バルベーラの最高峰。
最高峰とは言え、価格も高額すぎず手が届きやすいもの。
口コミも非常に満足度が高く、紹介すべき銘柄だと確信いたしました。
※もっと手軽にブライダのバルベーラを体感したい場合は、下記のリンク内でも登場するモンテブルーナが好評でおすすめです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ブライダ バルベラ ダスティ
《価格》
【7000~10000円】
《ブドウ品種》バルベーラ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ピエモンテ州
《生産者》 ブライダ
ブライダはバルベーラを愛し、地位向上を成し遂げた造り手。
そんなブライダが手掛けるブリッコ デル ウッチェローネは別名「バルベーラの伝説」と呼ばれ、1982年がファーストラベル。
世界で最も有名なバルベーラと評される銘柄です。 1961年に父から畑を受け継いだジャコモ ボローニャ氏は、「ブライダ」の名を冠してワイナリーを設立。
偉大な生産者であるガヤやドメニコ クレリコと共に、ブルゴーニュで栽培や醸造を学習します。
当時は酸味が強く安売りされがちであったバルベーラでしたが、ブルゴーニュで学んだ技術を駆使し濃厚で力強いバルベーラを生むことに成功。
ジャコモ氏はバルベーラのポテンシャルを引き出し、その地位を向上させた第一人者となったのです。
1990年にジャコモ氏は亡くなってしまいますが、2人の子供がワイナリーを継承。バルベーラの先駆者としての地位を確立しつつも、さらなる品質向上を目指しチャレンジしており、その実績は以下の通り。 ・イタリアの権威あるガイドブック『ガンベロロッソ』で最高賞であるトレビッキエリを獲得。
・イギリスの世界的ワイン誌「デキャンタ―」で、ここで紹介している ブリッコ デル ウッチェローネが95点を獲得。 ちなみにワイナリー名の「ブライダ」は「郊外の畑」を意味し、ジャコモ氏の父がボールゲームをする時に呼ばれていたあだ名です。
そして「ウッチェローネ」は「大きな鳥」を意味し、昔隣に住んでいた老婆が”L’USELUN’ (大きな鳥)と呼ばれていたことに由来しています。
《味わいの特徴》
バルベーラの最高峰
力強くも緻密な味わい
このワインの特徴は、凝縮感のある果実味や豊富なタンニンそして強靭な酸など、充実感のある力強い味わいにあります。
そして、洗練された雑味の無い味わいからは緻密さも同時に感じられ、それぞれの成分が高次元で融合するバランスの良さも特徴的。
また、そのような充実した成分は長期熟成に耐える力も十分で、熟成するほど円熟し落ち着きあるワインに成長。
非常にポテンシャルが高く、バルベーラの最高峰に相応しい味わいです。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
強い酸を持ち、タンニンは少なめの軽いワインになるのがバルベーラの特徴です。
しかし以下で解説するブルゴーニュで学んだ手法によって、パワフルで深い味わいを持つワインを生むことに成功。
強靭な酸がある事で長期熟成に耐える力も十分で、熟成するほど円熟した魅力を発揮します。
■密植■
ブドウの樹を植える間隔をあえて狭くする密植栽培を実践。生存競争が活発化することでブドウは地中深くまで根を伸ばし、ミネラル豊富な地下水を吸い上げる効果があります。
■収量制限■
剪定などで収穫量をあえて抑えます。
そうすることで残されたブドウに成分が集まり、濃厚なワインが誕生します。
■バリック導入■
バリック(小樽)による熟成は強い酸やタンニンをやわらげる効果もあります。
長期熟成にも向く充実した酸やタンニンはありますが、比較的若いうちから角は取れており、バランス良い味わいを表現する要因のひとつとなっています。
【外観】
ガーネットを帯びた深いルビーレッド
熟成するほど淡いレンガ色に近づきます
【香り】
ラズベリーやチェリーなど赤い果実のフレッシュな果実香に、熟したカシスやプルーンのような甘やかさ。スミレの花の華やかさも加わった香りは非常に優雅で、ミント、スパイス、樽の香りも加わることで複雑性も高まります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は適度な甘味とコクを伴い、キメ細かで豊富なタンニンは味わいの骨格を形成。強く美しい酸が味わいを引き締めるパワフルかつ綿密な味わいで、優雅な香りや味わいを残した長い余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4年~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
生産者自身は以下のヴィンテージが特に良かったとしています。
※近年は不明
1996
1997
2001
2004
2005
2006
ピエモンテ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 3
1996年 5
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 5
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑で豊かな香りと、充実した味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
