キャンティクラシコ ヴィニエティ ラ セルヴァネッラ メリーニ

おすすめ【赤】ワイン

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2000円台で頭一つ抜けたキャンティクラシコ

同価格帯ではリカーゾリと並んで多くの消費者に選ばれ、口コミ満足度(vinica)が高いと感じた銘柄です。

キャンティクラシコ地区を代表する大規模生産者で、ラインナップも非常に多いメリーニですが、フラッグシップであるこのラ セルヴァネッラは特に好評

という訳で、メリーニにおいては唯一紹介する銘柄となります。

この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。

《ワイン名》キャンティクラシコ ヴィニエティ ラ セルヴァネッラ

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《価格》

2500~3000円

《ブドウ品種》サンジョベーゼ
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   イタリア>トスカーナ州
《生産者》  メリーニ

プロフィール
メリーニはキャンティ クラシコ地区を代表する大規模生産者
年間約700万本の生産量を誇り、安定的な資本力による技術革新で品質向上も実践する生産者です。


「高品質ワインを少量造るのはさして難しいことではない。高品質なものを安定供給させることのほうがよほど困難である。」
醸造責任者であるヌンツィオ カプルソ氏のこの言葉からは、自信とプライドが窺い知れます。

創業1705年と歴史は古く、ボトルに藁(わら)を巻いた「フィアスコ ボトル」を1860年に考案した事でも有名。
また、1960年代後半にキャンティ地方において初めて単一畑の概念を取り入れたこともメリーニの大きな功績で、その銘柄こそが今回紹介している単一畑“ラ セルヴァネッラ”で造られたワインです。 

そしてこのラ セルヴァネッラこそメリーニにおけるフラッグシップ
イタリアの権威あるガイドブック『ガンベロロッソ』など、様々なワイン誌で多数の受賞歴を有する銘柄です。

《味わいの特徴》

適度な深さと複雑性
安定感あるキャンティ クラシコ

このワインの特徴は、平均的なキャンティ クラシコに比べ深みのある味わいや複雑な風味が感じられ、熟成に耐える能力も高いところ。
またそのような良質キャンティクラシコが、安定的な品質を保って毎年生産され、コスパに優れる点も嬉しい特徴です。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

品種の個性
キャンティに使用されるサンジョベーゼは、スミレやチェリーを思わせるフレッシュな香りを持ち、味わいも豊富な酸とフレッシュな果実味を持ったワインを生む傾向。しかしメリーニが造るサンジョベーゼは、そのような個性をベースに持ちつつ凝縮感や深みが感じられ、熟成に耐える力も持ち合わせています。
その要因は以下で解説します。

恵まれた環境の単一畑
このワインは単一畑”ラ セルヴァネッラ”のブドウだけで造られる銘柄。
豊富な日照が得られる南西向きの斜面や、石灰を含んだ粘土質土壌があり、古くから最も優れた畑のひとつとして知られています。
豊富な日照で十分に熟度を高め土地の成分を吸い上げたサンジョベーゼは、豊潤な果実味、酸、タンニン、ミネラルなどを持ち合わせており、それらの充実した成分がある事で長期熟成に耐えられ、熟成することで成分が溶け合い円熟味や熟成感が増していきます。

フレンチオークで長期熟成
大樽のフレンチオークで30ヶ月間熟成させており、ブドウの風味に加え樽に由来するコーヒーやタバコのような風味が適度に感じられます。

メリーニ社の力
「高品質ワインを少量造るのはさして難しいことではない。高品質なものを安定供給させることのほうがよほど困難である。」
そう語る醸造責任者ヌンツィオ カプルソ氏。
メリーニ社は品質維持または向上するための資金力も豊富で、技術革新などの取り組みによって安定的に良質ワインを生むことを可能にしています。

 

【外観】
輝きのある深いルビーレッド
熟成するほど透明感のあるレンガ色に近づく

【香り】
プラムや熟したチェリーなど円熟した果実香に、樽に由来するコーヒーやタバコのニュアンス。革製品、土、鉄分といった香りも加わり複雑で芳醇な香りが広がります。

【味わい】
力強くも透明感のあるミディアム~フルボディ。果実味はボリューム感がありますが甘味は控えめでドライな印象で、豊富なタンニンが味わいの構造を形成。中程度の酸味が味わいをまとめると、果実や樽や土などの風味とコクを残した余韻が続きます。

