イタリアを代表するワイン産地トスカーナは、キャンティ、ブルネッロ、サッシカイアなどのスーパートスカーナなど、数多くの銘酒を生んでます。
「でも種類が多すぎて、結局どれを選べば良いのかわからない」
この記事にたどり着く方は、多かれ少なかれそのような思いがあるのではないでしょうか。
膨大な種類が存在するワインの中から好みのワインを的確に選択するのは、プロでもない限り難かしいと言えるでしょう。(いや、プロでも難しいですね。)
しかしそのような悩みは、この記事を読むことで少しは解決すると確信しています。
なぜなら、2014年に日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を取得した私が、インターネット上にある信憑性の高い口コミだけを調べ尽くし、特に満足度の高いワインのみをピックアップ。特徴・当たり年・飲み頃・口コミ内容などを詳しく解説しているからです。
自身が実際飲んで美味しいと感じるワインもさることながら、多くの方が美味しいと認めるワインは外す確率も少ないと考えました。
それでは参りましょう。
トスカーナおすすめワイン【11選】
星の数ほど存在するワインは、産地やブドウ品種に生産者、あるいは収穫年や熟成度合い、そして個人個人の受け止め方によっても味わいへの評価は変化し、一つとして同じものが無い事が難しさであり魅力でもあります。
ここで紹介するワインは、あくまで一般的に満足度が高いという事で、それら以外にも素晴らしいワインは無数に存在します。
個々の受け止め方でも評価は変わるわけですから、これがおすすめワインと決めてしまうのはナンセンスだと思いますし、ここで紹介するワイン以外を探究される事も素晴らしいと思います。
そのような事を踏まえて、この記事が何かしらのヒントになり、あなたのワイン選びのお役に立てれば嬉しく思います。
さて、私は日本で購入可能なトスカーナの主要生産者をピックアップ。
数ある銘柄の中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれかを客観的視点から調べてみました。
その結果、際立って口コミ満足感が高いと感じたワインは以下の11銘柄。
非常にレベルの高いワイン達ばかりで、イタリアを代表する産地だと再確認することができました。
※価格順
ポッジョ ディ ソット ブルネッロ
ブルネッロの最高峰
風格とエレガンスを両立
【価格】
1,9~2,5万
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ(ブルネッロ)
「最も優れたブルネッロは?」
こう聞かれたら必ず候補に挙げるべき銘柄。
・ビオンディ サンティ
・ソルデラ
・バンフィ
・チェルバイオーラ
・イルパラッソ ディ マンフレディ
など、ブルネッロのトップ生産者は素晴らしいワインを生産しており非常に評価も高いですが、とりわけ口コミ満足度が高いと感じた生産者の一つがポッジョ ディ ソット。
どこかブルゴーニュのグランクリュを彷彿させるエレガンスは、非常に多くの方々を魅了。
人気漫画「神の雫」で「第9の使途」になったことで有名な銘柄ですが、その実力も確かなものだと感じました。
フォントディ フラッチャネッロ(赤)
サンジョベーゼの傑作
充実した成分が表現する
高次元のバランス感覚
【価格】
1~2万
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ
類い稀な口コミ満足度。
アドヴォケイト100点満点もさることながら、一般消費者の方々の唸るような口コミ(vinica)もいくつか見られ、これは特筆すべき銘柄だと感じました。
