酸味も感じやすく、広がりがあるため全体の調和を楽しめる形に造られています。
やわらかな酸を持ち凝縮感あるワインにぴったりです。
4、酸は強めで豊かな香りを持つ赤ワイン用
■ブルゴーニュタイプです。
ブルゴーニュと言われるだけあってピノノワールのためのグラスと言っても良いくらいですが、ネッビオーロにもよく合いバローロやバルバレスコも良いです。
■ふくらみがあり飲み口に向かってすぼまっている大きい形のグラスです。
バルーン型とも言います。
香りを逃がさない形ですから、豊かな芳香性を持ったワインに最適です。
■飲み口に向かってすぼまることで、ワインは細くそして早く口の中に流れ込みます。
よって甘味を感じる部分にまず触れた後、直接は酸を感じやすい部分には触れないように流れる形に設計されています。
酸を立たせすぎない事でよりバランスよくエレガントな味わいを感じられるように考えられているんですね。
5、渋味のある力強い赤ワイン用
■ボルドー型で、チューリップ型とも言います。
ピノノワールやバローロなど以外で幅広く役立つ赤ワイン用の定番グラスと言ってもよいでしょう。
■大振りで香りもブルゴーニュ型ほどではないものの感じとりやすいです。
■ワインは飲み口に向かって穏やかな丸みを帯びていますね。
そのためゆっくりと広い幅で口に入ってきます。
そのため酸を感じる部分にも直接触れ、渋味をやわらげつつボディを楽しめる形に設計されています。
カベルネソーヴィニヨンなどの渋味のある力強いタイプに最適です。
以上です。
これを理解して好みのワインに合うグラスを選んでください。
そしてもう一つ大切なのはグラスの薄さです。
グラスが薄いことでグラスの口当たりが抑えられ、ワインがダイレクトに流れ込みますから、よりおいしく感じられますね。
ちょっとお高く割れやすいですが…
というわけでおしまいです。
適切なグラスという事で紹介しましたが、これでなければいけないというものでもありませんから、いろいろ試してみて下さい。
大きいグラスで飲んだほうがゴージャスな気分がしていいから全部ブルゴーニュタイプを使う方もいらっしゃいますし、いろんなグラスで同じワインを飲んで違いを楽しむのいいですね。
あまりとらわれすぎないことも大切ですね!!
そうですワインは楽しむことが大前提ですからね。
いや、人生もきっとそうですね。
あなたの素敵なワインのある生活が豊かになる事を願っています。
ワインをおいしく飲むための知識は他にもあります。
・第9回 STEP1序章
・第10回 STEP2ワインの飲み頃
・第11回 STEP3ワインの温度
・第12回 STEP4デキャンタージュの意味・目的
・第13回 STEP5ワイングラスの選び方
・第14回 STEP6ワインを味わう順
・第15回 STEP7ワインと料理との相性
・第16回 STEP8ワインの保存方法
よかったら、確認してみて下さい。
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