本格的なシラーズを手頃に楽しみたい時の最有力候補。
ペンフォールズのグランジ(6~11万程度)
トルブレックのラン リグ(2,5万前後)
はオーストラリアのシラーズの頂点で、品質も素晴らしいと感じましたがやはり高額。
そこで今回は、もう少し手頃で消費者を満足させていると感じた銘柄を紹介します。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》トルブレック ザ スツルイ
《価格と基本情報》
【7500前後】
《ブドウ品種》シラーズ
《ボディ》 フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 オーストラリア>南オーストラリア>バロッサヴァレー
《生産者》 トルブレック
トルブレックはバロッサヴァレーを代表するトップ生産者のひとつ。
フランスのローヌのワイン(ポールジャブレやシャーヴ)に魅了されたデイヴィッド パウエル氏は、独学でワイン造りを学び1994年から生産開始。
翌1995年にはフラッグシップのラン リグがパーカー95点を超える評価を獲得しており、パーカー氏はカジュアルクラスからトップキュベまで全てのワインを高く評価しています。
創業者であるパウエル氏は2013年にワイナリーを去りますが、クレイグ イズベル氏を中心にワイン造りを忠実に継承しています。
今回紹介しているスツルイは2019VTがパーカー94点を獲得しており、日本の一般消費者からも高い支持を集める銘柄です。
《味わいの特徴》
上級シラーズ
濃厚かつエレガントで
バランス感覚に優れる
【外観】
濃厚な赤紫色
【香り】
ブラックベリーやプルーンなど熟した果実にチョコレートのニュアンスも加わったリッチな芳香で、シナモンや黒胡椒などのスパイス、革製品、煙草などのニュアンスが複雑性を高めます。
【味わい】
カシスやプルーンなど凝縮された黒系果実のパワフルな果実味。タンニンは豊富ながらキメ細かく柔らかな飲み口で、心地よい甘味と旨味たっぷりの味わいを適度な酸がまとめます。濃厚ながら雑味の無いエレガントな飲み口で、果実、スパイス、レザーなどの風味を残した長い余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
100%使用されるシラーズは豊潤な果実味とスパイシーな風味が特徴的な品種です。
■産地の特徴■
《バロッサヴァレー》と《エデンヴァレー》のブドウがブレンドされるワインで、それぞれの産地の特徴は以下の通りです。
《バロッサヴァレー》
温暖で日照豊富で乾燥しておりブドウがよく熟すため、凝縮感された果実味主体のリッチなワインが生まれる傾向。
《エデンヴァレー》
標高が高くバロッサと比べると冷涼な気候で、適度に酸もあり繊細で上品なニュアンスをもたらします。
■ヴィエイユ ヴィーニュ■
2022年現在の情報では、バロッサヴァレーの樹齢60年とエデンヴァレーの樹齢40年のブドウが使われています。
若い樹に比べ土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウを実らせるのが古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)の特徴です。
■樽熟成■
丁寧な手摘み収穫で健全なブドウだけが選別され発酵された後は、フレンチオークで20ヶ月熟成されます。
樽のニュアンスが反映されやすい新樽の使用比率は15%程度で、ブドウの繊細なニュアンスを覆い隠さない程度の樽感が反映されます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち、引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実感や複雑な風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、南オーストラリアのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 2
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 5
2019年 4パーカー94点
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された大ぶりのボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
うなぎの蒲焼
ラムチョップ
など、上質で味わい深い料理との相性が良く、互いの味わいを引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
13年熟成の03は率直に美味い!香りはチョコレートを中心に熟した果実やスパイスや腐葉土のニュアンスも加わる。味わいは濃厚ながら円熟し滑らかで、優しい甘味とシルキーなタンニンと穏やかな酸がある。肉料理が欲しくなる良いワインです。
ボリューム感があるんだけど大雑把ではなく柔らかで繊細、3年熟成の2018は非常に味わい深く上品さも兼ね備えた味わいで大満足です♪♪
2006VTは13年の熟成物だけど若さも残っており、更なる熟成も期待できそうです!♪旨味たっぷりの味わいでコスパも凄く良いと思う!
3年熟成の2014はとってもエレガントな飲み口。例えるならブルゴーニュのピノを凝縮させたようなイメージでした♪
という皆様の声でした。
その他にもいくつかの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 57%
普通 36%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
口コミ量こそ少なめですが、濃厚かつ上品な味わいへの満足度は高い傾向。
否定的なコメントは特に無く、若くても熟成させても好評でバランス良く、隙の少ないワインという印象です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
トルブレック ザ スツルイは
【価格】
7500前後
【味】
カシスやプルーンなど凝縮された黒系果実のパワフルな果実味。
タンニンは豊富ながらキメ細かく柔らかな飲み口で、心地よい甘味と旨味たっぷりの味わいを適度な酸がまとめる。
濃厚ながら雑味の無いエレガントな飲み口で、果実、スパイス、レザーなどの風味を残した長い余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
南オーストラリアのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 2
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 5
2019年 4パーカー94点
【口コミ】
口コミ量こそ少なめだが、濃厚かつ上品な味わいへの満足度は高い傾向。
否定的なコメントは特に無く、若くても熟成させても好評でバランス良く、隙の少ないワインという印象。
以上です。
今回はトルブレックのラインナップの中でも特に満足度が高いと感じたスツルイを紹介しました。
しかし、トルブレックはエントリークラスのウッドカッターズ シラーズ(3000前後)から、トップキュベのランリグ(25000前後)まで、とても口コミ満足度が高い銘柄ばかりです。
それらを含めたラインナップは以下のリンクからも検索できますから、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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