今回はナポレオンが愛した!?ワインの紹介です。
フィサン。
ブルゴーニュのピノノワール産地においてややマイナーな産地。
ジュブレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネなどの有名産地に比べれは知名度こそ劣りますが、そんな産地にも優れたワインを生むとして名声を挙げている生産者はやはりいました。
歴史は古く、1830年頃からワイン造りを行っており、かつてはナポレオンも愛したという歴史を持つと言われるドメーヌ。
フィサンで最も優れたプルミエクリュである【クロ・ナポレオン】はモノポール(単独所有)であり、フィサンのワインを選ぶのであれば、選択肢に必ず入れておきたい生産者とも言えるでしょう。
今回紹介するワインは村名AOCフィサンで、プルミエクリュも良かったのですが、口コミ評価を見てみるとこちらの方が良い傾向が見られましたので、紹介させていただく事にしました。
ナポレオンも愛したドメーヌの歴史は1830年頃から。
ナポレオンの生涯は1769年~1812年という事で・・
???
ですが、これ以上深堀はしません。
何かしらの由縁があるのでしょう。(笑)
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ ピエール ジュラン フィサン
《価格》
【5000円前後】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>フィサン
《生産者》 ドメーヌ・ピエール・ジュラン
《特徴》
明るく豊かな果実の風味
骨格ある上質ピノ
このワインの特徴的な部分は美しく心地よい果実の豊かな風味にあります。
そのような果実味を表現するために、樽のニュアンスが強く現れる新樽を使用する比率を低くし、樽香をほどほどにすることで果実のピュアな風味を感じやすい造りにしています。
またその果実のポテンシャルを上げるために、農薬を極力使わない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践しており、そうすることで健全な土壌によるブドウが育ち、ブドウ本来の純粋で成分豊かな味わいをワインに反映させています。
【外観】
透明感のあるルビーレッド。
熟成させるほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
イチゴやラズベリーを思わせる明るくチャーミングな果実香に、カシスやプルーンなどのフルーティな果実香もあり、バラの華やかさにほのかな樽のニュアンスも感じられます。
熟成するほど果実香は落ち着きあるドライフルーツのようなニュアンスに近づき、土や革製品を感じさせる熟成香も加わってきます。
【味わい】
明るくピュアな果実味は心地よく広がり、ほどよい甘味とコクがあります。
中程度のタンニンは骨格ある質感を表現し、伸びやかな酸味は味わいを引き締め、心地よい果実の風味を残した余韻が続きます。
熟成するほど成分は溶け合いコクとまろやかさが増し、若々しいフレッシュなニュアンスは減り、円熟味のある品質へと成長してゆくでしょう。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
14℃程度にすれば、酸味が際立ちフレッシュなベリー系果実の風味が感じられる軽快さのある飲み口になります。
温度を上げるほど酸味は穏やかに感じられ、その分甘味や旨味などの複雑な風味が豊かに広がる味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど、飲み頃になるのが遅く長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど、比較的早くから楽しめ飲み頃の期間は短くなります。
ブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
美しい外観と香りを持ち、エレガントな風味のワインです。
香りが取りやすく温度が少しずつ上がり、甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
フォアグラのバターソテー
など、上質でコクのある料理に合わせることで、エレガントな風味とコクの広がる上質なマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
ブルゴーニュでコスパの良い上質ピノノワールを求める方にはおすすめしたいですね。
ジュブレ・シャンベルタン、ジャンボール・ミュジニ-、ヴォーヌ・ロマネなどは、その知名度だけでも付加価値が加わり、価格も高額になりがちですが、ちょっとマイナーなフィサンのワインは、品質はさほど劣らないにもかかわらず、価格は非常に手頃です。
また、このようなフィサン・ルージュは市場であまり見かける事もないでしょう。
ワインに詳しい方にプレゼントにしても、「フィサンかぁ。おもしろいなぁ。ありがとう。」となりそうですし、味わいも含めて満足度は高まりそうです。
《こんな場合には不適切!?》
バランスの良いワインで、向かない場面も想像しにくいですが、あえて言うなら、南フランスのグルナッシュ、オーストラリアのシラーズ、カリフォルニアのカベルネソーヴィニヨンなど、温暖な産地の濃縮されたジューシーでパワフルな果実味を持ったワインが好みの方には向かないかもしれません。
少しだけ薄く感じてしまうかもしれませんね。
それから、上質なピノノワールですから、あまりカジュアルすぎる場面にも向かないかもしれません。
ワインに興味の無い人達との集まりで、とんちゃんでも囲みながらビールのコップでこのワインを飲んでしまっては残念でしょう。
「フィサンだぁ?あ、そう。そんな事よりこのニュー柳屋のとんちゃんうめーな!!」
と、なります。
ワインの良さがわかる人とちょっとお洒落な場面で、せめてワイングラスで楽しみたいですね。(笑)
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「ピエール・ジェランのフィサンを続けて飲んでいます。5年目の2012はチャーミングな風味があり親しみやすい品質。グランクリュクラスのスケールはありませんが、時間経過で広がる果実味も心地よく、私にとってはこれくらいの強さが丁度いいですね。
そしてさらに旨いのは熟成して円熟味のある2006。
これを飲んでしまうと12はまだ早かったのかな、と感じてしまうほど素晴らしいです。」
「6年目の2009だね。ビッグヴィンテージだけあって最初は硬い印象だが、時間が経つほど広がる味わいを楽しめる。
派手さこそ無いが親しみやすく旨いピノだね。」
「9年目の2005は、初めは酸が強すぎるかなと思いましたが、だんだん落ち着いて美味しくなっていきました。
優しく包まれるような香りは、ラズベリーや香水を思わせるニュアンスがあります。ほどよい脂の乗ったコクのある料理と合いそうな素敵なワインだと思います。」
【悪い口コミ】
「ちょっと渋味が残って気になるかな。悪くはないけどね。」
という皆様の声でした。
その他にもいくつか口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 14%
美味しい 36%
普通 50%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
そんなに飲んでいる方は多くなく、特に高評価を出している方は同一人物でもあったのですが、おおよそ親しみやすく好感の持てる品質と評価する方が多く、特に10年程度熟成させたものは評価も高めの傾向が感じられました。
悪い口コミも載せたいのですが、具体的に悪く評価するコメントは見つかりませんでした。
それは安定感とバランス感覚にも優れており、隙の少ないワインである事の裏返しで、ピノノワール好きには万人受けしやすいワインなのだろうと思いました。
以上です。
ここまで解説しましたが、このワイン、売っているところも少なく下のリンク先も売り切れる可能性も高いです。
安定して売れる有名ワインではないので、輸入業者もこのようなワインを入荷するのを戸惑うのかもしれません。(あくまで想像です)
しかし、いつでもどこでも手に入れられるわけではないところも逆に言えば魅力なのかもしれません。
そんな、メタルスライム的なワインかもしれませんね。
たまにドラクエが出てきます。(笑)
という訳で、珍しいフィサンの有力生産者の手掛けるワインはあなたの経験値を上げ、レベルアップさせる可能性を秘めたワインかもしれません。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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