ピエモンテ州を代表する手頃な白ワイン「ガヴィ」
日本で購入可能なガヴィの生産者はそれほど多くはありませんでしたが、日本の一般消費者の口コミ(vinica)で評判が良いと感じたのは以下の生産者。
・ロベルトサロット
・フォンタナ フレッダ
・ブルーノ グローリア
・ステファノ マッソーネ
・カステッロ ディ タッサローロ
以上ですが、価格も考慮するとロベルト サロットが頭一つ抜けている印象でした。
という訳で、唯一紹介するガヴィはロベルト サロットのガヴィ「アウロラ」となります。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ロベルト サロット ガヴィ アウロラ
《価格》
【1400円前後】
《ブドウ品種》コルテーゼ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ピエモンテ州
《生産者》 ロベルト サロット
味わい深く非常にコスパが良いと評されるロベルト サロットは、19世紀後半からブドウ栽培を始めており、1991年からワイン醸造も開始している生産者です。
2020年現在当主であるロベルト サロット氏は、2005年よりアパッシメント(干しブドウを使用すること)という技法を取り入れたワイン造りを開始。
当初は伝統的手法を行っている生産者の目も気になり「勇気」が持てませんでした。
しかし、バローロの名にあえて「アウダチェ」つまり「勇敢」を意味する名を付けることで自身を奮い立たせたと言います。 イタリアの権威あるガイドブック「ガンベロ ロッソ2018」では、「ワインのスタイルは濃厚で、断固としたものが多い。全てのワインが非常にコストパフォーマンスの高いものであることは特記に値する。」と評されるなど、様々な評論家やワイン誌から高い評価を受ける生産者となりました。 今回紹介しているガヴィのアウロラは様々なワイン誌などで高評価を獲得している銘柄で、「良いガヴィを高くない値段で」というポリシーの下造られています。
「アウロラ」はサロット氏の妻の名であり、イタリア語で「夜明け」を意味しており、エチケットには地平から昇る太陽が描かれています。
《味わいの特徴》
華やかで瑞々しい
適度な深みも持ち合わせた
コスパガヴィ
このワインはグレープフルーツのような爽やかな果実味や、白い花の華やかさが広がるスッキリとした瑞々しい風味があります。
そして適度なコクや鉱物的なミネラル感も加わることで、適度な味わい深さも感じられます。
またそのような深みのあるガヴィが手頃な価格である事も嬉しい特徴です。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ガヴィに使用されるコルテーゼは、アルコール度数低めで軽快でサッパリとしたワインを生む傾向です。
しかしイタリアのトップカテゴリーであるDOCGガヴィは、軽快でスッキリとしたニュアンスもありますが、優美さや複雑さも兼ね備えています。
そしてサロット氏は「私のガヴィは熟成に耐え、熟成するとミネラル感が変わり、また特別な楽しみが生まれる。」と語っています。
■ブドウの品質■
自身の畑のブドウと付き合いの長い農家のブドウを仕入れて造られるワインです。
自身の畑では農薬や化学肥料などは極力使用しない自然派農法を実践。
土地の自然酵母など、様々な微生物などの働きも加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウはピュアで味わい深いワインを生みます。
仕入れるブドウが自然派農法かどうかはわかりませんでしたが、サロット氏達が通年畑をチェックしており、自社畑と変わりないくらいの品質を維持しています。
■低温長期発酵■
発酵を低い温度にすることで果実のフレッシュで豊かな風味を際立たせています。
また、澱と共に2~3ヶ月ステンレスタンクで熟成。
澱から抽出される成分は味わいに奥行きを与え、樽の風味が反映されないステンレスタンクは、ブドウのピュアな味わいを引き立たせます。
■生産者のポリシー■
「良いガヴィを高くない値段で」
これがサロット氏のポリシー。
バローロやバルバレスコをはじめ、全てのラインナップにおいてコスパの良いことで知られる生産者です。
【外観】
淡いレモンイエロー
【香り】
グレープフルーツや青リンゴを思わせる爽やかさに、白い花やピーチのようなフローラルさが広がり、石灰を思わせる鉱物的なミネラル香も垣間見えます。
【味わい】
グレープフルーツを思わせる爽やかな果実味はスッキリとした印象ですが、ほんのり甘味と適度な旨味が広がる味わいを表現。爽やかな酸が味わいをまとめると、ほんのり苦味をアクセントに残しつつ、果実や白い花の風味を残した軽やかな余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
