樽が効いた複雑な風味を持ったまろやかな上質シャブリ。
樽を使わない事で透明感あるピュアな果実味と酸味を感じるシャブリ。
どちらがお好みでしょうか。
場面や、合わせる料理などによっても変わりますが、今回のワインは後者です。
近年ピオロジック農法を取り入れたことで、よりクリーンでありのままの土壌やブドウの特徴がワインに反映されるようになり、実際飲まれた方の評価も高く、しかもお値打ちという事で紹介しておこうと思いました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ベルナール ドゥフェ シャブリ
《価格》
【2100~3000円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャブリ
《生産者》 ドメーヌ・ベルナール・ドゥフェ
《特徴》
爽やかでミネラリー
ほどよいコクも持った
キレイなシャブリ
ベルナール・ドゥフェのシャブリは樽を使わず、ステンレスで発酵させることで樽の風味が付かず、果実と土壌に由来する風味を際立たせている事。
さらに農薬を使わないビオロジック農法を実践している事で、よりピュアでありのままの土壌やブドウの要素がワインに反映している事です。
冷涼なシャブリという事で、温暖な気候のワインのようなパワフルな果実味ではなく、キレイな酸を持った柑橘類や、リンゴでも熟したリンゴというよりは青リンゴのような爽やかなフルーティさがありエレガントな印象です。
また、シャブリ特有のキンメリッジ土壌(貝殻などの化石を多く含んだ土壌)によるミネラル感も豊かで、凛とした骨格を感じさせほどよいコクも加わり、ただスッキリ軽快なだけではない心地よさもあります。
※ミネラル感とは、カリウムやマグネシウムといったミネラル分を多く含んだキリッと芯のある味わいで、硬水をイメージするとわかりやすく、キーンとくる感じです。
【外観】
淡いレモンゴールド
【香り】
レモンやグレープフルーツなどの爽やかな果実香に、青りんごやラフランスのフルーティな果実香、白い花の華やかさも感じられます。
【味わい】
若々しくフレッシュな果実味は爽やかさがあり、シャブリらしいミネラル感は凛とした質感を表しコクも感じられます。
キレの良い美しい酸味は味わいを引き締めエレガントな余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
少し温度を上げれば、フルーティな味わいが広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2年~5年
若いうちのピュアな果実味と酸味を楽しむタイプのワインです。
長く熟成させてしまうと、フレッシュな風味が抜けてしまい枯れた印象の味わいになってしまうでしょう。
《適正グラス》
【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
天ぷら各種をレモンと塩で
など、比較的繊細な味わいを持った料理に合わせると良いでしょう。
フレッシュでフルーティで豊かな酸味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
手頃で綺麗なシャブリをお探しでしたら、このワインを選択肢の一つに入れても良いのではないでしょうか。
ステンレス発酵によるピュアな果実味と、豊富なミネラル感を持つエレガントな質感は、樽の効いた上級シャブリのような深さこそ無いものの、カジュアル過ぎて薄っぺらくもないので、様々な場面でほどよく活躍してくれる事でしょう。
いろんなワインを飲むような場面では、このようなワインを前半で飲む事で、その後で飲む深いワインの味わいがよく理解できるという事もあります。
《こんな場合には不適切!?》
基本的にはスッキリ系のシャブリですから、ニューワールド系のジューシーな果実味を求める方には軽すぎるでしょう。
そのようなワインを求める方は、この価格帯のシャブリを選ぶべきではありません。
それから非常にコクのある料理にも合わせにくいですね。
和牛のコクや濃厚なソースには、その強さに見合った赤ワインなどがマッチし互いを引き立て合うでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「メロンを思わせるフルーティな香りがあったから甘いのかと思ったけど、味わいは予想に反してかなりドライ。凛としたミネラル感もあり酸が味わいをまとめる。なかなかいいワインだ。」
「牡蠣に合わせて2年目の2016を。グレープフルーツに石灰にヨーグルトの香りがあり、樽は感じません。シトラスを思わせる爽やかな味わいでシャブリらしいミネラル感もありコクもちゃんとあり、キレの良い酸味でスッキリとしており生カキともよく合いました。」
「5年目の2011だ。私の定番で安定の美味しさが気に入っているんだ。」
【悪い口コミ】
「ちょっと酸が強めのシャブリで特筆すべき特徴も無い。悪くもなきゃ良くもない。そんなワイン。」
「2年目の2015は若いから?悪かないけどなんかひっかかるんだよ。」
「なんだか物足りないワインね。フードフレンドリーと言うべきなのかもしれないけど私には薄く価格以下の評価です。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 4%
美味しい 40%
普通 52%
良くない 4%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
心地よい香りとスッキリエレガントでミネラリーな味わいを持ったシャブリらしいワインで、そこを良さとして捉える方と、ちょっと薄くて物足りないと評価する方もいるという傾向でした。
ちょっと興味が湧いた口コミは、5年熟成でとても高い評価をしていたもので、くわしくコメントしていなかったので詳細がわからなかったのですが、少し熟成させた方が円熟味が増し美味しくなるのかも?という事です。
そんなに高いワインでもないので、そのような熟成チャレンジを楽しんでみてもいいのかもしれません。
以上です。
ベルナール・ドゥフェは小規模な家族経営の生産者で、ルイ・ジャドやルイ・ラト―ルのように多くワインを生産していないため、今は売っていますがいつも手に入るようなワインではなくなる可能性もあります。(大規模生産者以外はそういうところがあります。)
だから今のうちに買うべきと言っているのではなく、そういうものだと理解しておくことも必要という事です。
私も気に入ったワインをお店で使っていて、業者が輸入を辞めてしまったことで手に入れられなくなってしまったワインもたくさんあります。
この原因の一つはあまり売れなかったからという事が挙げられるでしょう。
せっかく美味しいのに。
ですから、美味しいワインを見つけてそのワインを継続的に飲みたいのであれば、その良さをSNSなどを活用して伝え、そして多くの人に買って飲んでもらう必要があるのでしょう。
売れるワインであれば、輸入業者も仕入れを辞めないでしょうから。
なんだか話がそれましたが。
言いたいのは。
ワインを楽しんで下さい。
という事ですかね。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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