「酸や渋味が穏やかで、濃厚で優しい味わいが好き。」
今回はそんな方におすすめする銘柄です。
メドック格付けワインの中でも、指折りの人気シャトーであるシャトーランシュバージュが、ラングドックで手掛けるワイン。いくつかあるラインナップはどれも好評で、前回エスティバルを紹介しました。今回はその格上にあたりこのドメーヌにおける最高峰のワインです。
エスティバルと同じく口コミの量こそ少ないワインですが、その口コミ内容を拝見すると、紹介すべきワインであると感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》 ドメーヌ ロスタル ミネルヴォワ ラ リヴィニエール
《価格》
【4000円前後】
《ブドウ品種》
・シラー
・カリニャン
・グルナッシュ
・ムールヴェードル
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ラングドック ルーション地方>ミネルヴォワ>ラ リヴィニエール
《生産者》 ドメーヌ ド ロスタル(シャトー ランシュ バージュ)
ドメーヌ ド ロスタルはランシュ ヴァージュが南フランスで手掛けるワイナリーです。
メドック格付け第5級であるランシュ ヴァージュは、「2級に匹敵する」と評価されるほど高品質なワインを生むことで知られる人気シャトー。現オーナーであるカーズ ファミリーが1939年にシャトーの所有者になり、代々シャトーを管理し続けたカーズ家によって品質は向上し、現在の高い評価を得るまでに至りました。ドメーヌ ド ロスタルは、そんなカーズ ファミリーがラングドックのミネルヴォワで手掛けるワイナリーで、「ロスタル」とは「家族」を意味しています。ここで紹介している「ミネルヴォワ ラ リヴィニエール」は、ミネルヴォワの中でも最も優れたテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)を持つ産地で、このドメーヌにおけるトップキュヴェとされているワインです。
ボルドーで培った優れた技術と、ラングドックらしさを融合させるべく造られたワインは、本家ボルドーと同じく高い品質で消費者を楽しませています。
《味わいの特徴》
香り高く濃厚で優しい味わい
このワインの特徴は、果実やスパイスに樽も加わった芳醇な香りがあり、濃厚な果実味はしなやかなタンニンと相まって優しい味わいを表現しているところです。
また、質の高いブドウに由来する味わいは雑味がなく、適度な酸とコクからは、バランスの良さと奥深さも感じられます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■テロワール■
ミネルヴォワの中でも特に優れたテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)がある事で知られる「ラ リヴィニエール」。昼の温暖さと豊富な日照はブドウを完熟させ、渋味は穏やかでリッチな果実味を表現。また、夜間の涼しさにより適度な酸味も持ちあわせたバランスの良いワインが生まれます。
■一流生産者の手腕■
具体的栽培方法や醸造に関する情報がなく、ザックリとした言い方になってしまいますが、オーナーであるジャン シャルル カーズ氏は、ラングドックらしさ(豊潤な果実感)とボルドーらしさ(複雑性や骨格)を融合を図ろうとしています。
長年ボルドーで培った技術を反映させたワインは、バランス良く雑味の無いもので、その目的を見事に表現していると言えるでしょう。
【外観】
紫がかった深いルビーレッド
【香り】
ブラックベリーやプルーンなどの豊潤な果実香で、ジャムを思わせるチャーミングさも垣間見えます。ブラックペッパーやシナモンなどのスパイス香に、樽の風味も加わった心地よい香りが広がります。
【味わい】
凝縮感のある果実味はリッチで飲み応えがありコクも豊か、角の取れたタンニンは非常にしなやかで優しい飲み口を引き立てます。穏やかな酸味がバランスを整えると、心地よい風味を残した余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや低めの温度にすれば軽快さが増し、上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2年~10年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいをバランス良く感じやすくなります。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
キンキの煮付け
ブルーチーズ
コクの深い肉料理はもちろん、甘辛く炊いたキンキなどの煮魚などとの相性も良く、優しいワインの果実味が寄り添い、そして互いを引き立て合います。
また、豊潤なワインの味わいは、塩分の強いブルーチーズとの相性も非常に良いですね。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
6年熟成の08は優しい果実味主体のワイン。悪い訳ではないけど、タンニンが不足気味なのかメリハリに欠ける印象もあるかな。。。
【良い口コミ】
まとめ買い必須の大好きな味。4年熟成の2011は優しく濃厚な果実味と豊富なタンニンがあり、温暖な産地らしい味わいでエレガントさや深みも感じられる。とてもわかりやすい美味しさだから万人受けするでしょうね。
おぉ。。。これは中々ハイレベル。4年熟成の2012は余韻に素晴らしさがあり、変化する香りも非常に楽しい。さすがランシュバージュといったところでしょう。
抜栓後4日経過してますが、果実の濃厚な香りと少しのスパイス香が広がり、渋味のない優しい味わいが楽しめました♪
という皆様の声でした。
その他にもいくつかの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 42%
普通 58%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
そもそも口コミ量の少ないワインでしたが、少ないながらも満足度は高く、クオリティー高さが伝わってくる口コミの数々でした。
濃厚で優しい果実味主体でコクがあり、バランスの良い味わいといった印象。柔らかなタンニンについては物足りないとネガティブに捉える意見もありましたが、優しい飲み口とポジティブに捉える方が多い印象でした。
メドックの人気格付けシャトーであるランシュ バージュが手掛けるという信頼も加わって、試してみたいワインだと個人的にも思いました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドメーヌ ロスタル カーズ グラン ヴァン ミネルヴォワ ラ リヴィニエールは
【価格】
4000円前後
【味】
果実やスパイスに樽も加わった芳醇な香りがあり、濃厚な果実味はしなやかなタンニンと相まって優しい味わいを表現。
また、質の高いブドウに由来する味わいは雑味がなく、適度な酸とコクからは、バランスの良さと奥深さも感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2年~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
口コミ量こそ少ないがら満足度は高く、クオリティー高さが伝わってくる。
柔らかなタンニンについては物足りないとネガティブに捉える意見もあるが、優しい飲み口とポジティブに捉える方が多い印象。
こちらから探せば出会えるワインですが、街で簡単に見つかるようなワインでもありませんから、そんな掘り出し物感も魅力なのではないかと感じています。
読んでいただき、ありがとうございました。
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