1万前後で美味しい赤ワインを選ぶ時。
凝縮感溢れるトップクラスのサンジョベーゼを選ぶ時。
選択肢に入れるべき銘柄と言えるでしょう。
味わいの特徴は、充実したブドウに由来する凝縮感のある果実味。豊富でシルキーなタンニン。美しい酸。心地よい樽の風味。革製品のような熟成香。スパイス。などの成分のどれが突出することなく互いを支え合うバランス感覚の良さ。
そして、全ての要素が上質で雑味が無いため、力強い味わいでありながら透明感も持ち合わせたエレガントさがあり、トップクラスのサンジョベーゼの味わいが体感できます。
ペルカルロ(赤)
充実した成分による風格
熟成で真価を発揮する
秀逸なサンジョベーゼ
【価格】
9000~2万
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ
サンジョベーゼの最高傑作と呼ばれる銘柄。
キャンティ クラシコでも際立つ人気ぶりで紹介したサン ジュスト ア レンテンナーノですが、そんな生産者が手掛けるトップキュベの人気ぶりも目を見張るものがありました。
トップキュベは2つあり、メルローで造られる「リコルマ」も好評ですが、それ以上に「ペルカルロ」への口コミ満足度(vinica)は際立っている印象。
特に10年以上の熟成物に対する評価は高く、2万を超えるスーパートスカーナと比肩する満足度を考慮すると、コスパ面においても優れる銘柄だと強く感じました。
このワインの特徴は、凝縮された深い果実味、強靭なタンニン、凛としたミネラル感、引き締める酸といった充実感に溢れた味わいにあり、スパイスや樽などの風味も加わった複雑な味わいからは、風格やスケールが感じられます。
また、そのような充実した成分がある事で長期熟成に耐えるポテンシャルも十分で、熟成するほど成分は溶け合いしなやかさが増し、円熟した魅力を発揮。
サンジョベーゼの最高傑作と呼ばれるだけのポテンシャルを持ったワインと言えるでしょう。
ポッジョ ディ ソット ロッソ(赤)
繊細かつ優雅
ロッソ ディ モンタルチーノ
の最高峰
【価格】
9000前後
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ(ブルネッロ)
ブルネッロでも最高峰と感じましたが、ロッソ ディ モンタルチーノでもトップと感じたポッジョ ディ ソットです。
味わいに対するたくさんのコメントを見る限り、ビオンディサンティやチェルバイオーラを差し置き、最も優れたロッソ ディ モンタルチーノではないかと感じました。
このワインの特徴は、華やかで明るい魅惑的芳香や、雑味の無い透明感ある味わいや複雑で奥行きある味わいがあり、パワフルと言うよりは上級ブルゴーニュに通ずる繊細さや優雅さが感じられるところ。
平均的なロッソ ディ モンタルチーノとは一線を画すエレガンスがあります。
ガヤ(ピエヴェ サンタ レスティトゥータ)ブルネッロ
風格とエレガンスを両立した
安定感あるブルネッロ
【価格】
7000~9000
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ(ブルネッロ)
イタリア屈指の生産者が手掛けるブルネッロ。
バルバレスコやバローロでも特別な存在感を放つガヤでしたが、ブルネッロでも然り。
調べる限りバンフィに次いで口コミ量(vinica)が多く、そして中価格帯のブルネッロの中でも目を引く満足感を与えていたのがガヤでした。
ガヤが手掛けるブルネッロは3つあり、格上にあたる「スガリーレイ」と「レイニーナ」も非常に満足度は高い印象。
しかし、価格も考慮すると今回紹介するスタンダードのブルネッロの方が勝るのでは!?
