白ワインで最も有名なワインは?
と、聞かれて「シャブリ」と答える方は多いのではないでしょうか。
ワインに詳しくない方ならばシャブリ以外は出てこない事もありそうで、逆に言えば興味が無くてもシャブリなら聞いた事ある、というくらい辛口白ワインの代名詞として非常に認知度の高い産地と言えます。
ではシャブリの生産者で有名なのは?と、聞かれると意外と名前が思い浮かばない方も多いでしょう。
今回紹介する生産者は、そこまで有名ではありませんが(私の中では)、現在のシャブリの知名度の礎を築いた生産者の一人です。
遥か昔からシャブリのワインは存在しましたが、ブドウ病害や戦争の影響を受け荒廃してしまった時期がありました。
そんな中1960年にジョセフ・ドルーアンの社長はこの地を訪れ、その環境(テロワール)のポテンシャルの高さを確信し、最高の立地条件の場所に畑を購入し生産を始めました。
常にシャブリらしいミネラリーで清潔感あるワインを生産し続けることで、現在のシャブリの認知度に高めた事にも一役買っている生産者で、近年からはビオディナミ農法の導入でさらに品質向上、実際飲んだ方の評価も高かったので紹介する事にしました。
2008年からは「ドルーアン・ヴォ―ドン」として新しいスタートを切っており、その品質はシャブリを選ぶ時の選択肢に入れるべきワインと言えるでしょう。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ ドルーアン ヴォ―ドン シャブリ レゼルヴ ド ヴォ―ドン
《価格》
【2500~3900円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャブリ
《生産者》 ドメーヌ・ドルーアン・ヴォ―ドン(ジョセフ・ドルーアン)
《特徴》
フレッシュで清潔感ある
上品なバランス型シャブリ
ドルーアン・ヴォードンのシャブリ・レゼルヴの特徴は、
《清潔感あるピュアな果実味を持ったシャブリらしい品質》
にあると考えます。
そのような品質になる理由には、ビオディナミ農法・手摘みの収穫・ステンレス発酵である事が挙げられます。
ビオディナミ農法
農薬を使用しないことで健全な土壌になり、土壌の特徴やブドウ本来の風味がワインに反映されます。
手摘みの収穫
丁寧に手摘みする事でブドウを傷つけたりする事もなく、またしっかり選果できるため、健全なブドウから清潔感あるワインが生まれます。
ステンレス発酵
あえて樽を使用しないことで樽の香りが付かない事はもちろん、果実のピュアな風味とキンメリッジ土壌(貝殻などの化石を多く含んだ土壌)に由来するミネラル感を際立たせている事。
※ミネラル感とは、カリウムやマグネシウムといったミネラル分を多く含んだキリッと芯のある味わいで、硬水をイメージするとわかりやすく、キーンとくる感じです。
【外観】
淡いレモンゴールド
【香り】
柑橘類やミントを思わせるフレッシュな香りに、青りんごやラフランスのフルーティな果実香、白い花の華やかさにほのかな蜜のニュアンスも感じられます。
【味わい】
フレッシュでフルーティな果実味は清潔感がありエレガントで、ほどよいコクもあります。
豊富なミネラルと伸びやかな酸味は芯のある質感を与え、爽やかな風味を残した心地よい余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
少し温度を上げれば、フルーティな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2年~7年
若いうちほど生き生きとしたフレッシュな印象で、少しの熟成で落ち着きある味わいも楽しめるでしょう。
《適正グラス》
【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
天ぷら各種をレモンと塩で
など、比較的繊細な味わいを持った料理に合わせると良いでしょう。
フレッシュでフルーティで豊かな酸味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
ワンランク上の綺麗なシャブリをお探しでしたら、このワインを選択肢の一つに入れましょう。
ステンレス発酵によるピュアで清潔感ある果実味と、豊富なミネラル感を持つエレガントな質感は、樽の効いた上級シャブリのような深さこそ無いものの、カジュアル過ぎて薄っぺらくもないので、様々な場面で使いやすく料理にも寄り添い活躍してくれる事でしょう。
ワンランク上の味わいはちょっと贅沢気分を味わえますし、このレベルのワインはちょっとした手土産にしても喜ばれそうです。
《こんな場合には不適切!?》
バランス型ワインですから、ニューワールド系や南フランスに南イタリアなどのジューシーな果実味を持ったワインが好みの方にはおすすめしません。
また、前述ですが樽の効いた上級シャブリでもありません。
大切な接待や特別な日に、深いコクを持った料理と共に楽しむワインを選ぶのであれば、このワインではちょっと軽く品格不足になる事が多いでしょう。
そのような場合はもっと深い味わいを持ち、品格を感じさせるようなスケールを持ったワインを選ぶことで、接待相手を満足させられるでしょうし、特別感のある味わいは特別な日をより深く印象付ける事に一役買ってくれるでしょう。
シャブリから選ぶならばラヴノーやヴァンサン・ドーヴィサがその条件を満たしているでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「7年目の2010は生牡蠣との相性も抜群でグイグイ飲んじゃいました。」
「この造り手は安定感があるから好きなんだ。ミネラリーな味わいがいいんだよね。」
「なかなかいいわね。爽やかさとフルーティさがありハチミツも少し感じる。そして少しの苦味がアクセントになりキレの良い味わいです。」
【悪い口コミ】
「サッパリさせてくれるワインで普通かな。あえて買おうとは思わない。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 40%
普通 60%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動するほどのスケールは無く、悪く言うほどでもないといった印象で、ほどよいコクを持ったキレの良いキレイなシャブリといった印象で、そのようなエレガントさに好感を持つ方もいれば、少し物足りないと感じ普通と評価する方もいました。
全体的に口コミのコメントも短いものが多い印象で、悪く言えば多くを語るほど複雑さが無く、良く言えば定番のシャブリらしい綺麗なワインなんだという傾向も読み取れました。
以上です。
ドルーアン ヴォードン シャブリ レゼルヴのイメージが広がりましたでしょうか。
結局飲む事でしか答えはわかりませんし、ヴィンテージや熟成度合い、そして保存状態などによっても味わいのニュアンスは変化していきます。
つまり全く同じワインは無いのだとも言え、それがワインの特徴でありおもしろさでもあります。
そんな終わりなき旅のような膨大なワインの解説をする果てしなさに、
「どれだけやっても終わりがない~」
「追求できて楽しいな~」
というマイナスとプラスの自分がせめぎ合いをしている弱い私です・・・
自分の話はこれくらいにして。。。
やはりワインは楽しむために存在するのだと思います。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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