ヴェネト州に限らずイタリアを代表するお手頃白ワイン。
「心地良い」を意味するソアーヴェを手掛ける生産者は多くいますが、日本で購入可能な主要な31の生産者の中でも、特に人気で消費者を満足させていると感じた銘柄がいくつかありました。
そのひとつがアレグリーニ。
ヴェネト州を代表する生産者でアマローネでも存在感を放っていましたが、ソアーヴェでも然り。
安定感のある優れた造り手である事がわかりました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アレグリーニ ソアーヴェ
《価格》
【2500前後】
《ブドウ品種》
・ガルガーネガ主体
・シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 アレグリーニ
アレグリーニはヴェネト州のトップ生産者であり、イタリア屈指の生産者。 1920年にジョヴァンニ アレグリーニ氏によって設立され、3人の子供たちが継承。
2021年現在孫たちもワイナリーの仕事に従事しており、家族経営による利益よりも品質を大切にするスタイルを貫いています。 そんなアレグリーニへの評価は非常に高く、その一例は以下の通り。・イタリアの権威あるガイドブック「ガンベロ ロッソ」で最高評価であるトレ ビッキエリを通算34回獲得。
※この回数はヴェネト州1位で、イタリア全土でも5位。
・2016年には同誌でイタリア最高のワイナリーに贈られる「ワイナリー オブ ザ イヤー」を受賞。
アマローネをはじめとする赤ワインを多く手掛け、高評価を獲得するアレグリーニですが、今回紹介している「ソアーヴェ」は唯一生産される白ワインとして人気。
比較的手軽な価格帯のワインですが、ワインアドヴォケイトやワインスペクテイターなどのワイン誌で、毎年のように85点以上の得点を獲得している銘柄です。
《味わいの特徴》
軽快さと適度なコク
ワンランク上の
バランス型ソアーヴェ
このワインの特徴は、一般的なソアーヴェらしいスッキリと軽快な味わいをベースに、適度なコクや蜜のような上品な甘味も感じられ、ワンランク上のソアーヴェの味わいが楽しめるところ。
【外観】
輝きのある明るいレモンイエロー
【香り】
レモンやグレープフルーツなどの柑橘類や青リンゴのような爽やかさを主体に、白桃やラフランスのようなフルーティーさや、白い花の華やかさにほのかな蜜のニュアンスも加わります。
【味わい】
フレッシュでフルーティーな果実味は中程度のボリューム感で、透明感のあるピュアな飲み口。心地よいコクや凛としたミネラル感は味わいの幅を適度に広げており、綺麗な酸が味わいを軽やかにまとめると、ほんのり苦味や少しの蜜のニュアンスを舌の上に残した上品な余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ガルガーネガの個性■
ソアーヴェに主体的に使用されるガルガーネガは、香りや味わいが控えめで、柑橘系の酸が強めでスッキリとした味わいを生む傾向です。
しかし、アレグリーニのソアーヴェは、そのような個性をベースに持つつ厚みのある味わいも両立しており、その要因は以下の通りです。
■立地条件■
ブドウ畑は南西の丘陵地に広がる火山性の白亜質土壌。
火山性の土壌は豊富なミネラル感をブドウに与えるとされ、シャブリにも似た火打ち石(マッチを擦った時の匂い)のニュアンスが反映され、奥行きのあるワインを生みます。
なお、これは私の推測ですが、南西向きの丘陵地は日照条件に恵まれており、豊富な日照がブドウの熟度を高め、厚みのある果実味を生んでいると考えます。
■マロラクティック発酵■
アルコール発酵を終えたワインの一部をマロラクティック発酵させます。
シャープな酸味をヨーグルトのようなまろやかな酸に変化させるのがマロラクティック発酵で、そのどちらも併用することでスッキリしつつまろやかさのあるワインを生みます。
■樽は使用しない■
ステンレスタンクで発酵し熟成されます。
樽の風味を全く付けないことで、ブドウのピュアな味わいを表現しており、ソアーヴェらしい透明感あるスッキリとした香りと味わいになります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味や凛としたミネラルが際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、ふくらみのある飲み口が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりor膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、広がりある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カプレーゼ
ボンゴレビアンコ
豚肉のハーブグリル
スッキリとした上品なソアーヴェは繊細な味わいの料理にも合いますが、コクのある料理をスッキリまとめる効果もあり、適応範囲の広いワインと言えます。
また、ミネラル豊富でバランスの良い味わいは様々な魚貝類との相性もとても良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
2年熟成の2016はスッキリとしてミネラリーで、温度が上がると蜜のニュアンスも出てきてとてもソアヴェらしい軽快な飲み口。だけど、ちょっとお値段は高いかもと感じるのは私だけ?
バランス良いワイン。際立つ個性はないけどね。。。
【良い口コミ】
2年熟成の2017は単体で飲むとスッキリしつつ少し甘さが気になったけど、料理に合わせると良いバランスになりおいしっかった!♪
ソアーヴェって軽くてグビグビ飲むような印象だったけど、これは違うね!!2年熟成の2017は華やかな香りで、ソアーヴェらしい軽快さを持ちつつ果実感や旨味がちゃんと感じられるね!!
スッキリなだけでなく、とても綺麗で透明感を感じさせる酸味。いろんな料理にもマッチしそうな味わいで、スルスル飲めてしまうから危険かも♪
これを勧めた店長の気持ちがわかる。2年熟成の2016は香りで引き込まれると、一口で笑顔に。。ちょっと感動するレベルでしたね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 33%
普通 74%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
ワンランク上のソアーヴェという印象です。
風格やスケールを感じさせるようなワインではなく、平均的な評価をされる方も少なくないですが、スッキリとした味わいの中に適度な甘味やコクを持ち合わせたバランスの良さに好感を持つ方が最も多い傾向。
価格はソアーヴェ全体の中ではやや高めではありますが、その味わいで飲み手を納得させていると感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アレグリーニ ソアーヴェは
【価格】
2500前後
【味】
一般的なソアーヴェらしいスッキリと軽快な味わいをベースに、適度なコクや蜜のような上品な甘味も感じられ、ワンランク上のソアーヴェの味わいがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
風格やスケールを感じさせるようなワインではなく、平均的な評価をされる方も少なくないが、スッキリとした味わいの中に適度な甘味やコクを持ち合わせたバランスの良さに好感を持つ方が最も多い傾向。
価格はソアーヴェ全体の中ではやや高めだが、その味わいで飲み手を納得させている。
以上です。
フランスの白がシャブリなら、イタリアの白はソアーヴェでしょうか。
非常にバランスの良い味わいは、様々な場面で活躍が見込めるでしょう。
なお、今回紹介したアレグリーニは、「より気軽に楽しめるワイン」をコンセプトに「コルテ ジャーラ」というさらに手軽なソアーヴェも生産しており、そちらも同様に好評。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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