勝手ながらにそう感じましたので紹介しようと思いました。
このワインの特徴は、豊富なタンニンや上質な酸に複雑な風味や深みのあるコクなど、充実した味わいからは風格が感じられつつ、洗練された質感や雑味の無い味わいからは、繊細さやエレガントさも同時に感じられるところ。
ヴィンテージによってその表情は変化しますが、安定して上質なブルネッロの味わいを表現しています。
アルジャーノ ブルネッロ(赤)
芳醇でまろやか
複雑性と風格を持ち合わせた
人気ブルネッロ
【価格】
6000前後
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ(ブルネッロ)
中価格帯のブルネッロで最もおすすめできる人気銘柄。
口コミ内容(vinica)を客観的に見る限り、非常に満足度の高さが際立つ印象。
・香りの素晴らしさ
・酸、タンニン、コクなどのバランスの良さ
・時間経過で向上する風味
特に以上の点を高く評価される方が多く、他の生産者のブルネッロと比較するとマイルドで優しい飲み口である事が伝わるものでした。
美味しいブルネッロを選ぶ時、必ず候補に入れるべき銘柄です。
このワインの特徴は、熟した果実を思わせる円熟した果実香と樽やスパイスなどが折り重なった芳醇な香りと、尖ったところの無い深くまろやかな味わいであること。全体のバランス感覚にも非常に優れており、複雑で風格ある味わいで非常に高い人気を誇っています。
ファルキーニ カンポラ(赤)
複雑で優美
バランスに優れた熟成酒
【価格】
5000~6000
《ブドウ品種》
・カベルネ ソーヴィニヨン
・メルロー微量
スーパートスカーナの熟成古酒を今すぐ楽しみたい。
そんな方に提案する人気銘柄です。
価格も手頃でしかも評判も高く、紹介すべき優れた銘柄だと感じています。
このワインの特徴は、10年を超える熟成による複雑で落ち着きある香りと味わい、そして滑らかな飲み口にあり、円熟した大人っぽいエレガントさが感じられるところです。
パワフルで濃厚な味わいを求める場合には不向きとも言えますが、熟成古酒のエレガントで複雑な魅力がすぐに楽しめるという意味では、とても優れたコスパワインだと感じています。
ルチェンテ(赤)
マイルドで複雑
心地よいバランス型
【価格】
3600~5000
《ブドウ品種》
・メルロー
・サンジョベーゼ グロッソ
誰が飲んでも一定の高い評価がある銘柄。
バランス感覚に優れるワインには、そのような傾向があります。
ルチェンテもそのような万人受けする銘柄の代表格ではないでしょうか。
私も含め多くの飲み手を納得させている印象で、口コミ(vinica)を見る限りファーストラベルのラベルのルーチェも素晴らしい印象。
しかし価格を含めた総合満足度ではルチェンテの方が勝っているのでは!?
個人的ではありますが、そのように感じ取れました。
このワインの特徴は、万人受けしやすい優しくマイルドな味わいではありますが、カジュアルワインには無い上質なタンニンや酸などに由来する気品が感じられるところ。
適度な樽の風味や深みのあるコクは奥行きや複雑さを与えており、どの成分が主張しすぎず互いを引き立て合うようなバランス感覚にも非常に優れています。
カンポ アル マーレ ボルゲリ(赤)
ボリューム感と清涼感を両立
適度な複雑さや深さを持った
バランス型ボルゲリ
【価格】
3000前後
《ブドウ品種》
・メルロー
・カベルネ フラン
・カベルネ ソーヴィニヨン
絶好の立地で造られるお手頃なボルゲリ。
エントリークラスで比較的手軽な価格のボルゲリはいくつかありますが、リカーゾリとグラッタマッコに並んで評判が良いと感じたのがカンポ アル マーレ。
若いワイナリーではありますが、なるほど名門フォロナリ家と世界屈指のコンサルタントであるミシェル ロラン氏が手掛けるだけのことはあると感じるものでした。
このワインの特徴は、ボリューム感のある果実味を持ちつつ、ハーブのニュアンスや豊富な酸も持ち合わせた爽やかな清涼感も持ち、ほどよいコクや樽の風味なども加わった複雑さもあるところ。
唸るような奥深さこそありませんが、適度な深さとバランス感覚を持ち合わせたボルゲリらしさが楽しめます。
メリーニ キャンティC (赤)
適度な深さと複雑性
安定感あるキャンティ クラシコ
【価格】
2500~3000
《ブドウ品種》
サンジョベーゼ
2000円台で頭一つ抜けたキャンティクラシコ。
同価格帯ではリカーゾリと並んで多くの消費者に選ばれ、口コミ満足度(vinica)が高いと感じた銘柄です。
