「ワインは種類が多すぎて、どれを選べば良いのかわからない。」
この記事にたどり着く方は、多かれ少なかれそのような思いがあるのではないでしょうか。
シャンボール・ミュジニーにおいても、その銘柄の多さは数えきれないほどで、的確に選択することは難易度が高いと言えるでしょう。
しかしそのような悩みは、この記事を読むことで少しは和らぐと確信しています。
なぜなら、2014年に日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を取得した私は、自身が実際飲んで美味しいと感じるワインもさることながら、一般消費者の皆様が実際口にして、そして満足しているワインはどれだろうという興味が湧き、インターネット上にある信憑性の高い口コミだけをを調べ尽くし、特に満足度の高いワインのみをピックアップし、特徴・当たり年・飲み頃・口コミ内容などを詳しく解説しているからです。
つまり、多くの方が美味しいと認めるワインは外す確率も少ないというわけです。
それでは参りましょう。
シャンボール・ミュジニー おすすめワイン8選
星の数ほど存在するワインは、産地やブドウ品種に生産者、あるいは収穫年や熟成度合い、そして個人個人の受け止め方によっても味わいへの評価は変化し、一つとして同じものが無い事が難しさであり魅力でもあります。
ここで紹介するワインはあくまで一般的に満足度が高いという事で、それら以外にも素晴らしいワインは無数に存在します。
個々の受け止め方でも評価は変わるわけですから、これが素晴らしいワインと決めてしまうのはナンセンスだと思いますし、いろんなワインを探究される事は素晴らしいと思います。
そのような事を踏まえて、この記事があなたの何かしらのヒントになり、ワイン選びのお役に立てれば幸いに思います。
さて、私はシャンボール・ミュジニーのワインを生み、日本で購入可能な主要生産者を40ほどピックアップし、その中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみました。
その結果、特に高評価を獲得していると感じたワインは以下の8銘柄。
今回は紹介しませんが、それ以外にも優れたワインを生み、多くの方を魅了していると感じたワインは以下の生産者達でした。
・ジョルジュ ルーミエ(赤)3~7万
・ルモワスネ ペール エ フィス(赤)2.8~6万
・ダニエル モワンヌ ユドロ プルミエクリュ レザムルーズ(赤)2.8~4万
・ルー デュモン(赤)9000前後
・ミシェル グロ(赤)7000~1.3万
※尚、この地区以外の満足度の高いワインについてもおすすめワイン一覧で解説しておりますから、参考になれば幸いです。
1.ヴォギュエ ミュジニー GC
圧倒的存在感とエレガンス
《価格》【およそ10万~20万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》ピノノワール
シャンボール・ミュジニーで頂点に君臨し、世界中のワインラバーを魅了し続けるのがヴォギュエ。
「ここはシャンボール・ミュジニーで最も重要かつ有名なブドウ園。間違いなくブルゴーニュのブドウ園のベスト5に入っている」
ロバート・パーカー氏はそのようにヴォギュエのミュジニーを評価しています。
「力強さをサテンのような滑らかさで包んだ」と表現されるほど雄大な存在感を持ちながら、その緻密さはエレガンスも感じさせるもので、本物を見極める力を持ったワインラバーの皆様を、高い確率で感動させてます。
至極のエレガンスとは何か、それはヴォギュエのミュジニーの中にあり、本物を理解できる方にこそ手に取っていただきたい別格の味わいがここにあります。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
さらにくわしい解説はコチラ
2.ヴォギュエ ミュジニー・ブラン
類い稀なエレガンス・スケール感
唯一無二の存在
《価格》【およそ5万~30万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
10万円前後が多い印象です。
《ブドウ品種》シャルドネ
1993年までミュジニーの特級畑の一画にシャルドネを植えミュジニー・ブランとして特級白を生産していたヴォギュエ。
しかしそのシャルドネを植え替え、樹齢が充分でないことを理由にグラン・クリュのミュジニー・ブラン名を自ら返上してブルゴーニュ・ブランとしてリリースするようになります。
※樹齢の高い古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)は成分豊かで上質なブドウを実らせます。
そして樹齢も高くなってきたことで、再び2015ヴィンテージからミュジニー・ブランが復活したというわけです。
つまり、ヴォギュエのブルゴーニュ・ブランとミュジニー・ブランは同じ畑の同じブドウの樹から造られたワインで、樹齢の違いだけなのですね。
ですから今回の記事はミュジニー・ブランと合わせて、熟成が進んだブルゴーニュ・ブランも紹介させていただきます。
因みに、ミュジニー・ブランを生産しているのはヴォギュエだけであり、ミュジニ-の白=ヴォギュエという事になります。
赤のミュジニー同様、優れた分析能力を持ったワインラバーを感動させる品質は、類い稀なスケール感に満ち溢れています。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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3.ロベール グロフィエ 1erレザムルーズ
快活で豊潤かつ優雅
熟成で現れる
完成度の高い妖艶さ
《価格》【およそ47000~7万円】
《ブドウ品種》ピノノワール
「恋人達」「恋する乙女達」
を意味する畑をご存知でしょうか。
