カッシーナ キッコ バローロ

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手軽な価格のバローロでおすすめできる銘柄は?

そう質問されたら、この銘柄を候補に必ず挙げます。

力強くも繊細で深みのある味わいがあり、時間経過で変化し向上する味わいも魅力的。

口コミ(vinica)では否定的コメントは非常に少なく、価格を考えると満足せざるを得ないと感じる方もチラホラで、とても印象的なバローロでした。

5000円以下でバローロをお探しならロベルトサロットも見逃せませんが、カッシーナ キッコも必ず候補に入れるべきです。

この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。

《ワイン名》カッシーナキッコ バローロ

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《価格》

4000円前後

《ブドウ品種》ネッビオーロ
《ボディ》  ミディアムボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   イタリア>ピエモンテ州
《生産者》  カッシーナ キッコ

プロフィール
カッシーナ キッコは、1950年からピエモンテ州でブドウ栽培の歴史を持つ生産者。 

2015年現在2代目のフェデリコ ファチェンダ氏が社長で、息子で3代目の兄マルコと弟エンリコと共にトップレベルのワインを生むことを目指し、試行錯誤そして改善を続けています。
ワイナリーがあるカナーレでは、知らない人がいないほどの人気者のフェデリコ氏は、土地の個性が感じられる歴史的畑を購入すること力を注いできました。そんなカッシーナ キッコは、イタリアの権威あるワイン誌「ガンベロ ロッソ」で最高賞のトレビッキエリを獲得するなどの実績もあります。

ちなみにワイナリー名のカッシーナは「農家」、キッコは初代の祖父の代から「Chicu」キクと呼ばれた一族の愛称に由来しています。

《味わいの特徴》

適度な強さと繊細さ
複雑さを持ち併せた
ハイコスパバローロ

このワインの特徴は、骨格あるタンニンや美し酸、出汁が効いたような旨味を伴った心地よい果実味や、ドライフルーツや腐葉土のような複雑な風味が感じられるバローロらしさがあるところ。
突出したスケール感はありませんが、ほどよい奥行きや上品さを感じられる味わいで、価格が非常に手頃である事も見逃せない特徴です。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

品種の個性
バローロに使用されるネッビオーロは、ピノノワールに近い透明感のある色調。そして強めの酸と収斂(しゅうれん)性のあるタンニンが特徴的で、適度な果実味と出汁の効いたような旨味が感じられます。
長期熟成で酸やタンニンはワインに溶け込むことでしなやかさが増し、タバコ、トリュフ、革製品など複雑な風味を伴った深い味わいが現れてきます。

優れた畑
モンテフォルテ ダルバの古い区画であるカステッレットの畑のブドウから造られるワインです。
土地の個性が感じられる畑を長年研究してきたカッシーナキッコが2007年に購入した畑で、豊富な日照条件や泥灰質土壌からは、土地の個性を反映した豊潤で余韻の長いワインが生まれます。

収量制限
1本のブドウの樹から2㎏以上のブドウが実らないように、剪定するなどして調整します。
残されたブドウには成分が凝縮され、風味豊かなワインを生みます。

伝統的手法
《長期マセラシオン》や《大樽での熟成》はバローロの伝統的手法。

40日間の長期マセラシオン(種や皮をワインに漬け込んだ状態)を実施。
その後大樽で約2年熟成後、さらにステンレスタンクで約1年。ボトリング後8ヶ月寝かせてから出荷されます。

長期マセラシオンでは酸素に触れる時間の長さから、腐葉土やキノコなど複雑な風味が加わります。
大樽はモダン派が使用する小樽(バリック)に比べ、長期熟成に必要な酸やタンニンを残す効果があり、骨格あるバローロを生む傾向です。

 

【外観】
ガーネットを帯びた深みのあるルビーレッド
熟成するほど透明感のあるレンガ色に近づきます

【香り】
ラズベリーやチェリーなど赤い果実のフレッシュさに、レーズンのような落ち着いたニュアンス。スパイスや樽の風味にドライフラワーの香も加わり上品で複雑な香りが広がります。