イベリコ豚のハーブグリル
鹿肉の赤ワイン煮込み
充実感溢れる味わい、そしてバランス感覚を持ち合わせたバルベーラの最高峰です。
合わせる料理も上質で深いコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
8年熟成の2011。流石はブライダで素晴らしい味わいでネガティブな要素無し!!とはいえ、レストランで扱うとなると価格がネックになってしまうから、手頃なモンデブルーナってことになる。
私の口にはあまり合わないかな。。6年熟成の2013です。
早く開けすぎたかも?3年熟成の2017は黒系果実にスパイスなどの香りがエレガント。凝縮感のある果実味は自然な甘味を伴い、タンニンはシルキー。そして、それらを貫くような酸が印象的で甘酸っぱい余韻が続く。果実味、タンニン、酸、16%のアルコール感といった個々の要素のまとまりはあるようにも感じますが、熟成させた方がもっと良くなりそうです。
【良い口コミ】
バルベーラらしからぬ濃くて柔らかな味わい。9年熟成の2011は円熟味が出始めた飲み頃。甘味も感じられる深い味わいはで私の好みです♪
4年熟成の2014は香水の如く妖艶な芳香。旨味を伴った美しい酸も上品で、時間経過でチョコレートのようなニュアンスも。バルベーラはコスパ良いですね。
美味すぎ!♪28年熟成の1988は、3回おかわりしてしまうほどの素晴らしい味わいでした。
必要とすべき全ての要素を持ったような素晴らしさ!!4年熟成の2016は若いながら既に素晴らしく、これぞバルベーラの傑作と言える。凝縮感のある色調や高い粘性。非常に濃密な花の香りに、赤果実や黒果実の入り混じった果実香。樽に由来する芳ばしいロースト香が見事に調和した魅惑的芳香。味わいは飲むほどに吸い込まれるような妖艶さ。深く旨味も十分な果実味を鋭い酸が引き締め、上質なタンニンが骨格を形成。なんと16%のアルコールの甘味にもクラクラで、非常に充実かつバランスの取れた味わいでした。一緒に飲んだメンバーも完全に魅了されたのか、吸い込まれるようにおかわりしてます。。。(笑)
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 67%
普通 27%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
抽象的にちょっと苦手というコメント以外は否定的意見はありませんでしたが、スッキリ系やサラリ系には不向き斗思えるほど成分が充実している印象です。
とは言え、その充実ぶりをポジティブに捉える方が大半で、パワフルな果実味、酸、タンニンがあると同時に洗練された上品さがあり、重苦しくなくバランスも良い。
感動的評価を与える方は少なかったですが、多くのコメント内容は感動に近い印象で、高額ワインではありますが満足度は高い傾向です。
バルベーラの最高峰を知るということは、トリンケーロと並んでブライダを知ることだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ブライダ バルベラ ダスティ ブリッコ デル ウッチェローネは
【価格】
7000~10000円
【味】
凝縮感のある果実味や豊富なタンニンそして強靭な酸など、充実感のある力強い味わい。
そして、洗練された雑味の無い味わいからは緻密さも同時に感じられ、それぞれの成分が高次元で融合するバランスの良さも特徴的。
また、そのような充実した成分は長期熟成に耐える力も十分で、熟成するほど円熟し落ち着きあるワインに成長する。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4年~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
ブライダ自身は以下のヴィンテージが特に良かったとしています。
※近年は不明
1996
1997
2001
2004
2005
2006
一般的傾向として、ピエモンテ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 3
1996年 5
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 5
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
【口コミ】
否定的意見はほとんど無いが、スッキリ系やサラリ系には不向きと思えるほど成分が充実している。
とは言え、その充実ぶりをポジティブに捉える方が大半。
パワフルな果実味、酸、タンニンがあると同時に、洗練された上品さがあるので重苦しくなくバランスも良い傾向。
感動的評価を与える方は少ないが、多くのコメント内容は感動に近い印象で、高額ワインではあるが満足度は高い印象。
以上です。
世界最高のバルベーラの味わいのイメージは広がりましたでしょうか。
世界最高のピノと比較してしまえば約200分の1程度で、高いようで安いような錯覚が起こります。(苦笑)
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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