グランクリュに匹敵、いや、凌駕するとまで言われるほど上質なワインを生むとして有名なプルミエクリュであり、シャンボール・ミュジニーを代表する畑です。
それが「レザムルーズ」
今回紹介するワインは、そんなレザムルーズの最大の所有者でありシャンボール・ミュジニーのトップ生産者の一つ、ロベール・グロフィエが造るレザムルーズ。
非常に誠実で実直な性格を持つグロフィエ家の造り出すワインは、非常に評価も高く、ロバート・パーカー氏から「A.C.ブルゴーニュからグラン・クリュに至るまで、どのワインもテロワールを良く表現した最上のワインだ」と評されています。
そんなパーカーの評価もさることながら、日本の消費者の皆様の評価も秀逸で、非常にポテンシャルの高さを感じさせる口コミがほとんどで、普通と評価する方すらほとんど見られないほどでした。
シャンボール・ミュジニーのトップクラスを選ぶのであれば、必ず候補に入れておきたいワインだと言えます。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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4.ヴォギュエ
気品溢れる香り味わい
至極のエレガンスを表現
《価格》【およそ3万~6万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
2019年現在3万円台が多い印象です。
《ブドウ品種》ピノノワール
またヴォギュエです。(笑)
グランクリュのミュジニーの赤・白も別格の存在感を放っていましたが、こちらの村名ワインも紹介しないわけにはいかないと思わせるだけの口コミ内容でした。
ヴォギュエのワインは、若いうちや抜栓したては気高く荘厳さを感じるもので、近寄りがたい気難しさがあると言われます。
それはワインのポテンシャルが高い事の裏付けでもあり、じっくり時間をかけることでようやく硬さはほぐれ、繊細で奥深い魅惑的な甘味や旨味が広がってきます。
この村名ワインも、平均的な生産者の村名ワインの次元を超えており、世界でもトップクラスのエレガンスを感じられるワインと言えるでしょう。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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5.ジャック フレデリック ミュニエ
ピュアなブドウ本来の味わいを
高次元のエレガンスで表現
《価格》【およそ2万7000~4万円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》ピノノワール
1863年創業のドメーヌは様々な苦難もあったものの、1985年、現当主であるフレデリック・ミュニエ氏がドメーヌを引き継いだことで、一躍シャンボール・ミュジニーのトップに比肩する成長を成し遂げた生産者。
実はこのフレデリック・ミュニエ氏、初めからワイン造りを志していたのではなかったのです。
パリで生まれ育ち、石油関連の建築を手掛けるエンジニアとして活躍し、定期路線のパイロットも務めていました。
それまでワイン造りに直接関わったこともなかった彼が「人生の中でまったく違う仕事を」という事でドメーヌを引き継いだという事です。
プロボクサーからソムリエになりワインブログをやっている私のようであります。(笑)
結果が違い過ぎますね。私もミュニエのように頑張らなくては(苦笑)
多くの口コミからも、非常にバランスの良いワインを造っている印象で、このワインを悪く評価するコメントは一つも見当たりませんでした。
たまたまかもしれませんが、若すぎて硬かったというコメントすら見当たらず、若くしても既に均衡の取れた味わいが楽しめ、熟成によってさらに複雑味の増した味わいは、さらに満足度の高い秀逸な味わいになってゆく傾向が読み取れました。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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6.ドルーアン ラローズ ボンヌマール GC
豊かな果実味とコク
滑らかなタンニン穏やかな酸は
エレガンスを感じる
《価格》【およそ18000~24000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
品格あるグランクリュが比較的手頃に楽しめるという事で人気を集めるワインです。
グランクリュらしい成分豊かな品質で、洗練された果実味は雑味無くピュアで豊潤、心地よい旨味が感じられ、タンニンは豊富であるものの非常になめらかで、品格は感じさせるものの力強いというよりはエレガンスを感じます。
また、質の高い酸味は主張しすぎる事もないバランス感覚を持っており、比較的若いうちから楽しめ、もちろん熟成させることでも円熟味が深まった女性的なエレガンスを感じさせる品質に成長していきます。
消費者の口コミ評価も非常に高く、知っておくべきコスパ・グランクリュと言えます。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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7.ローラン ルーミエ
シャンボールミュジニーらしい
華やかさとしなやかさ
熟成で深まる円熟味
《価格》【およそ8000~1万円】
《ブドウ品種》ピノノワール
世界で最もエレガントなワインを生むと評されるジョルジュ・ルーミエ。
ブルゴーニュのワインラバーにとっては、憧れの生産者として知名度も高く別格のワインを生んでいます。
しかし、そのような人気も手伝って価格も上昇してしまうのも必然で、中々手の届きにくいワインとなっている事も確かです。