キャンティクラシコ地区を代表する大規模生産者で、ラインナップも非常に多いメリーニですが、フラッグシップであるこのラ セルヴァネッラは特に好評でした。
このワインの特徴は、平均的なキャンティ クラシコに比べ深みのある味わいや複雑な風味が感じられ、熟成に耐える能力も高いところ。
またそのような良質キャンティクラシコが、安定的な品質を保って毎年生産され、コスパに優れる点も嬉しい特徴です。
チャッチ ピッコロミニ ダラゴナ(赤)
親しみやすくも
上品さや奥行きのある
バランス型
【価格】
2000前後
《ブドウ品種》
・サンジョベーゼ グロッソ主体(80%)
・カベルネソーヴィニヨン
・メルロー
・シラー
日常をちょっと上品に彩るワンランク上の銘柄。
上級ブルネッロ ディ モンタルチーノの厳しい選果から漏れたブドウを使用され、ブルネッロの片鱗が感じられる銘柄です。
もちろんブルネッロのような奥深さはありませんが、同じ畑で育ったブドウにはカジュアルワインには無い品の良さや適度な深みもあり、価格も手軽さでも多くの方を満足させている事がわかりました。
トスカーナの良質サンジョベーゼを手頃に楽しむ時の候補にすべきコスパワインと言えるでしょう。
このワインの特徴は、フルーティーで軽快な親しみやすい味わいの中に、心地よい旨味や複雑な風味も加わることで品の良さや奥深さも適度に感じられるところ。味わい全体のバランスも良いミディアムボディで、良質なサンジョベーゼ グロッソ(ブルネッロ)が手軽に楽しめます。
トスカーナおすすめワインのまとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事が参考になり、あなただけの好みのワインが見つかれば幸いです。
ポッジョ ディ ソット ブルネッロ(赤)
1,9~2,5万
風格とエレガンスを両立したブルネッロの最高峰。
ブルゴーニュのグランクリュを彷彿させるエレガンスは、非常に多くの方々を魅了している。
フォントディ フラッチャネッロ(赤)
1~2万
サンジョベーゼの傑作。充実した成分が表現する高次元のバランス感覚。
アドヴォケイト100点満点もさることながら、一般消費者の方々の口コミ満足度も際立って良い。
ペルカルロ(赤)
9000~2万
充実した成分による風格があり、熟成で真価を発揮する秀逸なサンジョベーゼ。
2万を超えるスーパートスカーナと比肩する満足度を考慮すると、コスパ面においても優れる銘柄。
ポッジョ ディ ソット ロッソ(赤)
9000前後
ブルネッロでも最高峰と感じたが、ロッソ ディ モンタルチーノでもトップと感じたポッジョ ディ ソット。
平均的なロッソ ディ モンタルチーノとは一線を画すエレガンスがある。
ガヤ(ピエヴェ サンタ レスティトゥータ)ブルネッロ(赤)
7000~9000
中価格帯のブルネッロの中でも目を引く口コミ満足度。
風格とエレガンスを両立した安定感あるブルネッロ。
アルジャーノ ブルネッロ(赤)
6000前後
他の生産者のブルネッロと比較するとマイルドで優しい飲み口
中価格帯のブルネッロで最もおすすめできる人気銘柄。
ファルキーニ カンポラ(赤)
5000~6000
スーパートスカーナの熟成古酒のエレガントで複雑な魅力がすぐに楽しめるハイコスパワイン。
10年を超える熟成による複雑で落ち着きある香りと味わい、そして滑らかな飲み口にあり、円熟した大人っぽいエレガントさが感じられる。
ルチェンテ(赤)
3600~5000
万人受けする銘柄の代表格。
優しくマイルドな味わいではありますが、カジュアルワインには無い上質なタンニンや酸などに由来する気品が感じられ、複雑性や奥行きもありバランスが良い。
カンポ アル マーレ ボルゲリ(赤)
3000前後
絶好の立地で造られるお手頃なボルゲリ。
ボリューム感と清涼感を両立し、適度な複雑さや深さを持ったバランス型。
メリーニ キャンティC (赤)
2500~3000
2000円台で頭一つ抜けたキャンティクラシコ。
平均的なキャンティ クラシコに比べ深みのある味わいや複雑な風味が感じられ、熟成に耐える能力も高い。
チャッチ ピッコロミニ ダラゴナ(赤)
2000前後
ブルネッロの片鱗が感じられるお手軽銘柄。
フルーティーで軽快な親しみやすい味わいの中に心地よい旨味や複雑な風味もあり、品の良さや奥深さも適度に感じられる。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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