しっかり冷やせば酸味やミネラル感が際立ち引き締まった印象。軽やかで上品な飲み口になります。
温度を上げるほど果実感や風味が広がり、ボリューム感ある味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~6年
※一般的傾向や口コミから推測
※サロット氏は「長期熟成が可能で、熟成するとミネラル感が変わり特別な楽しみが生まれます。」と言っています。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【膨らみのあるシャルドネグラス】
温度が上がりにくい小さなグラスを選べば軽快な飲み口。
香りが取りやすく温度も上がりやすい膨らみのあるグラスを選へば、広がる風味を楽しめるでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
鮮魚のカルパッチョ
ボンゴレビアンコ
フレッシュでフルーティ、そして適度なミネラル感やコクを持った白ワインです。
合わせる料理も程良いコクのある素材や味付けを施したものが良いでしょう。
特にミネラル豊富な魚貝類との相性が良いワインです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
このワインの悪い点を指摘する口コミはありませんでした。
【良い口コミ】
あっさりとした味わいだが、決して物足りなくもないね。
大ファンのサロットのガヴィ♥ふくよかだけど上品でバランスが良い。やっぱり美味しいわ~~♪
ガヴィは初めてでしたがこれは好み!フローラルな香りと控えめの甘味で、他のガヴィも試したくなりました!!
いいぜコレ。いいぜコレ!!普段使いの白としてはかなり気にいった。スッキリしてそうな淡い色調で、グレープフルーツや石っぽいミネラル香。ちょっと熟したグレープフルーツのような果実味で酸は柔らか。ほんのり苦味とハーブの爽やかさがある。変化を楽しむというよりは、時間が経過しても爽やかさが減る事もなく変わらないところが魅力だね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 30%
普通 63%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
手軽な価格帯のワインですから、多少浅いとか酸っぱいとか否定的な意見もあるのでは?と、思っていましたが、ネガティブコメントは見る限りゼロ。
スッキリ感と適度な深みのあるバランス良い味わい傾向で、無難に美味しいと感じる方や中々良いと感じている方が最も多い印象。
中にはその手頃な価格とバランス良い味わいがツボに入り、感動的評価を与える方もおられました。
5年を超えるような熟成酒に対するコメントが無かったのですが、サロット氏自身は熟成にも向くと言っているので、そこはお楽しみといったところでしょうか。
バローロやバルバレスコでも抜群のコスパで人気を集めるサロット。(個人的に私もとても好みです)
そんな生産者が手掛けるガヴィもやはり好評で、さすがサロットと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ロベルト サロット ガヴィ アウロラは
【価格】
1400円前後
【味】
グレープフルーツのような爽やかな果実味や、白い花の華やかさが広がるスッキリとした瑞々しい風味。
そして適度なコクや鉱物的なミネラル感も加わることで、適度な味わい深さも感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~6年
※一般的傾向や口コミから推測
※サロット氏は「長期熟成が可能で、熟成するとミネラル感が変わり特別な楽しみが生まれます。」と言っている。
【口コミ】
ネガティブコメントは見る限りゼロ。
スッキリ感と適度な深みのあるバランス良い味わい傾向で、無難に美味しいと感じる方や中々良いと感じている方が最も多い印象。
中にはその手頃な価格とバランス良い味わいがツボに入り、感動的評価を与える方もいる。
以上です。
1000円台のガヴィという事で、とても現実的な銘柄。
サロットはアウダチェとバルバレスコでも非常にコスパに優れることは私自身も体感済みで、このアウロラもすぐに試してみようと思えるものでした。
あなたもガヴィをお探しならば選択肢に入れるべきでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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