もちろんヴォギュエやルーミエにジャック・フレデリック・ミュニエも素晴らしいく、特別感満載のワインですが、もう少し手が届きやすくて品質も高いシャンボール・ミュジニーはないだろうかと思う方も多い事でしょう。
という事で調査してみた結果、このワインに辿り着いたというわけです。
祖父にジョルジュ・ルーミエを持つ生産者で、現ジョルジュ・ルーミエの当主クリストフ・ルーミエ氏は従兄弟にあたります。
1994年に独立を果たし、祖父の造りを継承しつつ自分流の考えも取り入れ、生産量は少ないものの良質なワインを生んでおり、祖父の偉大な生産者であるという重圧もあったようですが、真面目に地道に努力する姿勢もあり、好感の持てる人格者でもあるようですね。
もちろん品質が高い事で今回紹介させてもらう事にしたわけで、実際に飲まれた方の口コミ評価も、比較的手の届きやすい価格以上のポテンシャルを感じたというわけです。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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8.ジョセフ ドルーアン
繊細ながら複雑で奥深い
熟成による可能性に大きな期待
《価格》【およそ6000~8000円】
《ブドウ品種》ピノノワール
1880年にボーヌに創立されたブルゴーニュを代表する家族経営の大規模生産者。
高額ワインのイメージの強いシャンボール・ミュジニーにおいても、比較的手頃な価格で消費者に寄り添う上質ワインを生んでいます。
飲み手の口コミでも、比較的若いものでは感動するほどの奥深さこそ無いですが、悪く評価する方もいなく、シャンボール・ミュジニーらしい上品で奥深さのある味わいに好感を持っている方が多い印象で、価格がお値打ちな割には満足度の高い傾向がありました。
興味深かったのは、30年近く熟成させた良年のこのワインを、感動レベルの評価をした熟練者の方が何人かみえたこと。
そのような古酒は市場で見かける事もないでしょうから、遠い未来に楽しむワインとして選んでも、感動的成長を期待できる可能性を秘めています。
※このワインの《味わい》《当たり年》《飲み頃》《口コミ》など、
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シャンボール・ミュジニー おすすめワインのまとめ
いかがでしたでしょうか。
黒ブドウで最もエレガントな品種はピノ・ノワール。
そしてエレガントなワインを生む産地はブルゴーニュ。
そんなブルゴーニュの中でも、最も繊細でエレガントなワインを生むと評されるのがシャンボール・ミュジニーという事で、今回紹介しているワインの数々はエレガンスの頂点であると言っても過言ではないでしょう。
この記事が参考になり、あなただけの好みのワインが見つかれば幸いです。
※尚、もっとたくさんの銘柄を知りたい方はおすすめワイン一覧でも確認できます。
では、今回紹介したワインのおさらいです。
1.ヴォギュエ ミュジニー GC
(赤)10~20万
「力強さをサテンのような滑らかさで包んだ」と表現されるほど雄大な存在感。
至極のエレガンスを極めた、シャンボール・ミュジニーの頂点。
2.ヴォギュエ ミュジニー・ブラン
(白)5~30万
類い稀なエレガンスとスケール感。
本物を見極めるワインラバーを魅了する、白ワインの最高峰。
3.ロベール グロフィエ 1erレザムルーズ
(赤)5~7万
グランクリュを凌駕するとまで言われるレザムルーズの最大所有者。
非常に完成度の高い味わいで、飲み手を高確率で魅了している。
4.ヴォギュエ
(赤)3~6万
平均的な生産者の村名ワインの次元を超えており、世界でもトップクラスのエレガンスを感じられるワイン。
5.ジャック フレデリック ミュエ
(赤)2.7~4万
非常に隙の無いバランス感覚で飲み手を魅了し、人気も価格も急上昇。
6.ドルーアン ラローズ ボンヌマール GC
(赤)1.8~2.4万
グランクリュらしい成分豊かな品質で、品格は感じさせるものの力強いというよりはエレガンスを感じる。
価格がグランクリュにしては比較的手頃で、親しみやすさもあるコスパ・グランクリュ。
7.ローラン ルーミエ
(赤)8000~1万
シャンボール・ミュジニーらしい華やかさと、しなやかさを持った上質ワイン。
熟成で深まる円熟味にも期待できる。
8.ジョセフ ドルーアン
(赤)6000~8000
感動するほどではないが、好感の持てる上品さと奥深さを持った良質ワインで、価格以上の満足感を飲み手に与えている。
以上です。
それでは参考までにのヴィンテージ・チャートも載せておきます。
シャンボール・ミュジニーの 当たり年
ワインの味は畑で決まると言われるように、ブドウの出来栄えでワインの品質は変わってきます。
そんなブドウの出来を左右するのが、日照時間・日較差(昼夜の温度差)・降雨量など様々な気候条件だったりします。
そしてその結果その年のブドウがどのような出来であったのかを示す指標がヴィンテージチャートとして存在するわけです。
長期熟成タイプのワインでは、良いヴィンテージ程飲み頃は遅く、そうでなければ早めに訪れると考えておくと参考になるかと思います。
尚、およそ3000円くらいまでのワインは買った時が飲み頃であることがほとんどですから、1年以内に飲んでください。
ですから今回紹介するヴィンテージチャートは、長期熟成に向く高品質なワインの飲み頃を見極める参考にしていただければと思います。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
無数に存在するワインを全て飲み尽くすのは不可能な事。
限りある人生の中で、できるだけ素敵なワインに出会えるお手伝いができれば幸いです。
あなたにとって、善きワインとの出会いが多くなることをお祈りしています。
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