 

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
少し冷やし気味にすれば引き締まった印象。酸やタンニンが際立ちエレガントな飲み口に。
温度を上げるほど穏やかな印象。甘味や複雑な風味の広がりが楽しめます

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~15年
※一般的傾向から推測。
※口コミでは30年近い熟成酒が美味しかったというコメントもあります。

【当たり年】
参考までに、トスカーナ州のヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2005年 
2006年 5
2007年 4
2008年 4
2009年 4
2010年 
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5
2016年 5
2017年 3
2018年 3

 

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
香りが取りやすく、甘味を感じやすいバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


バーニャカウダ


鴨鍋

適度なボリューム感と複雑性を持ち合わせたバランス良いワインです。
合わせる料理も適度なコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

7年熟成の2013は悪くもないけど。。。普通ですね。


ワインは楽しい会話と共に飲みたいですね。値段も手軽で美味しいワインでしたが、友人との会話が重くて味わいにくかった。。。


ピノを希望したが無いらしく、代わりにこのキャンティクラシコ。合格ラインはクリアしてはいるけど、やはり高い満足感は得られませんでした。

良い口コミ

美味い!なんと1990は29年物で、熟成感ある心地よい飲み心地でした!!


ソムリエさんに進められた銘柄を2日間に分けて楽しむの巻。5年熟成2013の初日はフランボワーズ、チェリー、スミレなどの香りで若々しいキュートさがある味わい。2日目になると一転、ラムレーズン系の深みのある香りと凝縮感のある果実味でブラックコーヒーのニュアンスも。初日の初々しい感じも悪くないけど、2日目の落ち着きある女性的な雰囲気の方が好みだな~~♪


ほ~。これで2000円台半ばですか。7年熟成の2014は充実感のある味わいながら透明感も両立。価格も考慮すれば満足せざるを得ない。


3000円前後のサンジョベーゼの中ではかなりコスパ良い♪6年熟成の2014は染み込むような旨味やコクがあり、アルコール感が無いのでスルリと飲める心地よさ。華やかかつ複雑な芳香で既に飲み頃、そして熟成ポテンシャルも窺える。おすすめです♪

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!     7%
美味しい     60%
普通       33%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

唸るような味わい深さは無いようでが、否定的なコメントもほとんど無し。

適度な深みとバランス感覚に優れた味わいに、中々良いといったニュアンスの方が大半で、コスパが良いと感じる方がとても多いことが印象的な銘柄でした。

抜栓直後から楽しめますが、時間経過でまろやかさや風味が増し向上する傾向。
適切に保存されたであろう20年以上の熟成物に、高い評価を与える方がおられたことも印象的でした。

2000円台のキャンティクラシコの中ではリカーゾリと並んで頭一つ抜けた銘柄だと感じる結果となりました。

 

まとめ

それでは最後に情報整理です。

キャンティクラシコ ラ セルヴァネッラ メリーニ

価格
2500~3000円


熟した果実、樽の芳ばしさ、土、革などの複雑な芳香。力強くも透明感のあるミディアム~フルボディで、果実味はボリューム感があるが甘味は控えめでドライな印象。豊富なタンニンが味わいの構造を形成し、中程度の酸味が味わいをまとめると、果実や樽や土などの風味とコクを残した余韻が続く。

飲み頃
ブドウ収穫年から5~15年
※一般的傾向から推測
※口コミでは30年近い熟成酒も好評

当たり年
トスカーナ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。

5点秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2005年 
2006年 5
2007年 4
2008年 4
2009年 4
2010年 
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5
2016年 5
2017年 3
2018年 3

口コミ
中々良いといったニュアンスの方が大半で、コスパが良いと感じる方がとても多い。
抜栓直後から楽しめるが、時間経過でまろやかさや風味が増し向上する傾向。
適切に保存されたであろう20年以上の熟成物に、高い評価を与える方がおられたことも印象的。


以上です。

高品質少量より、高品質安定供給の方が難しい。

というメリーニの醸造責任者の言葉、印象に残りました。

フランスのルイ ジャドジェラール ベルトランなどもそう思っているかもしれない。気が合うかもしれないと、勝手ながらに想像してしまいました。

さておき、高すぎず安すぎず安定的に美味しいこの銘柄は、選択肢に持つべきキャンティクラシコだと感じました。

あなたはどのように感じましたでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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