【味わい】
凝縮感のある果実味は適度な甘味や出汁が効いたようなコクを伴い、豊富でシルキーなタンニンはバローロらしい骨格ある味わいを表現。美しい酸味が味わいをまとめると、心地よい果実味やスパイスなどの複雑な風味を残した余韻が続きます。

 

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~25年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
参考までに、ピエモンテ州のヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1990年 
1991年 2
1992年 2
1993年 3
1994年 2
1995年 3

1996年 
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑でエレガントな香りと、繊細で深みのある味わい持ったワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


地鶏のグリルをベリーソースで


鴨鍋

上品さと複雑さを持ち合わせたバローロで、料理とワインが互いを高め合うマリアージュが楽しめるでしょう。
合わせる料理も適度なコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

バローロの良さを発揮しきれてない感じ。5年熟成の2013は若すぎたのかな?時間が経つと酸とタンニンのバランスが良くなりますけどね。普通で。。。

良い口コミ

これ4000円!?文句の付けようのないコスパバローロですね!!4年熟成の2015で若いのですが既に開いており素晴らしい。そして抜栓翌日の味わいには感動を覚えてしまいました。


5年熟成の2015。開けたては繊細で薄旨系な感じですが、時間経過でレーズンを思わせる甘美な香りも現れいい感じに。終始キレイな酸味とシルキーなタンニンも心地よく、コスパも良い方だと思いますよ。


4年熟成の2011はネッビオーロらしい力強くも繊細さを両立した味わい。若いワインだけど大人びた雰囲気も持っていて、人間なら35歳くらいの感じかな~~。美味しいですね♪♪


同じくお手軽なバローロを生産するフォンタナフレッダよりも構造がしっかりしてて、ボリューム感も勝る印象。私はこのキッコの方が好みです!!

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!    17%
美味しい     57%
普通       26%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

非常にコスパが良いバローロというのが第一印象。

否定的なコメントはほとんど無く、力強さと繊細さを両立した味わいに高評価を与える方が多数。その手軽な価格帯も含めて感動的評価を与える方もチラホラ見られました。

そして、若い場合は抜栓直後よりも時間が経過してから、さらには翌日以降の方が良くなったという意見も多い傾向。
長期熟成酒に対するコメントはありませんでしたが、その傾向からは熟成で向上するワインである事も伝わるものでした。

5000円以下のバローロは価格なりの評価を受ける銘柄も多い印象ですが、その中でも最も満足度が高いと感じたのが私自身も大好きなロベルト サロット
そしてそれに続くのがカッシーナ グラモレーレと並んで、このカッシーナ キッコではないかと感じる結果となりました。
カッシーナ バラリンもそうでしたが、何故かカッシーナ(農家)を名乗るワイナリーはコスパが良い印象。

まとめ

それでは最後に情報整理です。

カッシーナ キッコ バローロ

価格
4000円前後


突出したスケール感は無いが、ほどよい奥行きや上品さを感じられるバランス型。
骨格あるタンニンや美し酸、出汁が効いたような旨味を伴った心地よい果実味や、ドライフルーツや腐葉土のような複雑な風味が感じられるバローロらしさがある。

飲み頃
ブドウ収穫年から5~25年
※一般的傾向や口コミから推測

当たり年
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1990年 
1991年 2
1992年 2
1993年 3
1994年 2
1995年 3

1996年 
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3

口コミ
否定的なコメントはほぼ無く、力強さと繊細さを両立した味わいに高評価を与える方が多数。
手軽な価格帯も含めて感動的評価を与える方もチラホラ。
若い場合は抜栓直後よりも時間が経過してから。さらには翌日以降の方が良くなったという意見も多い。

長期熟成酒に対するコメントは無いが、その傾向からは熟成で向上するワインである事もわかる。

以上です。

価格を考えると必ず試してみたいバローロだと感じました。

味わいはもちろん大切ですが、ワインを選ぶ時はやはり価格も重要な要素です。

あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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